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91限目 庭園
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レイラは階段を上がり、屋上庭園に出た。
そこは、温室になっており常に綺麗な花を見ながらお茶を楽しむことができる場所だ。
レイラが椅子に座ると、後から息を切らせて来た亜理紗がレイラの目の前のイスに「失礼しますわ」っと言って座りカバンをテーブルに下に置いた。
「大丈夫ですの? あそこからそんなに距離ありませんわよね」
「レイラ様が早いですわ。体力もあるのですね」
亜理紗は息を整えながら、話した。
「そうでしょうか。普通ですわよ」
「亜理紗はクラスで一番速いのですわよ」
レイラはフと亜理紗が陸上部であることを思い出した。それは情報として知っているだけで彼女の走りを実際に見たことはなかった。
「そうですか」
レイラは短く返信をした。
「ここでしたら、桜花会専用ですし人目は気になりませんわよね。幸い、他の方もいませんしね」
「……そうですね」
「さっき、注目をあびていたのは気づいてましたわよね?」
「はい」
亜理紗は恥ずかしそうな顔した。
「まぁ、いいですわ。先程のお話の続きをしましょうか」
レイラの言葉に戸惑いながら、亜理紗はゆっくりと口を開いた。
「亜理紗は成績で悪く桜花会の上流の方とも親密な関係をつけれないので豊川の家では無能なのですわ。いつもお母様を怒らせてしまいますの」
(亜理紗は小学校受験で桜華に受かってるんだ。その時点で成績悪くないぞ。確かに、桜華では下の方だが社会に出れば上位だ。本当にここにいると価値観が狂う)
「だから、高貴な方と仲良くなるように努力しましたの」
(高貴? それが平岡圭吾か? まぁ、平岡グループはヤバいよなぁ。大道寺と変わんないくらいか?)
「桜花会にはいると、みんなが私を誉めてくれて嬉しかったわ。特待Aの方も最初は優しかったのですが以前、ちょっとしたことから……」
(ちょっとしたこと? もしかして、彩花と接触した日のことか?)
「他者に対している威圧的な態度をとったのが問題ではなくて?」
「それは……。その方が、いいかと」
「なんで、ですの?」
「お母様……」
亜理紗は小さな声でボソリと言った。
(なるほどね。真似か)
「でも、レイラ様が嫌なら態度改めます。だから、勉強を教えてください」
「教えるという話は以前しましたが、改めてどうしましたの?」
亜理紗はテーブルの下に置いたカバンを膝にのせると開き、その中から一枚の紙を出してテーブルの上に置いた。
「満点のテストですか。これがなんですの?」
常に満点をとっているレイラにとっては珍しくはないものだ。
「亜理紗は初めて満点をとったのですわ。今までは一桁だったのよ」
(それは、進級の危機かもしれねぇな)
「それは、おめでとうございます」
「亜理紗、特待が言っていることがよく分からなくたって自分で勉強してましたわ。でも、二桁にならないのですわ」
レイラは亜理紗を黙って見ていた。
「それが、レイラ様たちに教えもらったら今日のテストはすらすらとけましたのよ。素晴らしいですわ」
(定期テストでもない、ただの確認テスト大袈裟だな)
亜理紗はテーブルに身を乗り出して、手に持っているテストをレイラの顔の前に持ってきた。
「これなら特待Aに教わることは何もないですわ。レイラ様、これからも勉強よろしくお願いします」
亜理紗嬉しそうな顔して期待に満ちた目でレイラを見た。
「構いませんが、あの日は亜理紗に勉強を教えていたのは兄のリョウですわよ」
「あ、そうでした。でも、レイラ様も口出してくれましたわ」
(口出したって、助言と言って欲しいな)
キラキラ目を輝かせている亜理紗のその顔は素直で子どもらしい表情であった。
「それならもう、相手を威圧したり無駄に場所を占拠したりしないって事ですわね」
「ええ」
亜理紗は過去の自分の行動を思い出したようで、ばつの悪そうな顔をした。
(一様、アレは問題行動である事がわかっているのか?)
