【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ

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第一章

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 3人でコーヒーを楽しんでると、店長さんが5つの箱を持って部屋に入ってきた

「お待たせいたしました。こちらの5点が当店オススメの商品です」

「すごい綺麗、これは本当に万年筆なんですか?」

 4つはデザインが違うけどお父様が使ってるような万年筆だけど、1つだけ全然違う物が置いてあった。

 全体がガラスで出来てるのかしら?

「こちらの4つは今まで通りの万年筆になります。多少違う点はありますが使う時に困ることはないと思います。そしてこちらの商品は万年筆の仲間だと思ってもらえればと、こちらはガラスペンと言う商品になっております」

 ガラスペンの綺麗さに一目惚れしてしまったわ。

 ガラスペンは観賞用と言われても不思議じゃないぐらい、芸術的で使うのが勿体ないって思ってしまう。

「このガラスペンと万年筆の違いは何なの?」

「お嬢様はガラスペンに興味があるみたいですね。私としてはガラスペンは手紙とか書く時にオススメしています。普段使いにはあまりオススメ出来ないですね」

「そうなの?」

 でもこんなに綺麗なら仕方ないのかしら?

 綺麗だけど使いづらいものって世の中には沢山あるものね。

「はい。まずインクの内容量が少ないんですよ。手紙を書くならギリギリ一回補充で済むぐらいですね。インクの補充はペン先をつけるだけなので苦労はありませんけど、学習時や仕事で使うときには、多少ストレスに感じるかもしれません」

「それはちょっと使いづらいわね。集中してる時に毎回インクの補充をしないといけないのは」

 補充してる間に集中力が落ちてしまいそう。

「それとガラスペンは普通のインクも補充出来ますけど、それだとガラスペンの良さを壊してしまうんですよ。ガラスペンを仕入れたときに、ガラスペン専用のインクを数点オススメされました」

 そう言って店長さんは色の付いたインクをテーブルの上に置く

 綺麗なインクだけど普段使いには難しそうね。

 手紙やギリギリ勉強用には使えそうだけど、仕事用には絶対に使えないわね。

「観賞用や趣味として使うならとても優れてるんですけどね。ガラスペンに色付きインクを吸わせるとこうなります」

 店長さんは予備のガラスペンを手に取りインクを吸わせて見せてくれる

「綺麗ね。これは欲しいけど普段使いには難しいわね。でもこれで手紙を書いたら話題にはなるわよね。この国にはまだ黒いインクしか普及されてませんから」

「話題には確実になると思われます。こちらのガラスペンは万年筆とはちょっと違い、インクがかすれてきたら、少しペンの向きをかえたら出てくる構造になってます。蓋は無いので使い終わったら水で洗って貰う必要があります」

 店長は小さいカップに水を注ぎペン先を水の中に入れる、すると水の中でインクが落ちていくのがすぐに分かった

「簡単にペンに入ったインクが落ちるのね。うーん、ガラスペンと万年筆を一本ずつ欲しいわ。万年筆は…………これにするわ。インクは普通のとピンクと黄色と水色と緑色をお願い」

 私が選んだ万年筆はスカイブルーのとても綺麗な万年筆で、空をイメージしたようなデザインになっている。

 初めて見るような万年筆でとても惹かれるデザインだった。

「畏まりました。包装をしてきますので少々お待ち下さい」

「えぇ」

 とてもいい買い物が出来たわね。

 こんなに一目惚れする商品に出会うとは思わなかったわ。

「とても嬉しそうですね」

「そんなに顔に出てたかしら?」

「私はお嬢様が生まれた時からお世話をしてるので、ちょっとの変化だって見逃しませんよ。最近のお嬢様は例の方のことで疲れた顔をしていることが多いので、幸せそうにしてる顔を見て、私も嬉しい気持ちになります」

 メリーは小さい頃から私の遊び相手になってくれていたから、付き合いが長いせいで隠し事は絶対に出来ないのよね。

 だけど絶対的に私の味方になってくれる信頼があるから、私はメリーを頼りにしてる自覚がある。

 出来るならメリーにはずっとそばに居てほしいな。

 公爵家の私には損得関係なく親切にしてくれる相手はとても貴重な存在だと、まだ12年間しか生きてないけど嫌なほど学んできた。

 人として損得を考えるのは普通のことなのかもしれないけど、得があるから関わってくる相手には、何かあったら裏切られることもあるってことなのよね。

 私のことを大切にしてくれる相手には、私も大切に接しないといけないわよね。

 当たり前だと思わないようにしないといけない

「お待たせ致しました」

「ありがとう。また買いに越させていただくわね」

「またのお越しをお待ちしています」

 満足いく買い物が出来て幸せな気持ちでお店を出た。
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