【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ

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第二章

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 レイチェルがこの国に来るためにお兄様と婚約したのは理解したけど、何でお兄様を選んだのか疑問なのよね。

「レイチェルは何でそんなにあの学園に入りたかったの?確かにあそこはレベルの高い教育をするから、就職に有利だったりするみたいだけど、それはこの国での話だから隣国ではあまり意味ないよね?それに第3王女なら就職のことを考える必要は無いでしょうし」

 国として発展が遅れてるなら、技術とかを学ぶために留学はありだろうけど、隣国はこの国とそんなに違いはないはず

 箔をつける為とか?

 私達の国で高位貴族があそこの学園を選ぶのは、自分たちが優秀な人物だと証明するための手段になっている。

 でも隣国で自慢になるか疑問よね。

 自分の国のことならどれぐらい凄いのか分かるだろうけど、隣国の人達がどれぐらい理解できるのかも疑問よね。

 あの学園にわざわざ他国から留学してくる人なんて滅多に居ないから、分かってもらえるとは思えないのよね。

「表向きは国のためにこの国の人達と交流を持ちたいからって言ったよ。でも本心は自分の目で乙女ゲームの世界を見たかったからだよ。運命的に私は乙女ゲームの本編が始まる時期に学園に入れる年齢だったから、これは何が何でも行くしかないよね」

 この子は転生しても全然変わらないわね。

 興味を1度持ったら、危険だったとしても無茶な行動をしようとする。

 本人はそれで満足かもしれないけど、家族である私達はすごく心配してるのに

「入学時期を1年遅らせたのはわざとなの?」

「それはお父様の説得に時間がかかったからだよ。でも結果的に考えたらヒロインと同じ学年になれるからラッキー?」

「本人が入学してくるかもわからないけどね。流石に修道院に入れられてるんだから無理じゃないかしら?」

 お祖母様の話では結構厳しい修道院に入れたって話だから、簡単には出てこれないと思うけど?

「だからお姉ちゃんは甘いんだよ。絶対に私は出てくると思うよ。お姉ちゃんの話を聞いてる感じ、ヒロインちゃんは黙ってそのまま退場するとは思えないもん」

 うーん、私的にはレイチェルの予想が外れてる方が有り難いんだけどな。

 またあの子と関わるって考えたら面倒臭い。

 あの子が出て行ってから色々と大変だったんだよね。

 お母様とリリヤを追い出したら問題ないと思ってたんだけど、一部の使用人たちがあの子が居なくなってから、抜け殻のようになったり暴れたりしていたのよね。

 精神的におかしくなってしまったみたいだから、そういう人たちが集まる施設に入れるしかなくなったけど、あれはリリヤと関係あるのかしら?

 もしそうならリリヤはどうやってあんな状態にしたの?

 薬物中毒者に似てるけど、使用人から薬物反応は出て来なかった。

 考えても分からないものはどうしようもないわよね。

「レイチェルは何でお兄様を選んだの?第3王女ならこの国の王太子様だって狙えたよね?ゲームをしてた時は王太子様に夢中だったのに」

「あれはゲームだから良いんだよ。実際に結婚相手が俺様なんて絶対に無理、それにゲームの中のミハイル様って、ヒロインとその他では態度が結構違ったでしょ?」

「そうだっけ?」

 イリーナにとても冷たい印象はあるけど、他の人にも冷たい印象はなかったな。

 でも傲慢なところはあった気もする?

「そうなんだよ。自分がヒロインの立場になれるならまだいいかもしれないけど、………それでも無理かも。自分の好きな人に冷たいとか幻滅しかない」

「王太子様が無理なのはわかったけど、お兄様を選んだ理由は?」

「お姉ちゃんはどうしてもそこが気になるんだね?」

「だって自分の家族のことは心配になるわよ。貴女がいい加減な気持ちでお兄様を選んだとは思えないけど、もしもこの国に来るためだけに適当に選んだとか言われたら、ちょっと複雑な気分になるわ。お兄様には幸せな結婚してもらいたいからね」

 お兄様は公爵家の跡取りとして毎日を重圧の中で頑張ってる、当主になったらその重圧はもっと重くなるわよね?

 だからこそお兄様の奥さんになる人には、お兄様の心休まる居場所になって欲しい。

 私のお母様だった人はそれが出来ていたとは思えないけど

「私がセミュンを選んだのは家族思いだったからだよ。日本に居た時はそれが普通だったけど、この世界で生活してからそれは当たり前じゃないって思ったの。セミュン様なら理想の家族になれる気がするんだ」

「確かにそうね。私の家はとても仲が良いけど、基本的に貴族の家は冷たい印象があるわね。表では仲良くしてるけど、裏では会話もまともにしないところもあるわ」

「私は遅くに生まれた娘だから可愛がられた。だけどお兄様達やお姉様達は厳しく育てられていたの…………、お兄様達とお父様達は上司と部下みたいな関係だったんだ。お兄様達が厳しくされたのは期待されてるからかもしれないけど、私にはとても見てて耐えられなかった」

 前世の記憶がなかったら気にならなかったかもしれないけど、前世の記憶があるレイチェルには辛かったかもしれないわね。

 自分だけが甘やかされてることも辛い要因になってるかもしれない、私なら罪悪感と自分は期待されてないっていう絶望が同時に来ると思う。

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