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48限目 お嬢様
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彩香の顔を見ると心臓はバクバクいつもの倍以上の速度で動いていたがそれを悟られないように笑顔で挨拶を返した。
(やはり、カナエに似ているなつうか、もうこれはだだ若返っっただけだ)
「レイラ様をお姉さまと呼べる日が来ると思ったのに残念です」
「そうですか」
彩花が中村幸弘との婚約の話をしていることはすぐに分かった。
しかし、不特定多数の人間が聞いている場所でレイラは、その件を話す気はなかった。それに、早くなる心臓音を聞かれなくなったレイラはクルリと進行方向を向いて歩き始めた。
「素っ気ないですね」
レイラの後ろからピョコリと顔出した彩花が言った。
レイラが何も答えないと、彼女はレイラの横を歩いた。彼女はレイラの胸くらい身長しかなく、歩くたびに肩まで伸びたふわふわと揺れる栗色の髪が目に入った。
(小さくてトイ・プードル見ていだな。カナエと似ているが、彩花の方が可愛いなぁ)
「なんですか?」
あまりに見過ぎてしまったため、上を向いた彩花と目が合った。レイラは気まずくなり、フイと前を向いて足を早めた。
「なんですか? もしかして私に見惚れてました?」
(変な態度とったかな)
レイラは彩花の言葉に足を止めると彼女の方を見た。彼女もレイラと同じ様に足を止めて、ヘラヘラと笑いながらレイラを見上げた。
「そんな怖い顔しないでくださいよ。冗談ですよ。私の顔など……」
彩花は言葉の最後で寂しそうな表情を見せてた。その顔にレイラは息を呑んだ。彼女の家庭状況を思い出したのだ。
(自分だけ祖母の家に預けられるというのはどんな気持ちだろうか。そこでは正統な扱いを受けていたのか)
想像すればするほど、彼女に同情した。
レイラは優しく微笑むと、彼女の耳元に口を近づけてた。
「いや、可愛いよ」
「え」
「あ……」
レイラは慌てて口を抑えると、教室の方を向き足を進めた。
(やべぇ、無意識に素の言葉が出ちまった)
後悔しながらも、彩花の事が気になり視線だけ後ろへやった。彼女はついてきておらず、先程の場所から動いていなかった。そんな彼女の事をレイラは気になったが、戻らずに教室に向かった。
教室に入ると、登校してる生徒が少なく皆、席に座って勉強していた。していないのは藤子、それに夢乃だけであった。
笑顔を作ると楽しそうに話す彼女たちのもとへ向かった。2人はレイラの姿をすぐに見つけるとにこりと笑顔を見せ立ち上がり頭を下げた。
「レイラ様、おはようございます。今日は髪を下ろしているのですね」
「おはようございます。レイラ様。いつものと髪の感じが違いますね」
髪型の違いに気づく2人の観察力にレイラは驚いて持っている鞄を落としそうになったが、手に力を入れて防いだ。レイラは安堵しながら自分の机の横に鞄を掛けた。
「おはようございます。さすがお二人共鋭いですわね。今日は髪を結ってもらう人間が違いましたの」
「まぁ、そうなんですの」
レイラは席に座ると胸ポケットから学生証を取り出して、机の横にあるカードリーダーに差し込んだ。
「髪を結んでもらっているのですか。さすが、お嬢様ですね」
背後から甲高い声が聞こえた。それにいち早く反応したのではレイラではなく藤子だ。
「無礼な発言が聞こえると持ったら、貴女なの」
藤子は仁王立ちして腕を組み、椅子に座っている彩花を睨みつけた。その横にいる夢乃も同じ様に彩花を睨みつけていた。
まるで、猛獣の戦いのような凄みがあった。周囲はこの騒動に気付いているが、聞こえないフリをしてノートにペンを走らせていた。
