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第二章
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しおりを挟む仕事部屋に着くと部屋の中には、まだユーリ様しか居なかった。
「おはよう。早いな」
「おはようございます。娘に色々教えないといけないと思って、早めに出社したんですよ」
「「おはようございます」」
「おはよう。セミュン殿は今日もありがとう。次期当主として色々と勉強しないといけないのに済まないね。イリーナ嬢も今日からよろしくね」
ユーリ様って王族にしては腰が低いわよね。
陛下はどんな風に考えてるか分からないけど、これが王太子様なら自分が困ってるなら家臣が助けるのは当たり前って考え方をしている。
相手の都合とか一切考えないところがあるから、命令された人が困ることが良くあるのよね。
だけどユーリ様は手伝って貰うのが当たり前だとは思ってないのが今の発言でわかる。
仕えるならユーリ様みたいな人の方が良いわよね。
「至らない点があると思いますがよろしくお願いします」
「そんなに気負わなくても大丈夫だよ。最終確認は私がするから、もしも何か問題が起きたとしてもそれはすべて私の責任だから」
頼もしくて理想的な上司だ。
ユーリ様に迷惑をかけないようにしないと
「頑張ります」
「うーん、緊張を和らげようとしたけど失敗かな?イリーナ嬢の席は私の隣に用意したから」
「ユーリ様の隣ですか?」
「うん。あそこはドアから遠いし、窓からも離れてるから何かあった時に1番安全なんだよ」
…………何か危険なことが起きる可能性もあるってこと?
宰相の役職ってそんなに危険な立場なの?
「えっと…………、何か起きる可能性があるって事ですか?」
「滅多に起きないけど絶対ではないからね。最終的に予算とかを決めるのも私の仕事だから、逆恨みをされることも度々あるんだよ。温厚な者たちが集まる部署は納得するけど、中には脳筋ばかりの部署もあるから、力尽くで従わせようとするものも居る」
ユーリ様は見た目は細いから勝てるって思ってしまうのかもしれないわね。
でも実際はかなり強いわよね?
数年前の酔っ払いが起こした揉め事でも、ユーリ様は騎士たちと一緒に戦ってましたし。
「予算等を決めるのも宰相の仕事なのですか?」
「基本的には会計部署が予算等を決めますけど、不正をしてないかとか、適切に振り分けてるか確認するのが私の仕事ですね」
だから陛下は信用できる弟に宰相に任命したのね。
ユーリ様が宰相になるには若い過ぎるって意見もあったみたいだけど、陛下にとって1番信用できるものに任せたいって気持ちはわかる。
「イリーナ嬢には最初に向こうから届いた書類をこちらの文字で訳してもらいたい。その書類をそれぞれの担当部署に渡して、帰ってきた書類を向こうの文字に書き直してもらい、それが出来たら私に渡してもらう」
それなら私にも出来そうね。
「分かりました。分からないことがあったらその都度質問させていただきます」
「分からなかったら遠慮せずに聞いてください。イリーナ嬢は質問するって行為が出来るみたいで安心しました」
「ん?どういう事ですか?」
「王宮で働くものは学生の頃に優秀だと言われるものが多いですけど、そのせいでプライドが高くなってしまうみたいで、分からなくても質問をしてこないんですよ。わからないことをそのままにして、適当にやってしまうのでやり直すことになってしまうんですよね」
そういう人って居ますよね。
新人として入ってくるんだから、無駄なプライドなんて捨てればいいのにって思うのよね。
分からないままにする方が恥だと思うのですけど、そういう人とは思考が違うのかしら?
「そういう人って勿体ないですよね」
「どうして?」
「だって学生の頃に優秀だったって事は能力は有るってことじゃないですか?それって素直に教えを請うことが出来たら、職場でも優秀な人材になれるはずってことですよね?」
変なプライドのせいで職場では落ちこぼれになるなんて、余計にその人のプライドはボロボロになりそう。
もしも学生の頃に見下してた人が、自分より評価されてたら立ち直ること出来るのかしら?
「イリーナ嬢みたいな考え方もあるんだな。私達はそういう者が多いから、今回は外れだったって思うようになってしまったからな」
確かにそんな人が多かったらそう思ってしまうかも
王宮で働いてる人は貴族が多いせいで、プライドが高い人は沢山いるでしょうし
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