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118限目 大晴の登校
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翌日。
大晴はいつもよりも早めに家を出た。
母が小1扱いをしてくるのがいやだったのと、真人がチャイムを押すのを阻止したかった。昨日の母の様子を思い出すと絶対に真人に合わせてはいけないと感じていた。
門を出て、家の中から姿が見えない位置で数分待つと遠くの方に真人が見えた。大晴はすぐに真人の元へ向かった。
「おはようございます。本当に黒服なんですね」
「おはよう。あぁ、しばらくは黒い」
そう言いながら、じっと大晴の顔を見た。大晴が意味が分からず首を曲げ疑問を投げかけた。
「壁があれば頼れ、乗り越え方を教える」
一言いうと、駅に向かって歩みだした。
大晴は理解できず考えながら歩いていると路地にあった車のミラーに自分の顔が映った。その顔は目が真っ赤に晴れていた。大晴は慌てて目をふせて、恥ずかしそうに下を向いて歩いた。そのため前を見ておらず、止まっていた真人の背中に頭をぶつけたい。
「あ、すいません」
「冷やせ」
そこはトイレの手洗い場であり、真人は濡らしたハンカチを大晴に差し出した。大晴は戸惑い、すぐに受け取ることができずオタオタしてしまったが彼は大晴が受け取るまでじっと待ていた。
「ありがとうございます」
礼を言って受け取ると、真人は頷き改札に向かった。大晴は目を冷やしながら、彼のあとを追った、そして昨日もらったICカードを出すと真人の真似をして改札にICカードをかざした。
通勤、通学時間帯であるため乗り切れないほどの人いて小さな大晴はその中に埋もれてしまいそうになると、真人に肩を抱かれ乗車した。
人が多く乗っているのに話し声がほとんどなく、電車の音が響いているのが不思議であった。乗客は電子機器を触っているか本を読んでいる。もしくは寝ているかであった。
だから、昨日のように真人に話かけることができなかった。
電車から降りると涼しき風がふき、気持ちよかった。春であるがまだ朝の風はひんやりとする。
「大丈夫か」
後ろにいた真人に声を掛けられた。無表情であるが、心配されているのがなんとなくわかった。
「はい」
「そうか」
返事をしたが、数十分の満員電車に乗り大晴は疲れていた。呼吸を落ち着かせながらチラリと真人を見ると彼は平然と立っていた。
「真人様はなんでこの電車平気なんですか?」
「慣れてる」
「え? 普段は車じゃないんですか?」
桜花会は全員運転手付きの車で登下校をしてるため、大晴は普段も車だと思っていた。実際、大晴は全て車移動をしている。
「桜花会はそう決まっているから従う。だが、私生活の規則は家庭に準ずる」
「それは、そうですが。では家の方針なんですね」
「早いと見落とすものがある」
「確かに」
大晴は真人に言うこと一つ一つに納得した。
真人は鞄からペットボトルを取り出した。それを大晴の頬につけたので彼「わぁ」っと声をあげて飛び上がった。
「え? くれるですか」
真人が頷いたので、大晴はそれを受け取った。中身が半分凍っており持ちずらそうにしてると、真人はタオルを差し出した。
「ありがとうございます。あ、タオルも冷たい。これで凍ったペットボトルに巻いてきたのですか?」
「直接入れると鞄が濡れる」
「そうですね」
再度礼を言うと、大晴はそれを飲んだ。冷たい水が喉を通るとスッキリとした。大晴はまだ少し残っているペットボトルを自分の鞄に入れると「行きますか」と足を踏みした。
真人は昨日と同じ速さで、真っ直ぐ学校に向かうのでついていくのが大変であった。
学校に近づくにつれて通学する生徒が多くなったが誰も、大晴が桜花会であることに気づかない。真人を見て「あれ」と表情を変えるものもいたが、軽くランニングしているような速さで切り抜けるため顔がよく見えず確信が持てないようであった。
