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第三章
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しおりを挟む私が話す貴族としての生活を、エリーは興味深そうに聞いている。
女の子として貴族のお嫁さんになるのは憧れるわよね。
私も貴族としての生活を知らなかったら、貴族や王子様に見初められるのを憧れていたと思う。
だって庶民にとって貴族の実生活なんて知ることが出来ないのだから、表部分の良い所しか知ることが出来ないはず、そしたら良い暮らしをしてるしか思いつかないだろうから、普通に考えたら憧れるわよね。
「幻滅した?」
「幻滅はしないけど、良い暮らしをするには、それなりの犠牲が必要なんだなって思った。政略結婚もその一つなんだよね?」
「そうね。政略結婚は分かりやすく簡単に理想を形に出来ることかな?自分達だけでは形に出来ないものを、その技術を知ってる家系の者と結婚して、裏切りませんって契約をすることですからね」
貴族として誇りがある家は、子供に一番最初に現実を受け入れさせるために教えることは、恋愛結婚は夢物語だと教えられる。
もしも自分の気持ちを強行するなら、身分を捨てると思うと教えられる。
家のために最低な相手と結婚させたりはしないけど、家のためになる相手と結婚するのは、貴族として当たり前なのよね。
贅沢な暮らしをするための代償が自分の恋愛感情を捨てること。
自分で稼ぐ方法があるなら、贅沢な暮らしを捨てて好きな人を取ればいいけど、自由恋愛を推す人に限って家の地位を頼り切ってるのよね。
どっちも欲しいなんて贅沢だと思う。
それに恋愛がしたいなら、婚約者を相手に恋愛をすれば良い。
その方が将来生まれてくる子供にとっても、1番良い環境になるわよね。
大抵の人は好きな人を愛人にして囲っている。
庶民からはあまり良い印象を持たれないけど、自由に恋愛出来ない貴族にとっては、好きな人と居られる唯一の方法なのよね。
私は自分がするとは思えないけど、政略結婚なら相手に愛人が居ても構わない。
私や子供を蔑ろにしないことが前提ですけど、私達の事を家族として大切にしてくれるなら、愛人ぐらいは問題ないわよね。
「なんか貴族って生きづらそう。だって生まれた時から自分の生き方を決められてるでしょ?」
「ずっと自由に生きてきたエリーにはそう見えるかもしれないわね。でも私達にとってはこれが当たり前だから、今更なんとも思わないわ。それに絶対に自由になれないわけではないわ」
「でも自由になるには、家族や今の生活を捨てる必要があるでしょ?」
「そうね。でもそれは自由になるためなら仕方ないわ。貴族にはそれだけの責任があるのよ。自由になるってことは庶民になるってこと、庶民になったら親や兄弟に自由に会えないけど、庶民が貴族に簡単に会えないのだから仕方ないわ」
貴族はそういう事を受け入れるから、冷たいって思われるかもしれないけど、例外を作るほうが後々問題になってしまう、裏では色々と援助してしまう者も居るけど、それでは何時まで経っても自立は出来ないわよね。
私は家族と縁を切るぐらいなら、今の生活を続ける方が良い。
政略結婚でも愛情を持てないとは限らない、少しの可能性かもしれないけど可能性を信じたい。
もしもパートナーに愛情を持てなかったとしても、子供に愛情いっぱい接するだけだわ。
エリーと話しながら時間を潰してると、急に腕を掴まれて無理やり体の向きを変えられる。
座ってたせいで変なふうに向きを変えたせいで、ちょっと体が痛い
「痛っ!?」
「何で特進クラスに居るの!!」
誰?
あれ?
見覚えがあるような?
「誰ですか?痛いから離してください」
「何で他人行儀なの?私とイリーナお姉様は姉妹でしょ?やっぱりオリガお母様を奪ったから恨んでるのね」
あぁ~、だいぶ姿は変わってしまったけど、今の発言で誰かわかったわ。
…………太ったわね?
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