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友達作ろう編
勘違いしたのは私だけ?
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どんなに目を背けたくとも、朝は皆を等しく迎えてくれる。
日を跨ぎ、落ち着きを取り戻していても、迫りくる時間に身は強張ってしまう。
「体育着は……あ、あった」
今日の授業で使うものは昨晩のうちに確認した。でも、私は念には念を入れて何度も荷物を整理してしまう。
どうしてかと言われても自分には分からない。ただこうしていると、心から安心できる。
「莉乃ー、もう出る時間でしょー?」
キッチンからお母さんの声が聞こえる。部屋に取り付けられた時計を見ると、針はちょうど待ち合わせ時刻を示していた。
返事をし、私は重い腰を上げる。
待ち合わせ場所はすぐ目の前。私が住んでいる712号室と713号室の間だ。
「……っと」
この一か月で随分と履き慣れたローファーを身につけ、私はドアノブに手を置く。
「(一人で先に行ってたりして……)」
拓海が私との待ち合わせを放棄して、一人勝手に学校へと登校する。どうしても、そんな淡い期待をしてしまう。
拓海がそんなことをするはずがないと、分かり切っているのに。
「(いやいや、こんな顔してたら駄目でしょ……!)」
頭を左右に振り、後ろ向きな考えを吹き飛ばす。
ここまできておいて、顔を合わせたくないと今更わがままを言うのは子供だ。もう覚悟を決めよう。
「ふぅ……、よし……!」
決意を新たに、私はドアノブの手を引く。
すると――――――
「……お、来た」
やはり拓海は待ち合わせ場所に立っていた。
「お、おはよ、拓海」
若干カタコトになってしまった。でも、拓海は「おっす」とだけ返し、私の変な挨拶になにも反応を示さない。
「(……?)」
その様子に違和感を覚えるが、それ以上に気になることがあった。
「……ねえ、なんで黄昏てんの?」
713号室の前で立っている拓海は外廊下の腰壁に肘を置き、目の前に広がる景色をぼーっと眺めていた。
いつものように眠そうにしているわけではなく、どこか上の空で。
「え……? あー、いや……なんでだろ?」
「私が知ってるわけないじゃん……というか、朝に黄昏るのは雰囲気的にミスマッチだから」
「そうかな……? 落ち着いた雰囲気があって俺は好きだけどね」
そう言いながら笑みをこぼす拓海。朝だというのに、間近で見ると思い出したように胸が波打ってしまう。
「(だから意識しちゃ駄目だってば……!)」
理性に反して、脈は沸騰したように早くなっていく。
「……莉乃? どうしたの?」
「へっ!? な、なにっ!? 別になんも考えてないですけど!?」
「え? いや、大丈夫かなって声かけただけなんだけど……」
「いやいや、全然平気ですけど!? どこからどう見ても平気ですけど!?」
「そ、そう……?」
拓海はそこまで言うと、それ以上はなにも言わなかった。その様子を確認し、私は自然を装って会話を乗り切ることができたのだと安堵する。
「(あ、あぶなかった……)」
少し油断していたが、上手く誤魔化せた。自分で自分を褒めてあげたいくらいだ。
「じゃあそろそろ学校行くか」
「あ、うん……!」
拓海の言葉に返事をし、私は拓海の背中を追いかける。取り敢えず何事もなく終わることができた。
「(なんだ、全然普通に話せるじゃん)」
浮ついたままだった気持ちも、山場を乗り越えたと分かった途端に冷静になれたのか、だんだんと高鳴りが収まってきた。
昨日からずっと不安だったけど、実際に拓海と対話すれば大したことなかった。
私の不安は単なる杞憂だった、そう納得できる。
昨日のことを拓海はなんとも思ってなかったんだと、そう納得できる――――――
「…………」
「? 莉乃? 急に立ち止まってどうしたの?」
このまま素知らぬふりをしていれば、どんなに良かったか。
「ねぇ、拓海」
でも、このままじゃ納得できない。気持ちの整理ができない。
だから、勇気を出した。
「昨日のことなんだけど……その……覚えてる……?」
「昨日のこと……?」
「だから、昨日……の、最後にさ……、わ、わたしが言ったこと……だよ」
「……あ、あれか。うん、覚えるよ」
「―――……!」
拓海は覚えていた。ならばもうあとは聞くだけ。
「(…けど、私にはできないよ……!)」
駄目だ。言いたくない。怖くて仕方ない。
関係が変わることを望んでいるのに、もしかしたらと考えると足が竦んでしまう。このまま逃げ出したいと考えてしまうほどに。
でも、もう引き返せないところまで来てしまった。勇気を出して、前に踏み出してしまった。