あっという間に、玄関に着くと真人は「また昼」と言って去ってしまった。
取り残された大晴は唖然としていたが、周りの生徒がどんどん教室に向かうので慌てて上履きに履き変えると教室に向かった。
流石に教室に入ると、誰しもが大晴の存在気づいた。そして、直接話かけるものはおらず、遠巻きにヒソヒソと話ていた。
大晴付きの特待Aの二人もどうしていいかわからないようで近づかない。
居心地の悪さを感じた。
今すぎに帰りたかった。
だけど、今、ここで逃げてしまったら一緒に黒服を着て送り迎えをしてくれた真人に顔向けができないかった。
しかし、その空気に耐えるのが辛く、机に座ると鞄から教科書を開けて勉強に集中しようとしたその時、どこから、くすくすと言う笑い声が聞こえた。大晴は雑音だと決め耳を押さえたが、その声がどんどん近づき真横まできた。
流石に無視でいなくて、チラリと見るとそこにいたのは春であった。
「おはよう、横山君」
「……」
今にも春に向かって暴言を吐きたい気持ちがあったが、真人の優しさを思い出して堪えた。今は、黒服あるため桜花会には自ら挨拶をしなてはならないことは理解していたが、気持ちを押せるのが精一杯であった。
「さみしいな。挨拶も返してくれない?」
「おはようございます」
ニコリと笑う春に大晴は教科書から顔を動かさずに返事をした。
「ねぇ、なんでそんなに春の事嫌うの? それともはあれ? 好きだから構ってほしくては突っかかるの?」
しゃがみこんで、机に肘をつくとその上に顔をのせて大晴をみた。
「……どうしたの? 初等部の時みたいに照れたように罵ればいいじゃん」
「照れたって、俺が?」
「うん。春、可愛いでしょ」
寒気がした。大きな声で怒鳴りつけ罵倒したかったが必死に我慢した。
上目遣いで自分を見てくる春が心底気持ち悪いものに見えた。
「あ、黒服にされたから我慢?」
「……」
何も言わずに耐えているうちに担任教室が部屋にはってきた、すると春が自席に戻り安心した。
昼間になると、周囲の生徒は大晴を気にしていたがコソコソという話声はしなくなった。
特待Aも遠巻きにいるため、大晴から関わらないかぎりは無関係でいられるようであった。
「寂しそうだね。初等部では横山君の周りには人が絶えなかったのにね」
再度現れた春に、大晴は悪寒した。
確かに、初等部では自分の周りに人がいた。だから、自分がなにもしなくともその中の一人が春を馬鹿にし、大晴はニヤニヤしながら眺めていた。
その仲間が数名、今も同じクラスにいるが黒服の大晴を見ると一切近づいて来なかった。
その時、突然クラスがざわついた。
「ごきげんよう、真人様」
「今は桜花会ではない。様をつける必要はない」
「そんな。初等部を卒業されてからずっと真人様に会えるのを楽しみしていました」
「その、お姿も巻き込まれたそうで……」
「どんなお姿でも私たちには敬愛すべき桜花会の真人様です」
大晴のクラスだけではなく、他クラスの生徒も男女関係なく真人のそばに行った。そのため、彼は入口で身動きがとれなくなった。
「かわ……、横山は桜花会会長を恐れず自分の意見を主張した。それが規則に反し桜花会の権限停止となった」
「ですから、真人様はそれに巻き込まれたのですよね」
「自分からついて行った。内容はともかく制裁を恐れず意見を言えるのは素晴らしい」
大晴を誉める真人に、周囲の生徒はざわついた。
「なるほど。確かに素晴らしいです」
誰かが肯定すると、それが一斉に広まった。そこで、真人が、“大晴にようがある”と言えばその中の一人が大晴のもとに行き、彼を連れて行った。大晴あわてて鞄を持った。
それを見て、春は少し考えてから鞄を持ち大晴の後を追った。