「レイラ様のお髪(ぐし)は、毎日雇ってる専属の美容師が手入れをしてるのよ」
(え? 美容師? いや、違うし……確かに、中学なったら自分で結わないとだよな)
レイラは人にやってもらっているというのが恥ずかしくなった。
「そうよ。だから、レイラ様のお髪(ぐし)は常に一級品なのよ」
「待ってください。私に専属の美容師はいませんわ。美容室は月に数回出向いていますわ」
レイラは、根も歯もない事が噂になってしまうのを警戒して少し大きな声で伝えた。それでなくとも、レイラは自分自身が知らない噂が飛び交っている。
レイラはため息を付いて、大きく首を振り、三人の様子を見て言いづらそうに口を開いた。
「家政婦ですわ。私は身なりのほとんどを家政婦にまかせておりますのよ。でも、そろそろ、自分でもと思いましたの」
自分で言っていて恥ずかしくなり最後の方は声が小さくなってしまった。
(中学にもなって自分の事できない事を告白させられるとか。拷問じゃねぇかぁ)
レイラが彩花を見ると、なぜか、眉を下げてなんとも言えない顔をしていた。それと反対に尊敬の眼差しを向けているのは藤子と夢乃だ。
「さすが、レイラ様。ご自宅には家政婦さんがいるのですね」
「レイラ様レベルのご家庭ですと、そうですわよね」
「ええ」
レイラは抑揚の無い声で返事をしたが、夢乃のはパァと目を輝かせた。
「では、食事も掃除も全て家政婦さんがやってくださるのですか?」
「そうですわ」
今度は藤子が興味深々な顔で聞いてきた。その質問にもレイラは淡々とした感情のない声で返答した。
「さすが、大道寺のお嬢様ですわね」
「そうですわね」
和気あいあいと、藤子と夢乃は会話に花を咲かせていた。彩花は反対にドンドン暗い顔して同情するような目レイラを見ていた。
(なんで、彩花は俺(レイラ)を馬鹿にしたいんだ? 桜花会に楯突いてもいい事ないぞ)
しばらくして教師の扉を叩く音がした。生徒の視線がその扉に集まった。扉が開くと、教師が紙の束を持って現れた。
(やはり、カナエに似ているなつうか、もうこれはだだ若返っっただけだ)
「レイラ様をお姉さまと呼べる日が来ると思ったのに残念です」
「そうですか」
彩花が中村幸弘との婚約の話をしていることはすぐに分かった。
しかし、不特定多数の人間が聞いている場所でレイラは、その件を話す気はなかった。それに、早くなる心臓音を聞かれなくなったレイラはクルリと進行方向を向いて歩き始めた。
「素っ気ないですね」
レイラの後ろからピョコリと顔出した彩花が言った。
レイラが何も答えないと、彼女はレイラの横を歩いた。彼女はレイラの胸くらい身長しかなく、歩くたびに肩まで伸びたふわふわと揺れる栗色の髪が目に入った。
(小さくてトイ・プードル見ていだな。カナエと似ているが、彩花の方が可愛いなぁ)
「なんですか?」
あまりに見過ぎてしまったため、上を向いた彩花と目が合った。レイラは気まずくなり、フイと前を向いて足を早めた。
「なんですか? もしかして私に見惚れてました?」
(変な態度とったかな)
レイラは彩花の言葉に足を止めると彼女の方を見た。彼女もレイラと同じ様に足を止めて、ヘラヘラと笑いながらレイラを見上げた。
「そんな怖い顔しないでくださいよ。冗談ですよ。私の顔など……」
彩花は言葉の最後で寂しそうな表情を見せてた。その顔にレイラは息を呑んだ。彼女の家庭状況を思い出したのだ。
(自分だけ祖母の家に預けられるというのはどんな気持ちだろうか。そこでは正統な扱いを受けていたのか)
想像すればするほど、彼女に同情した。
レイラは優しく微笑むと、彼女の耳元に口を近づけてた。
「いや、可愛いよ」
「え」
「あ……」
レイラは慌てて口を抑えると、教室の方を向き足を進めた。
