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第一章
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しおりを挟むお祖父様から聞いた話は衝撃的だった。
でもリリヤの図々しい性格を考えたら、両親のどちらかが似たような性格でも不思議じゃないわよね。
子供は親の背中を見て育つのだから、親みたいに育つか、親を反面教師にして真面目に育つかのどちらかなんだから
でもまさかリリヤの両親が犯罪者だったなんて…………
叔母様は何を考えてるのかしら?
パートナーからの命令だったからって、王家から贈られた家宝を盗んで売るなんて信じられない。
そんなことをしたら、実家がどうなるかなんて簡単に想像が出来るはずなのに馬鹿なのかしら?
結婚を認めてくれなかったお祖父様とお祖母様を恨んでたとか?
認めてくれてたらこんなに苦労してなかったって逆恨みしてたのかしら?
結婚を認めてくれてたとしても苦労してたことは変わらないと思うけど?お母様の実家の後継ぎは叔父様に決まってたから、叔母様が家のお金を自由に使うことは出来ないですし、没落寸前の男爵家に嫁ぐのは絶対だから、どっちにしろ苦労してたわよね?
「叔母様達はどうなったんですか?実家だったとはいえ、犯罪行為をしたのだからそれなりの罰があったんじゃないですか?」
「それがな………、マリア達が住んでた国が悪かった。独立国家だったせいで責任を取らせることができなかった。あの国は宗教が全国民に広がっていって、国王も宗教の教えに従順なところがある」
ん?
どういうこと?
宗教と叔母様達のことに何が関係あるの?
「そっか………、叔母上達が住んでたのはエカリテ王国だったけ?あそこの国は特殊だから捕まえるのは難しいな」
「お兄様どういうことですか?」
「俺もつい最近学んだばかりだけど、あの国は宗教国家なんだよ。罪を犯しても神に悔い改めて反省したら全て許されてしまうらしい、それなりに寄付金が必要らしいけど、大金を出したら、これ以上その罪について責めることは出来ないみたいだ」
そんなの大金を出したら好き勝手に出来るじゃない。
被害を受けた人は我慢するしかないの?
「国として訴えても駄目なの?」
「独立国家だから難しいな。何か決定的な証拠があったら何とかなるかもしれないけど、今回の場合は状況的には叔母上が限りなく怪しいけど、可能性があるってだけでは難しいんだよ。この国で売却してたら証拠になったけど、捕まってないってことはエカリテ王国でメダルを売ったんだろ?」
「その通りだ。独立国家だから協力を求めても無理だった。買取った商人に情報を求めても、個人情報は教えられないって断られた。独立国家の商人だから他国の王族に関わる物だと言っても通用はしないからな」
八方塞がりだったんだ。
宗教に寄付金を払ってたか分からないけど、もしも払ってたとしたらメダルを売ったお金から出してるわよね。
メダルか…………、そういえばお祖母様達の家に飾られてるメダルがあったような?
「盗まれたメダルって大広間に飾られてるメダルですか?」
「そうだよ。取り戻せて本当に良かった。取り戻せなかったら、先祖に顔向け出来なくなるところだった」
あれってかなり凄いメダルだった気がするけど?
メダルは金で出来てて、ダイヤが縁に沿って飾られてたよね?
チェーンはシルバーかプラチナか分からないけど、プラチナだったらかなりの値段で売れたはず
ご先祖様の功績を売り飛ばすなんて罰当たりなことをするわね。
「パパとママを悪く言わないで!!ママ達はお金に困ってたんだから仕方ないの。お金がなかったら生活していけないから、ママは家族のために盗みをしただけだもん」
「だからって家族を裏切っていいの?叔母様にとってリリヤとリリヤの父親は大切な家族かもしれないけど、お祖父様とお祖母様だって叔母様の家族よ。叔母様がしたことでお祖母様達が大変な目に遭ってたかもしれないのよ」
「でも親ならそれぐらいで絶縁することなかったと思う。それにパパとママがやったことは私には何も責任はないわ!!私に対してあんなに冷たいのは理不尽よ!!」
そんな性格だから嫌われてるんだと思うけど?
お母様は自分勝手なリリヤを見ても、自分の意見を変えないつもりなのかしら?
今のままでは自分の立場も悪くなるって分からないの?
お母様の方を見ると、お母様はリリヤに寄り添って、悲しそうな顔をしてリリヤとお祖母様達を見ている。
「貴女は自分の両親がやったことを全く悪いと思ってないわよね?そんな子を孫と受け入れたくないわ。そんな考え方では絶対にいつか何かやらかすはずよ」
「ワシも妻と同じ意見だ。本当はオリガが引き取るのも反対だ。マリアの娘が何か問題を起こすと、イリーナとセミュンの評価が下がる可能性がある。それに二人の教育環境にも悪い」
反対だったんだ。
二人は自分たちに迷惑がかからないなら、お母様がリリヤを引き取っても気にしないと思ってたわ。
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