真人とは教室から出ると歩く速度を速めたため、大晴はついて行くのが大変だったが、春は平然と真人の真横を歩いていた。
その差を大晴は腹立たしく思った。
「ごきげんよう、真人様」
「あぁ」
春の挨拶に、真人は前を見たまま答えた。それから何も言わないので春はむっと口を膨らませた。
春は様々な事を真人に話しかけたが返事は全て「あぁ」のみで、一度も春の顔を見ず表情もかえなかった。
真人はいくつかの階段を上がり、扉の前に立った。その後ろに春がおり、少し遅れて息を切らしている大晴が到着した。
その様子を春はチラリとみてクスリと笑った。それに大晴は腹が立ち言い返そうしたがその言葉を飲みのんだ。
真人は扉のカードキーに学生証をかざすと機械音がなり扉があいた。
「学生証をかざす」
2人は言われ通りにして、真人の後をついて行った。
扉を出るとそこには温室があり、様々な話が咲き乱れていた。
大晴は当たりを見回しながら、真人に着いて行った。
「ここはなんですか?」
春が真人に聞くと、彼は相変わらず前を向いたまま感情のない声で答えた。
「桜花会の四年以上と共にいれば誰でも使える場所」
「では、こんなに綺麗なのに殆ど無人なのですね」
「あぁ」
真人が温室の中央にあるテーブルに座ると、彼の横に春が座り対面に大晴が座った。
「昼食にしよう」
「は、はい」
真人が鞄から弁当を出すと、2人は同じ様に弁当を出した。
「真人様あの……」
「近い」
春が、真人の座る椅子に自分の椅子をピタリとつけると、彼は春の椅子を押した。
「蛙、なぜ二階堂を差別する」
「あ、それは……」
「え? なにそれ横山君、真人様に蛙って呼ばれてるの?」
春は大笑いしながら、大晴の言葉に自分の言葉をかぶせた。
「え……」
「真人様、なんで蛙なんです? 蛙みたいな顔だから? そんな事ないですよね? 横山君可愛い顔してますし。なんでなんです?」
真人は相手の意見を聞かず一気に話す春に顔を歪め睨みつけた。
初めて見る真人の表情に大晴は驚いた。
春はその迫力に言葉を失った。
大晴はいつもよりも早めに家を出た。
母が小1扱いをしてくるのがいやだったのと、真人がチャイムを押すのを阻止したかった。昨日の母の様子を思い出すと絶対に真人に合わせてはいけないと感じていた。
門を出て、家の中から姿が見えない位置で数分待つと遠くの方に真人が見えた。大晴はすぐに真人の元へ向かった。
「おはようございます。本当に黒服なんですね」
「おはよう。あぁ、しばらくは黒い」
そう言いながら、じっと大晴の顔を見た。大晴が意味が分からず首を曲げ疑問を投げかけた。
「壁があれば頼れ、乗り越え方を教える」
一言いうと、駅に向かって歩みだした。
大晴は理解できず考えながら歩いていると路地にあった車のミラーに自分の顔が映った。その顔は目が真っ赤に晴れていた。大晴は慌てて目をふせて、恥ずかしそうに下を向いて歩いた。そのため前を見ておらず、止まっていた真人の背中に頭をぶつけたい。
「あ、すいません」
「冷やせ」
そこはトイレの手洗い場であり、真人は濡らしたハンカチを大晴に差し出した。大晴は戸惑い、すぐに受け取ることができずオタオタしてしまったが彼は大晴が受け取るまでじっと待ていた。
「ありがとうございます」
礼を言って受け取ると、真人は頷き改札に向かった。大晴は目を冷やしながら、彼のあとを追った、そして昨日もらったICカードを出すと真人の真似をして改札にICカードをかざした。
通勤、通学時間帯であるため乗り切れないほどの人いて小さな大晴はその中に埋もれてしまいそうになると、真人に肩を抱かれ乗車した。
人が多く乗っているのに話し声がほとんどなく、電車の音が響いているのが不思議であった。乗客は電子機器を触っているか本を読んでいる。もしくは寝ているかであった。
だから、昨日のように真人に話かけることができなかった。
