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第三章
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しおりを挟むこの国では女性でも当主になることは出来るけど、それは仮の当主であって正式なものではないのよね。
どうしても女性が権力を持つことを良く思わない人が多い。
仮の当主になっても舐められてしまう事が多い、もしも配偶者が優秀な人なら、周りから配偶者に任せればいいと言われてしまう。
仕方ないのかも知れないけど、私は女だから複雑な気分になるわよね。
私には前世の記憶があるから、前世では男女差別が全く無かったわけではないけど、私が成人した頃には昔と比べて、男女差別が軽減してて女性でも出世することが出来る世の中だった。
そのせいでこの国での女性に対しての軽視には辟易する。
「なんか貴族って本当に面倒臭そうだね。貴族が基本的に離婚しないのって色々と面倒臭いから?」
「そうですね。1番の理由はそうかもしれないですね。それと政略結婚ですから、家同士の繋がりを考えて離婚しないことが多いです。好きな人が出来た場合に愛人にすることを契約として許されてる場合もありますからね」
「貴族ってそんな事も契約にするの?」
普通は信じられないわよね。
愛人が出来る前から契約をするなんて普通じゃない、でも貴族の結婚はお互いの気持ちなどないから、結婚が契約みたいなものなのよね。
「好きな人が出来た時に引き離されないようにするために、お互いの為になる契約なんですよ。貴族にとって結婚は愛情があってするものではないですから、家同士の繋がりを強くするための結婚です。お互いを裏切らないって1番証明ができる契約なんですよ」
「私達とは結婚の考え方が違うんだね。でも貴族って孤児院から子供を引き取ったりするよね?あれって自分の子供にするためでしょ?でも一族の血が流れてないなら、養子にすることが出来ないのに問題ないの?」
「あれは自分の子供にするために引き取ってるんじゃないわ。自分の子供の従者にするために引き取ってるんです。小さい頃から一緒に教育したほうが、お互いに信頼できるからね。一部には子供が出来ない夫婦が、自分の一族を探して引き取ってる事もありますわね」
大抵は身内から引き取るから、孤児院に探しに行くことは滅多にないですけどね。
孤児院に自分の一族の子供が偶然居るほうが珍しいですし、元々居るって知ってない限りは孤児院から探したりしない
「へぇ~、貴族の従者ってそうやって選ばれてるんですね。あれ?でもテイラー伯爵令嬢はテイラー伯爵様の子供ではないよね?再婚相手の子供?再婚相手の養子?だったよね?伯爵令嬢って名乗っていいの?」
「テイラー伯爵令嬢はテイラー伯爵様の子供ではないけど、テイラー伯爵令嬢にテイラー伯爵家の血が流れてるのよ。テイラー伯爵令嬢の父方の曾祖母がテイラー伯爵家の方だったの。だから養子にすることが出来たのよ」
これには私もビックリしたのよね。
偶然なのかそうじゃないのか分からないけど、もしかしたらテイラー伯爵様はリリヤの存在を知って、リリヤが居る孤児院に会いに行ったのかしら?
テイラー伯爵様には子供は居ませんでしたし、引き取るつもりで会いに行ったのかもしれないわね。
リリヤが私の母親だった人に懐いてるからリリヤの為に再婚したのか、テイラー伯爵様があの人に惹かれて再婚したのか分からないけど、偶然でも必然だとしても凄いわよね。
「それって凄いね。再婚したいと思った人の連れ子が、一族の血を継いでるなんてどれぐらいの確率なのかな?………でもテイラー家の人だったのは曾祖母なんだよね?あの子も本当にテイラー家の血が流れてるのかな?貴族って愛人がいるのが普通なんでしょ?」
やっぱりエリーは頭が良いわよね。
そのことに気が付くんだから
「その可能性もあっただろうけど、養子にしてるなら問題ないはずよ。貴族には一族の血が流れてるのか確認できる方法があるのよ」
「そうなの?貴族って凄いね。どうやって調べるの?」
「エリーは教会に設置されてる、親子鑑定が出来る魔導具を知ってる?」
「知ってるよ。使ったことはないけど親子かどうか判別出来るんだよね?貴重なものだから争いになりそうな時に使われるって、小さい頃に聞いたことがあるよ」
確かに古いものだからいつ壊れるか分からないってことで、滅多には使われないわね。
「貴族にはそれと似てる魔導具が各家にあるのよ。ちょっと違うのは親子鑑定ではなく、一族の血が流れてるのか確認出来るの」
「魔導具って凄いんだね!?一族の血が薄まってても分かるの?貴族って色々な家と縁を繋いでるから、10代も前になれば何処かで1度ぐらいは縁を繋いでるんじゃないかな?」
「その可能性もあるけど、貴族の家にある魔導具は5代前までしか判別できないわ。だから確実に一族の血を継いでるってなっても、魔導具で判別出来ないなら養子にはなれないのよ。貴族の子供は生まれたらすぐに魔導具で調べられるわ」
だから貴族は不倫しても問題にならない所があるのよね。
間違って一族じゃない者を受け入れることがないから
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