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87限目 言えずに時間は進む
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リョウは図書館から出ると、肌寒い風が身体に触れてブルリと振るわせた。
「やはり、日が沈むと寒さがこたえますね」
リョウは足早に駐車場に向かった。車が見えてくるとリョウは速度を落とし、後部座席を開けて待ってくれている運転手の港に挨拶をして手につけていた黒いバンドを渡して車に乗り込んだ。港はそれを確認すると、扉を閉めて運転席に乗り込んだ。エンジンをかけるとリョウに声をかけて出発した。
リョウは、椅子の背もたれて寄りかかり、まゆらの言われたことを思い出した。リョウがレイラの感情を前に出した姿を見たのはまゆらが計画した集団強姦事件を知った時のみだ。
幼い頃からやけに大人びた子どもであり、自分が彼女より幼く感じ恥ずかしくなったのは一度や二度の経験ではない。
「感じていないのではなく、隠しているということですか」
「悩みごとですか」
「あ、いえ……」
言葉に出ていたことに気づき、すぐ口を閉じた。
港は前を向いたまま、リョウに話しかけてきた。
「大人になれば、思っていることをほどんど口にしなくなりますよね。それが普通ですが、それにしてはレイラさんは大人びていますね。トメさんには気を許していた様ですが……」
港はバックミラー越しにリョウに顔を見ると寂しそうな顔した。
「トメさんの退職は仕方ありません」
「そうですね。13歳になると自立という意味で家政婦を変える規則ですからね。リョウさん、ご自分の時も寂しかったのではないですか」
「私は……」
リョウは自分の家政婦がユリコに変わった時のことを思い出した。確かに寂しく思ったが、その規則を知っていたため諦めた。
「あ……」
そこでリョウは自分がその規則を父に聞いたことに気づいた。レイラさんは自分の様に父との交流があまりにない。リョウは自ら父の関わっているがレイラはそういう事をしないのだ。
彼女がその規則を知らない可能性にリョウは気づいた。
「どうしました?」
「いえ、お話ありがとうございます」
しばらくすると、車は自宅に到着した。後部座席の扉を港があけ降りると、ユリコが頭をさげて出迎えた。リョウは車を降り、ユリコに挨拶をすると持っていた鞄を彼女に渡した。
リョウが部屋に向かうと、ユリコは彼の後をついて行った。
部屋に着くと、リョウは着替えはじめた。ユリコはその間に、鞄を机の横に置いた。それからユリコはリョウが脱いだ物を丁寧にカゴに入れた。
夕食の準備ができている事を伝えるとユリコはカゴを持って部屋を後にした。リョウは椅子に座るとユリコの出ていった扉をじっと見た。
「はぁ、トメさんの話をレイラさんにしなくてはなりませんね」
リョウはため息を着くと食堂に向かった。
食堂にはレイラがいた。彼女は食べ終わり部屋を出ようとしているところであった。
「亜理紗様は自宅に送ったのですか?」
「ええ」
「その後、何かありましたか?」
「特には」
「それで、あの……」
リョウが何を言おうとしたが、声が小さくレイラの耳には届かなかった。
彼女は「失礼しますわ」と言って食堂をでてそのまま入浴室に向かった。室内に入ると、すでにレイラの服やタオルが準備されていた。
レイラは服を脱ぐと、すぐに浴室に入りシャワー浴び体を洗うと浴槽に入った。
暖かいお湯が身体を包み、疲れが取れていくようであった。
「ふぅ」
ゆっくりと息を吐いた。そして、亜理紗を自宅まで送った時の事を思い出した。
「やはり、日が沈むと寒さがこたえますね」
リョウは足早に駐車場に向かった。車が見えてくるとリョウは速度を落とし、後部座席を開けて待ってくれている運転手の港に挨拶をして手につけていた黒いバンドを渡して車に乗り込んだ。港はそれを確認すると、扉を閉めて運転席に乗り込んだ。エンジンをかけるとリョウに声をかけて出発した。
リョウは、椅子の背もたれて寄りかかり、まゆらの言われたことを思い出した。リョウがレイラの感情を前に出した姿を見たのはまゆらが計画した集団強姦事件を知った時のみだ。
幼い頃からやけに大人びた子どもであり、自分が彼女より幼く感じ恥ずかしくなったのは一度や二度の経験ではない。
「感じていないのではなく、隠しているということですか」
「悩みごとですか」
「あ、いえ……」
言葉に出ていたことに気づき、すぐ口を閉じた。
港は前を向いたまま、リョウに話しかけてきた。
「大人になれば、思っていることをほどんど口にしなくなりますよね。それが普通ですが、それにしてはレイラさんは大人びていますね。トメさんには気を許していた様ですが……」
港はバックミラー越しにリョウに顔を見ると寂しそうな顔した。
「トメさんの退職は仕方ありません」
「そうですね。13歳になると自立という意味で家政婦を変える規則ですからね。リョウさん、ご自分の時も寂しかったのではないですか」
「私は……」
リョウは自分の家政婦がユリコに変わった時のことを思い出した。確かに寂しく思ったが、その規則を知っていたため諦めた。
「あ……」
そこでリョウは自分がその規則を父に聞いたことに気づいた。レイラさんは自分の様に父との交流があまりにない。リョウは自ら父の関わっているがレイラはそういう事をしないのだ。
彼女がその規則を知らない可能性にリョウは気づいた。
「どうしました?」
「いえ、お話ありがとうございます」
しばらくすると、車は自宅に到着した。後部座席の扉を港があけ降りると、ユリコが頭をさげて出迎えた。リョウは車を降り、ユリコに挨拶をすると持っていた鞄を彼女に渡した。
リョウが部屋に向かうと、ユリコは彼の後をついて行った。
部屋に着くと、リョウは着替えはじめた。ユリコはその間に、鞄を机の横に置いた。それからユリコはリョウが脱いだ物を丁寧にカゴに入れた。
夕食の準備ができている事を伝えるとユリコはカゴを持って部屋を後にした。リョウは椅子に座るとユリコの出ていった扉をじっと見た。
「はぁ、トメさんの話をレイラさんにしなくてはなりませんね」
リョウはため息を着くと食堂に向かった。
食堂にはレイラがいた。彼女は食べ終わり部屋を出ようとしているところであった。
「亜理紗様は自宅に送ったのですか?」
「ええ」
「その後、何かありましたか?」
「特には」
「それで、あの……」
リョウが何を言おうとしたが、声が小さくレイラの耳には届かなかった。
彼女は「失礼しますわ」と言って食堂をでてそのまま入浴室に向かった。室内に入ると、すでにレイラの服やタオルが準備されていた。
レイラは服を脱ぐと、すぐに浴室に入りシャワー浴び体を洗うと浴槽に入った。
暖かいお湯が身体を包み、疲れが取れていくようであった。
「ふぅ」
ゆっくりと息を吐いた。そして、亜理紗を自宅まで送った時の事を思い出した。
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