電車から降りると涼しき風がふき、気持ちよかった。春であるがまだ朝の風はひんやりとする。
「大丈夫か」
後ろにいた真人に声を掛けられた。無表情であるが、心配されているのがなんとなくわかった。
「はい」
「そうか」
返事をしたが、数十分の満員電車に乗り大晴は疲れていた。呼吸を落ち着かせながらチラリと真人を見ると彼は平然と立っていた。
「真人様はなんでこの電車平気なんですか?」
「慣れてる」
「え? 普段は車じゃないんですか?」
桜花会は全員運転手付きの車で登下校をしてるため、大晴は普段も車だと思っていた。実際、大晴は全て車移動をしている。
「桜花会はそう決まっているから従う。だが、私生活の規則は家庭に準ずる」
「それは、そうですが。では家の方針なんですね」
「早いと見落とすものがある」
「確かに」
大晴は真人に言うこと一つ一つに納得した。
真人は鞄からペットボトルを取り出した。それを大晴の頬につけたので彼「わぁ」っと声をあげて飛び上がった。
「え? くれるですか」
真人が頷いたので、大晴はそれを受け取った。中身が半分凍っており持ちずらそうにしてると、真人はタオルを差し出した。
「ありがとうございます。あ、タオルも冷たい。これで凍ったペットボトルに巻いてきたのですか?」
「直接入れると鞄が濡れる」
「そうですね」
再度礼を言うと、大晴はそれを飲んだ。冷たい水が喉を通るとスッキリとした。大晴はまだ少し残っているペットボトルを自分の鞄に入れると「行きますか」と足を踏みした。
真人は昨日と同じ速さで、真っ直ぐ学校に向かうのでついていくのが大変であった。
学校に近づくにつれて通学する生徒が多くなったが誰も、大晴が桜花会であることに気づかない。真人を見て「あれ」と表情を変えるものもいたが、軽くランニングしているような速さで切り抜けるため顔がよく見えず確信が持てないようであった。
あっという間に、玄関に着くと真人は「また昼」と言って去ってしまった。
取り残された大晴は唖然としていたが、周りの生徒がどんどん教室に向かうので慌てて上履きに履き変えると教室に向かった。
流石に教室に入ると、誰しもが大晴の存在気づいた。そして、直接話かけるものはおらず、遠巻きにヒソヒソと話ていた。
大晴付きの特待Aの二人もどうしていいかわからないようで近づかない。
居心地の悪さを感じた。
今すぎに帰りたかった。
だけど、今、ここで逃げてしまったら一緒に黒服を着て送り迎えをしてくれた真人に顔向けができないかった。
しかし、その空気に耐えるのが辛く、机に座ると鞄から教科書を開けて勉強に集中しようとしたその時、どこから、くすくすと言う笑い声が聞こえた。大晴は雑音だと決め耳を押さえたが、その声がどんどん近づき真横まできた。
流石に無視でいなくて、チラリと見るとそこにいたのは春であった。
「おはよう、横山君」
「……」
今にも春に向かって暴言を吐きたい気持ちがあったが、真人の優しさを思い出して堪えた。今は、黒服あるため桜花会には自ら挨拶をしなてはならないことは理解していたが、気持ちを押せるのが精一杯であった。
「さみしいな。挨拶も返してくれない?」
「おはようございます」
ニコリと笑う春に大晴は教科書から顔を動かさずに返事をした。
「ねぇ、なんでそんなに春の事嫌うの? それともはあれ? 好きだから構ってほしくては突っかかるの?」
しゃがみこんで、机に肘をつくとその上に顔をのせて大晴をみた。
「……どうしたの? 初等部の時みたいに照れたように罵ればいいじゃん」
「照れたって、俺が?」
「うん。春、可愛いでしょ」
寒気がした。大きな声で怒鳴りつけ罵倒したかったが必死に我慢した。
上目遣いで自分を見てくる春が心底気持ち悪いものに見えた。
「あ、黒服にされたから我慢?」
「……」
何も言わずに耐えているうちに担任教室が部屋にはってきた、すると春が自席に戻り安心した。