だったら、もう言うしかない――――――
「…………拓海」
私は彼の名を呼ぶ。彼は返事をし、私の言葉を待っていた。
今にも震えそうな身体。深呼吸をして落ち着きを取り戻す。
ゆっくりと冷静さを取り戻し、そしてもう一度勇気を振り絞ってはっきりと言った。
「あれさ……、その…ど、どう思った……!?」
口にした途端、緊張が一気に解けていく。が、まだ肝心の答えを聞いていない。
そう思った瞬間、再び緊張が走る。
「(…………)」
もう心臓が痛い。ドクンドクンと波打って、息が辛くなる。
無言のままな拓海。その顔をじっと見ることができず、俯いてしまう。
なんと言われるのか想像するものの、浮かび上がるのは悪いことばかり。そうならないよう良いことばかり考えても、どうしても不安が迫ってくる。
―――だから、拓海から教えてほしい。私一人では悪い未来しか想像できないから。
「……莉乃」
「―――! な、なに……って、ええ!?」
突然、拓海が私の肩に手を乗せてきた。
「俺だけじゃなくて安心したよ。やっぱりお前も気にしてたんだな……」
制服越しでも伝わってくる温もり。思わず息を呑んでしまう。
「あ、えと……その…………」
「俺もずっともやもやしてて嫌だった。だから、はっきり言うよ」
「――――――…………!」
意を決した表情を見せる。もうすぐで拓海が答えてくれるのだと伝わってきた。
次第に高鳴りがより一層激しくなる。どきどきし過ぎてちゃんと呼吸ができない。
でも、瞳を閉じず、現実に向き合う。
拓海が口を開き、息を吸い、言葉を告げるまで、私はずっと目を逸らさず。
拓海から私が望む答えを聞くために――――――
「次の勉強会からはファミレスに場所を変えようか」
…………
……
…
「………………え?」
ようやく出た言葉がそれだった。
「あれ、聞こえなかった? ならもう一回言うけど」
「いや、聞こえたから大丈夫……って、問題はそこじゃなくって! え、なんで急にそんな話を!?」
状況の整理が全く追い付かない。
「(え、今って完全に告白される流れじゃなかった?)」
錯綜する展開に思考が混乱していた。が、拓海はそんなことお構いなしだった。
「なんで急にそんな話って言われても……、昨日俺の部屋だと緊張するって言ってたじゃん? だったらファミレスとか図書館とかで勉強した方が莉乃のためかなって」
「確かにそう言ったけど―――……って」
その瞬間、鮮明にその言葉の意味を理解する。
「え、ちょっと待って……! じゃあ昨日私が緊張してた理由は何だと思ったの……?」
「初対面の人の家にお邪魔した時の独特な気まずさが原因で緊張してたのかなって。ほら、久しぶりに部屋に入ったって言ってたから」
「そういうこと!?」
ようやく辻褄が合った。
私が緊張していたのは想いを寄せる異性の部屋にお邪魔したからではなく、単に気まずいからと、彼は考えていた。
友人のいない彼にとって、他人の部屋自体が危険と化した密林。平日休日問わず安息地に引き籠り、社会的コミュニケーションを取らない彼には、わざわざ密林の中で隙を見せる行為が理解できないのだろう。
「(でも、だからって……普通こんな勘違いしないでしょ……!?)」
いつも察しが良いのに、こういう時だけてんで駄目。もはや既視感さえ覚える。
これだけ期待させといて見当違いなものがくると、流石に萎えてしまった。
「(…………あれ? でもそうなると……)」
勘違いしてたのって、むしろ私なのでは――――――
「……莉乃、顔真っ赤だけど」
「へっ!? いや、別になんもないですよ!?」
「そう? これでもかってくらい赤いけど……」
「―――だ、大丈夫だからっ! それよりも学校! ほら、遅刻しちゃうよ!」
首筋に手を当てようとする拓海から離れ、私は逃げるようにエレベーターに歩き出した。
「(もう最悪だよ……、一人勝手に浮かれて……まるで私が馬鹿みたいじゃん……!)」
拓海に言われなくとも顔が赤いのは分かっている。だって今にも沸騰しそうだから。
「……」
でも、今の状況にどこか安心している私がいる。頭の中で、冷静な私が時期尚早だと訴えかけてくる。
もし本当に気づいていたならば、きっと拓海は受け入れてくれない、と。
「(―――って、いつまでうじうじしてるの、私……!)」
そうこうしているうちに、エレベーターが到着していた。もうこれで話は終わり、いい加減頭を切り替えよう。
次にやるべきことが分かった。ならば、すぐに実践あるのみだ。
「あれ、拓海どうしたの? 早くしないと乗り遅れるよ?」
先程までいた場所で佇んでいる拓海を呼ぶ。
「ん、ああ……そうだな」
「?」
いつもの様子で返事をする拓海に、私は僅かな違和感を覚える。