(やべぇ、無意識に素の言葉が出ちまった)
後悔しながらも、彩花の事が気になり視線だけ後ろへやった。彼女はついてきておらず、先程の場所から動いていなかった。そんな彼女の事をレイラは気になったが、戻らずに教室に向かった。
教室に入ると、登校してる生徒が少なく皆、席に座って勉強していた。していないのは藤子、それに夢乃だけであった。
笑顔を作ると楽しそうに話す彼女たちのもとへ向かった。2人はレイラの姿をすぐに見つけるとにこりと笑顔を見せ立ち上がり頭を下げた。
「レイラ様、おはようございます。今日は髪を下ろしているのですね」
「おはようございます。レイラ様。いつものと髪の感じが違いますね」
髪型の違いに気づく2人の観察力にレイラは驚いて持っている鞄を落としそうになったが、手に力を入れて防いだ。レイラは安堵しながら自分の机の横に鞄を掛けた。
「おはようございます。さすがお二人共鋭いですわね。今日は髪を結ってもらう人間が違いましたの」
「まぁ、そうなんですの」
レイラは席に座ると胸ポケットから学生証を取り出して、机の横にあるカードリーダーに差し込んだ。
「髪を結んでもらっているのですか。さすが、お嬢様ですね」
背後から甲高い声が聞こえた。それにいち早く反応したのではレイラではなく藤子だ。
「無礼な発言が聞こえると持ったら、貴女なの」
藤子は仁王立ちして腕を組み、椅子に座っている彩花を睨みつけた。その横にいる夢乃も同じ様に彩花を睨みつけていた。
まるで、猛獣の戦いのような凄みがあった。周囲はこの騒動に気付いているが、聞こえないフリをしてノートにペンを走らせていた。
「レイラ様のお髪(ぐし)は、毎日雇ってる専属の美容師が手入れをしてるのよ」
(え? 美容師? いや、違うし……確かに、中学なったら自分で結わないとだよな)
レイラは人にやってもらっているというのが恥ずかしくなった。
「そうよ。だから、レイラ様のお髪(ぐし)は常に一級品なのよ」
「待ってください。私に専属の美容師はいませんわ。美容室は月に数回出向いていますわ」
レイラは、根も歯もない事が噂になってしまうのを警戒して少し大きな声で伝えた。それでなくとも、レイラは自分自身が知らない噂が飛び交っている。
レイラはため息を付いて、大きく首を振り、三人の様子を見て言いづらそうに口を開いた。
「家政婦ですわ。私は身なりのほとんどを家政婦にまかせておりますのよ。でも、そろそろ、自分でもと思いましたの」
自分で言っていて恥ずかしくなり最後の方は声が小さくなってしまった。
(中学にもなって自分の事できない事を告白させられるとか。拷問じゃねぇかぁ)
レイラが彩花を見ると、なぜか、眉を下げてなんとも言えない顔をしていた。それと反対に尊敬の眼差しを向けているのは藤子と夢乃だ。
「さすが、レイラ様。ご自宅には家政婦さんがいるのですね」
「レイラ様レベルのご家庭ですと、そうですわよね」
「ええ」
レイラは抑揚の無い声で返事をしたが、夢乃のはパァと目を輝かせた。
「では、食事も掃除も全て家政婦さんがやってくださるのですか?」
「そうですわ」
今度は藤子が興味深々な顔で聞いてきた。その質問にもレイラは淡々とした感情のない声で返答した。
「さすが、大道寺のお嬢様ですわね」
「そうですわね」
和気あいあいと、藤子と夢乃は会話に花を咲かせていた。彩花は反対にドンドン暗い顔して同情するような目レイラを見ていた。
(なんで、彩花は俺(レイラ)を馬鹿にしたいんだ? 桜花会に楯突いてもいい事ないぞ)
しばらくして教師の扉を叩く音がした。生徒の視線がその扉に集まった。扉が開くと、教師が紙の束を持って現れた。
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