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第三章
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しおりを挟むリリヤとミハイル殿下は私達の近くから何故か離れずに、すぐ横でお昼を食べ始めてしまった。
ミハイル殿下はもう話しかけるつもりはないみたいだけど、リリヤはまだ不満があるみたいでずっと私に難癖をつけてくる。
どうしても私に悪役令嬢を押し付けたいのね。
でもゲームの中の私は悪役令嬢って言われていたけど、虐めなどしていなかったですし、ヒロインの成長を促す役割だったのよね?
ヒロインが誰かとハッピーエンドを迎えると、ヒロインを家族として受け入れなかったからって理由で断罪されるのよね。
虐めてないのに理不尽よね。
ヒロインが王太子様を選んだら修道院と多額の慰謝料、それ以外の攻略対象を選んだら王太子妃候補の剥奪と多額の慰謝料なのよね。
国のルールとしてヒロインを公爵家の養子に迎えることは無理ですし、10年以上会ってない従姉妹を家族として接するなんて無理よ。
相手がまだ小さい赤ちゃんだったなら可能性はあったけど、自分と同い年の子を急に家族扱いなんて無理よ。
運営側からしたら悪役令嬢に定番の断罪をしただけだろうけど、イリーナとして生きてる私からしたら理不尽なのよ。
公爵令嬢で王太子妃候補だからって、学園の女生徒を全員管理しろなんて不可能よ。
他の人がした悪事を止められなかったからって、ゲームの中のイリーナが責められるのは理解出来ない。
身分はあるけどイリーナだって普通の生徒なんだから、同じ立場の生徒を管理なんて無理よね。
学園では身分を振りかざすのはご法度ですし、そういう役目をするのは教師の仕事じゃないかしら?
リリヤの近くに居たらいつ冤罪をかけられるのか分からないから、さっさとここから離れるのが正解よね。
都合がいい事にリリヤ達の席にちょうど食事が運ばれてきましたし、私とエリーは食べ終わったから何時でも移動できる。
「ランチも食べ終わりましたし、私達は雑談が出来る個室に移りましょうか?選択授業の相談もしたいですし」
「そうしましょう!!私もイリーナに色々と相談したかったの。午前中に一通り説明をされましたけど、色々と迷ってるんだよね」
エリーは嬉しそうに返事をしてくれる。
空気が悪いこの場に居続けるのは気不味いわよね。
エリーは空気を読むのが上手だから助かるわ。
私達がこの場を離れようとすると、リリヤが慌てて席を立つ。
「待って!!話は終わってないです」
「貴女と話すことはありませんわ。貴女の希望を叶えることは出来ませんから。そんなに自分の希望を叶えたいなら、陛下にでもこの国のルールを変えてもらうようにお願いしたらどうかしら?」
私は無理だと分かっていて無理難題を言う。
はぁ~、これからも毎日絡まれるのかしら?
学部が違うから関わることはないと思ってたんだけどな。
「なんか凄い人だね。昨日もビックリしたけど、まさか今日も絡んでくるとは思わなかった。王太子様も結構あれだよね?」
「事実でも王族相手にそんな事は言わないほうが良いわ。誰が何処で聞いてるかわかりませんからね」
「は~い。話を聞いててちょっと気になったんだけど、貴族って養子になる時ってその家の血が流れてないと駄目なの?庶民だと養子にする時にそんな決まりはないけど?」
エリーは知らなかったのね。
確かに貴族以外は知らない人って多いのよね。
「貴族は一族の血が入ってないものは、その家の子供になれないのよ。家督争いにならない為の決まりなのよ。テイラー伯爵令嬢みたいに大きくなってから親が再婚したなら良いけど、大体は子供が小さいうちに再婚してしまうから、子供が勘違いしないようにするためなのよ。後は野心を抱かないようにするためね」
「そうなんだ。再婚相手の子供はどうやって名乗るの?養子にはなれないけど一緒には暮らしてるんでしょ?お客さんと来た時に挨拶とかする時に自己紹介とかするよね?親と違う家名だったらややこしいよね?」
エリーはやっぱり頭良いわね。
そのことに気が付くなんて、大抵の人はそんなんだって納得して終わるのに
「それぞれの家庭によって違うわね。子供の為に再婚しても旧姓のままの親も居ますし、もしも親だけが再婚相手の家名を名乗っても、貴族なら何も不自然に思ったりしませんわ。よくあることですし、子供が成人したら親の複数持ってる爵位を1つ継いで、その家名を名乗ることもあるので、親と子供が違う家名なのは珍しくありませんわ」
私のお兄様も近い内にお父様から伯爵家の爵位を引き継いで、伯爵家の当主になることが決まっている。
お父様に兄弟が居ないから1人で複数の領地を管理して、大変そうにしてるのを近くで見てきた。
複数の領地の管理と宰相補佐の仕事をしてるから、お父様の健康が心配になるわよね。
もしもお父様に兄弟が居れば、その兄弟に仮の当主になってもらうことが出来る。
仮の当主達はサフィナ公爵当主の子供が成人したら、その子供に引き継ぐことになっている。
サフィナ公爵家の跡取りは成人したら伯爵家の当主になり、自分の子供が生まれたらサフィナ公爵家の当主になる。
このやり方だと若いうちに公爵家の当主になってしまうこともあるけど、その場合は前当主が近くでサポートをしてくれる。
それぞれの貴族によって継ぎ方は様々だけど、サフィナ公爵家は代々こうやってきた。
問題はお父様も兄弟が居なかったけど、お兄様も男の兄弟が居ないから、当主になった時に任せる相手が居ないから困るのよね。
貴族は家族でも信用できない場合があるのに、家族以外で100%任せられる相手を探すのは難しい。
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