そして、気持ちを切り替えたようにまたニッコリと笑いレイラをみた。
「では、昼と放課後に一緒に勉強しますか?」
「ええ」
亜理紗はそう言いながら、カバンからお弁当を出すと「いただきます」と言って食べ始めた。それを見て、レイラもお弁当を出して開けた。
しかし、レイラが食事をする手を止めて考え始めた。それをパクパクと食べながら亜理紗は見ていた。
しばらくして、レイラは「ねえ」と声をあげて亜理紗を見た。それには彼女も食事の手を止めて「なんですの?」と答えた。
「亜理紗の特待Aは今、貴女に何をしてくれますの?」
「え……、うーん」
突然聞かれて、彼女は視線をテーブルに向けて悩み始めた。
「勉強を教えてくれるのと……、えっと、後は……」
(それは特待Aの主となる仕事だな)
「あ、そうよ。挨拶してくれるわ」
(桜花会の人間に挨拶しない奴なんていないな)
「……後ろからついてくる?」
(金魚のフンか)
「それで、近くに人間に悪態ついたり亜理紗を褒めたり」
(ヤンキーじゃねぇか)
「後は……」
そのまま亜理紗は考え込んでしまった。
「特待Aなんて必要ないですわね。廃止しますか」
「そんなことできるわけないですわ。特待Aというより、特待に対して高額な支援金を出し入学してもらうのは学校が学力をお金で買っているのですわ。首にするには大きな理由がないと」
(以前の奴は自分から辞めてくれたからいいけどな)
「あ……」
その時。
庭園の出入り口付近に人の気配がして顔あげた。その人物もすぐにレイラと亜理紗に気付いて、近づいてきた。
レイラは亜理紗に声をかけると慌てて立ち上がった。亜理紗はまだ口にお弁当が入っていたため慌てて飲み込み苦しんでいた。
そこは、温室になっており常に綺麗な花を見ながらお茶を楽しむことができる場所だ。
レイラが椅子に座ると、後から息を切らせて来た亜理紗がレイラの目の前のイスに「失礼しますわ」っと言って座りカバンをテーブルに下に置いた。
「大丈夫ですの? あそこからそんなに距離ありませんわよね」
「レイラ様が早いですわ。体力もあるのですね」
亜理紗は息を整えながら、話した。
「そうでしょうか。普通ですわよ」
「亜理紗はクラスで一番速いのですわよ」
レイラはフと亜理紗が陸上部であることを思い出した。それは情報として知っているだけで彼女の走りを実際に見たことはなかった。
「そうですか」
レイラは短く返信をした。
「ここでしたら、桜花会専用ですし人目は気になりませんわよね。幸い、他の方もいませんしね」
「……そうですね」
「さっき、注目をあびていたのは気づいてましたわよね?」
「はい」
亜理紗は恥ずかしそうな顔した。
「まぁ、いいですわ。先程のお話の続きをしましょうか」
レイラの言葉に戸惑いながら、亜理紗はゆっくりと口を開いた。
「亜理紗は成績で悪く桜花会の上流の方とも親密な関係をつけれないので豊川の家では無能なのですわ。いつもお母様を怒らせてしまいますの」
(亜理紗は小学校受験で桜華に受かってるんだ。その時点で成績悪くないぞ。確かに、桜華では下の方だが社会に出れば上位だ。本当にここにいると価値観が狂う)
「だから、高貴な方と仲良くなるように努力しましたの」
(高貴? それが平岡圭吾か? まぁ、平岡グループはヤバいよなぁ。大道寺と変わんないくらいか?)
「桜花会にはいると、みんなが私を誉めてくれて嬉しかったわ。特待Aの方も最初は優しかったのですが以前、ちょっとしたことから……」
(ちょっとしたこと? もしかして、彩花と接触した日のことか?)
「他者に対している威圧的な態度をとったのが問題ではなくて?」
「それは……。その方が、いいかと」
「なんで、ですの?」
「お母様……」
亜理紗は小さな声でボソリと言った。
(なるほどね。真似か)
「でも、レイラ様が嫌なら態度改めます。だから、勉強を教えてください」
「教えるという話は以前しましたが、改めてどうしましたの?」
亜理紗はテーブルの下に置いたカバンを膝にのせると開き、その中から一枚の紙を出してテーブルの上に置いた。
「満点のテストですか。これがなんですの?」
常に満点をとっているレイラにとっては珍しくはないものだ。
「亜理紗は初めて満点をとったのですわ。今までは一桁だったのよ」
(それは、進級の危機かもしれねぇな)
「それは、おめでとうございます」
「亜理紗、特待が言っていることがよく分からなくたって自分で勉強してましたわ。でも、二桁にならないのですわ」
レイラは亜理紗を黙って見ていた。
「それが、レイラ様たちに教えもらったら今日のテストはすらすらとけましたのよ。素晴らしいですわ」
(定期テストでもない、ただの確認テスト大袈裟だな)
亜理紗はテーブルに身を乗り出して、手に持っているテストをレイラの顔の前に持ってきた。
「これなら特待Aに教わることは何もないですわ。レイラ様、これからも勉強よろしくお願いします」
亜理紗嬉しそうな顔して期待に満ちた目でレイラを見た。
「構いませんが、あの日は亜理紗に勉強を教えていたのは兄のリョウですわよ」
「あ、そうでした。でも、レイラ様も口出してくれましたわ」
(口出したって、助言と言って欲しいな)
キラキラ目を輝かせている亜理紗のその顔は素直で子どもらしい表情であった。
「それならもう、相手を威圧したり無駄に場所を占拠したりしないって事ですわね」
「ええ」
亜理紗は過去の自分の行動を思い出したようで、ばつの悪そうな顔をした。
(一様、アレは問題行動である事がわかっているのか?)
そして、気持ちを切り替えたようにまたニッコリと笑いレイラをみた。
「では、昼と放課後に一緒に勉強しますか?」
「ええ」
亜理紗はそう言いながら、カバンからお弁当を出すと「いただきます」と言って食べ始めた。それを見て、レイラもお弁当を出して開けた。
しかし、レイラが食事をする手を止めて考え始めた。それをパクパクと食べながら亜理紗は見ていた。
しばらくして、レイラは「ねえ」と声をあげて亜理紗を見た。それには彼女も食事の手を止めて「なんですの?」と答えた。
「亜理紗の特待Aは今、貴女に何をしてくれますの?」
「え……、うーん」
突然聞かれて、彼女は視線をテーブルに向けて悩み始めた。
「勉強を教えてくれるのと……、えっと、後は……」
(それは特待Aの主となる仕事だな)
「あ、そうよ。挨拶してくれるわ」
(桜花会の人間に挨拶しない奴なんていないな)
「……後ろからついてくる?」
(金魚のフンか)
「それで、近くに人間に悪態ついたり亜理紗を褒めたり」
(ヤンキーじゃねぇか)
「後は……」
そのまま亜理紗は考え込んでしまった。
「特待Aなんて必要ないですわね。廃止しますか」
「そんなことできるわけないですわ。特待Aというより、特待に対して高額な支援金を出し入学してもらうのは学校が学力をお金で買っているのですわ。首にするには大きな理由がないと」
(以前の奴は自分から辞めてくれたからいいけどな)
「あ……」
その時。
庭園の出入り口付近に人の気配がして顔あげた。その人物もすぐにレイラと亜理紗に気付いて、近づいてきた。
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