一瞬だったから、多分見間違いかもしれない。
でも、ほんの一瞬だけ、拓海はどこか上の空に見えた、気がした。
日を跨ぎ、落ち着きを取り戻していても、迫りくる時間に身は強張ってしまう。
「体育着は……あ、あった」
今日の授業で使うものは昨晩のうちに確認した。でも、私は念には念を入れて何度も荷物を整理してしまう。
どうしてかと言われても自分には分からない。ただこうしていると、心から安心できる。
「莉乃ー、もう出る時間でしょー?」
キッチンからお母さんの声が聞こえる。部屋に取り付けられた時計を見ると、針はちょうど待ち合わせ時刻を示していた。
返事をし、私は重い腰を上げる。
待ち合わせ場所はすぐ目の前。私が住んでいる712号室と713号室の間だ。
「……っと」
この一か月で随分と履き慣れたローファーを身につけ、私はドアノブに手を置く。
「(一人で先に行ってたりして……)」
拓海が私との待ち合わせを放棄して、一人勝手に学校へと登校する。どうしても、そんな淡い期待をしてしまう。
拓海がそんなことをするはずがないと、分かり切っているのに。
「(いやいや、こんな顔してたら駄目でしょ……!)」
頭を左右に振り、後ろ向きな考えを吹き飛ばす。
ここまできておいて、顔を合わせたくないと今更わがままを言うのは子供だ。もう覚悟を決めよう。
「ふぅ……、よし……!」
決意を新たに、私はドアノブの手を引く。
すると――――――
「……お、来た」
やはり拓海は待ち合わせ場所に立っていた。
「お、おはよ、拓海」
若干カタコトになってしまった。でも、拓海は「おっす」とだけ返し、私の変な挨拶になにも反応を示さない。
「(……?)」
その様子に違和感を覚えるが、それ以上に気になることがあった。
「……ねえ、なんで黄昏てんの?」
713号室の前で立っている拓海は外廊下の腰壁に肘を置き、目の前に広がる景色をぼーっと眺めていた。
いつものように眠そうにしているわけではなく、どこか上の空で。
「え……? あー、いや……なんでだろ?」
「私が知ってるわけないじゃん……というか、朝に黄昏るのは雰囲気的にミスマッチだから」
「そうかな……? 落ち着いた雰囲気があって俺は好きだけどね」
そう言いながら笑みをこぼす拓海。朝だというのに、間近で見ると思い出したように胸が波打ってしまう。
「(だから意識しちゃ駄目だってば……!)」
理性に反して、脈は沸騰したように早くなっていく。
「……莉乃? どうしたの?」
「へっ!? な、なにっ!? 別になんも考えてないですけど!?」
「え? いや、大丈夫かなって声かけただけなんだけど……」
「いやいや、全然平気ですけど!? どこからどう見ても平気ですけど!?」
「そ、そう……?」
拓海はそこまで言うと、それ以上はなにも言わなかった。その様子を確認し、私は自然を装って会話を乗り切ることができたのだと安堵する。
「(あ、あぶなかった……)」
少し油断していたが、上手く誤魔化せた。自分で自分を褒めてあげたいくらいだ。
「じゃあそろそろ学校行くか」
「あ、うん……!」
拓海の言葉に返事をし、私は拓海の背中を追いかける。取り敢えず何事もなく終わることができた。
「(なんだ、全然普通に話せるじゃん)」
浮ついたままだった気持ちも、山場を乗り越えたと分かった途端に冷静になれたのか、だんだんと高鳴りが収まってきた。
昨日からずっと不安だったけど、実際に拓海と対話すれば大したことなかった。
私の不安は単なる杞憂だった、そう納得できる。
昨日のことを拓海はなんとも思ってなかったんだと、そう納得できる――――――
「…………」
「? 莉乃? 急に立ち止まってどうしたの?」
このまま素知らぬふりをしていれば、どんなに良かったか。
「ねぇ、拓海」
でも、このままじゃ納得できない。気持ちの整理ができない。
だから、勇気を出した。
「昨日のことなんだけど……その……覚えてる……?」
「昨日のこと……?」
「だから、昨日……の、最後にさ……、わ、わたしが言ったこと……だよ」
「……あ、あれか。うん、覚えるよ」
「―――……!」
拓海は覚えていた。ならばもうあとは聞くだけ。
「(…けど、私にはできないよ……!)」
駄目だ。言いたくない。怖くて仕方ない。
関係が変わることを望んでいるのに、もしかしたらと考えると足が竦んでしまう。このまま逃げ出したいと考えてしまうほどに。
でも、もう引き返せないところまで来てしまった。勇気を出して、前に踏み出してしまった。
だったら、もう言うしかない――――――
「…………拓海」
私は彼の名を呼ぶ。彼は返事をし、私の言葉を待っていた。
今にも震えそうな身体。深呼吸をして落ち着きを取り戻す。