昼間になると、周囲の生徒は大晴を気にしていたがコソコソという話声はしなくなった。
特待Aも遠巻きにいるため、大晴から関わらないかぎりは無関係でいられるようであった。
「寂しそうだね。初等部では横山君の周りには人が絶えなかったのにね」
再度現れた春に、大晴は悪寒した。
確かに、初等部では自分の周りに人がいた。だから、自分がなにもしなくともその中の一人が春を馬鹿にし、大晴はニヤニヤしながら眺めていた。
その仲間が数名、今も同じクラスにいるが黒服の大晴を見ると一切近づいて来なかった。
その時、突然クラスがざわついた。
「ごきげんよう、真人様」
「今は桜花会ではない。様をつける必要はない」
「そんな。初等部を卒業されてからずっと真人様に会えるのを楽しみしていました」
「その、お姿も巻き込まれたそうで……」
「どんなお姿でも私たちには敬愛すべき桜花会の真人様です」
大晴のクラスだけではなく、他クラスの生徒も男女関係なく真人のそばに行った。そのため、彼は入口で身動きがとれなくなった。
「かわ……、横山は桜花会会長を恐れず自分の意見を主張した。それが規則に反し桜花会の権限停止となった」
「ですから、真人様はそれに巻き込まれたのですよね」
「自分からついて行った。内容はともかく制裁を恐れず意見を言えるのは素晴らしい」
大晴を誉める真人に、周囲の生徒はざわついた。
「なるほど。確かに素晴らしいです」
誰かが肯定すると、それが一斉に広まった。そこで、真人が、“大晴にようがある”と言えばその中の一人が大晴のもとに行き、彼を連れて行った。大晴あわてて鞄を持った。
それを見て、春は少し考えてから鞄を持ち大晴の後を追った。
真人とは教室から出ると歩く速度を速めたため、大晴はついて行くのが大変だったが、春は平然と真人の真横を歩いていた。
その差を大晴は腹立たしく思った。
「ごきげんよう、真人様」
「あぁ」
春の挨拶に、真人は前を見たまま答えた。それから何も言わないので春はむっと口を膨らませた。
春は様々な事を真人に話しかけたが返事は全て「あぁ」のみで、一度も春の顔を見ず表情もかえなかった。
真人はいくつかの階段を上がり、扉の前に立った。その後ろに春がおり、少し遅れて息を切らしている大晴が到着した。
その様子を春はチラリとみてクスリと笑った。それに大晴は腹が立ち言い返そうしたがその言葉を飲みのんだ。
真人は扉のカードキーに学生証をかざすと機械音がなり扉があいた。
「学生証をかざす」
2人は言われ通りにして、真人の後をついて行った。
扉を出るとそこには温室があり、様々な話が咲き乱れていた。
大晴は当たりを見回しながら、真人に着いて行った。
「ここはなんですか?」
春が真人に聞くと、彼は相変わらず前を向いたまま感情のない声で答えた。
「桜花会の四年以上と共にいれば誰でも使える場所」
「では、こんなに綺麗なのに殆ど無人なのですね」
「あぁ」
真人が温室の中央にあるテーブルに座ると、彼の横に春が座り対面に大晴が座った。
「昼食にしよう」
「は、はい」
真人が鞄から弁当を出すと、2人は同じ様に弁当を出した。
「真人様あの……」
「近い」
春が、真人の座る椅子に自分の椅子をピタリとつけると、彼は春の椅子を押した。
「蛙、なぜ二階堂を差別する」
「あ、それは……」
「え? なにそれ横山君、真人様に蛙って呼ばれてるの?」
春は大笑いしながら、大晴の言葉に自分の言葉をかぶせた。
「え……」
「真人様、なんで蛙なんです? 蛙みたいな顔だから? そんな事ないですよね? 横山君可愛い顔してますし。なんでなんです?」
真人は相手の意見を聞かず一気に話す春に顔を歪め睨みつけた。
初めて見る真人の表情に大晴は驚いた。
春はその迫力に言葉を失った。
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