ゆっくりと冷静さを取り戻し、そしてもう一度勇気を振り絞ってはっきりと言った。
「あれさ……、その…ど、どう思った……!?」
口にした途端、緊張が一気に解けていく。が、まだ肝心の答えを聞いていない。
そう思った瞬間、再び緊張が走る。
「(…………)」
もう心臓が痛い。ドクンドクンと波打って、息が辛くなる。
無言のままな拓海。その顔をじっと見ることができず、俯いてしまう。
なんと言われるのか想像するものの、浮かび上がるのは悪いことばかり。そうならないよう良いことばかり考えても、どうしても不安が迫ってくる。
―――だから、拓海から教えてほしい。私一人では悪い未来しか想像できないから。
「……莉乃」
「―――! な、なに……って、ええ!?」
突然、拓海が私の肩に手を乗せてきた。
「俺だけじゃなくて安心したよ。やっぱりお前も気にしてたんだな……」
制服越しでも伝わってくる温もり。思わず息を呑んでしまう。
「あ、えと……その…………」
「俺もずっともやもやしてて嫌だった。だから、はっきり言うよ」
「――――――…………!」
意を決した表情を見せる。もうすぐで拓海が答えてくれるのだと伝わってきた。
次第に高鳴りがより一層激しくなる。どきどきし過ぎてちゃんと呼吸ができない。
でも、瞳を閉じず、現実に向き合う。
拓海が口を開き、息を吸い、言葉を告げるまで、私はずっと目を逸らさず。
拓海から私が望む答えを聞くために――――――
「次の勉強会からはファミレスに場所を変えようか」
…………
……
…
「………………え?」
ようやく出た言葉がそれだった。
「あれ、聞こえなかった? ならもう一回言うけど」
「いや、聞こえたから大丈夫……って、問題はそこじゃなくって! え、なんで急にそんな話を!?」
状況の整理が全く追い付かない。
「(え、今って完全に告白される流れじゃなかった?)」
錯綜する展開に思考が混乱していた。が、拓海はそんなことお構いなしだった。
「なんで急にそんな話って言われても……、昨日俺の部屋だと緊張するって言ってたじゃん? だったらファミレスとか図書館とかで勉強した方が莉乃のためかなって」
「確かにそう言ったけど―――……って」
その瞬間、鮮明にその言葉の意味を理解する。
「え、ちょっと待って……! じゃあ昨日私が緊張してた理由は何だと思ったの……?」
「初対面の人の家にお邪魔した時の独特な気まずさが原因で緊張してたのかなって。ほら、久しぶりに部屋に入ったって言ってたから」
「そういうこと!?」
ようやく辻褄が合った。
私が緊張していたのは想いを寄せる異性の部屋にお邪魔したからではなく、単に気まずいからと、彼は考えていた。
友人のいない彼にとって、他人の部屋自体が危険と化した密林。平日休日問わず安息地に引き籠り、社会的コミュニケーションを取らない彼には、わざわざ密林の中で隙を見せる行為が理解できないのだろう。
「(でも、だからって……普通こんな勘違いしないでしょ……!?)」
いつも察しが良いのに、こういう時だけてんで駄目。もはや既視感さえ覚える。
これだけ期待させといて見当違いなものがくると、流石に萎えてしまった。
「(…………あれ? でもそうなると……)」
勘違いしてたのって、むしろ私なのでは――――――
「……莉乃、顔真っ赤だけど」
「へっ!? いや、別になんもないですよ!?」
「そう? これでもかってくらい赤いけど……」
「―――だ、大丈夫だからっ! それよりも学校! ほら、遅刻しちゃうよ!」
首筋に手を当てようとする拓海から離れ、私は逃げるようにエレベーターに歩き出した。
「(もう最悪だよ……、一人勝手に浮かれて……まるで私が馬鹿みたいじゃん……!)」
拓海に言われなくとも顔が赤いのは分かっている。だって今にも沸騰しそうだから。
「……」
でも、今の状況にどこか安心している私がいる。頭の中で、冷静な私が時期尚早だと訴えかけてくる。
もし本当に気づいていたならば、きっと拓海は受け入れてくれない、と。
「(―――って、いつまでうじうじしてるの、私……!)」
そうこうしているうちに、エレベーターが到着していた。もうこれで話は終わり、いい加減頭を切り替えよう。
次にやるべきことが分かった。ならば、すぐに実践あるのみだ。
「あれ、拓海どうしたの? 早くしないと乗り遅れるよ?」
先程までいた場所で佇んでいる拓海を呼ぶ。
「ん、ああ……そうだな」
「?」
いつもの様子で返事をする拓海に、私は僅かな違和感を覚える。
一瞬だったから、多分見間違いかもしれない。
でも、ほんの一瞬だけ、拓海はどこか上の空に見えた、気がした。
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