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第四章
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しおりを挟む王宮に着き、私はお父様にエスコートをされながら会場に入る。
婚約発表するまでは、ユーリ様と私はあまり近付かないようにって、陛下から注意されたのよね。
今日発表されるのだから、そこまで慎重にならなくても良いと思うのだけど、陛下はそれだけ自分の息子を信用してないってことよね。
会場に入ってすぐにユーリ様が見えて、ユーリ様も私が入って来たことに気が付いたのか、私に優しく微笑みかけてくる。
ヤバい…………、絶対に私の顔が真っ赤になってるわよね。
思わず顔を横に向けるとレイチェルと目が合い、レイチェルはニヤニヤしながら私を見ている。
「見ないでよ………」
「ふふふっ、初々しくて可愛い~、発表する前に2人の関係に気が付く人が居るんじゃないかしら?ユーリ様ってば、ずっとイリーナを見れるわよ」
ビックリしてユーリ様の方を確認すると、確かに今も私をじ~っと見ていた。
「どうしたのかしら?」
「イリーナが贈ったドレスを着てるから嬉しいんじゃないかしら?それと余計なちょっかいを掛ける男が居ないように監視してるとか?」
「まさか………、ユーリ様はそんな人ではありませんわ。大人で余裕がある人ですから、私が男性と話してても何とも思わないですわよ」
嫉妬してくれたら私は嬉しいけど、そんなことは絶対に起きないわよね。
「そうかな?私はユーリ様はイリーナのことを異性として好きだと思うけど?」
「そんなことはあり得ないわ。期待して落ち込みたくないから、もうこの話は止めましょう」
「…………そうだね」
そろそろ王族の方々が入場してくるわね。
そう言えばどのタイミングで私達の婚約を発表するのかしら?
「お父様」
「何だい?」
「私とユーリ様の発表はいつするのですか?」
「教えてなかったか?陛下が入場してすぐだよ。パーティーに参加してすぐに帰ってしまう者も居るから、人が一番多いうちに発表するみたいだ」
そうなんだ…………
ヤバい……、
緊張してきた。
「おい!?大丈夫か?凄く顔色が悪いぞ」
「お兄様………、もうすぐ婚約発表をするって考えたら、どんどん気分が悪くなってきました。大勢の前に出て私的な発表をするなんて大丈夫なのでしょうか?白けたりしませんか?」
私は公爵家の娘だけど何の実績も無いですし、私なんかの婚約を陛下の生誕パーティーで発表するなんて、烏滸がましいんじゃないかしら?
それに今日は他国からのお客様も沢山参加してますし
絶対に発表する場として相応しくないわよね?
「俺は問題ないと思うぞ?王弟であるユーリ君の婚約発表だからな」
「私も問題ないと思うよ。イリーナは王太子妃候補として各国で有名だったから、婚約者候補から外れて誰と婚約するのか注目されてるからね」
「えっ……、それどういう事ですか?各国で有名って初めて聞いたんですけど?」
王太子の婚約者候補ってだけで何で有名になるの?
婚約者候補なら他にも沢山居たけど、全員が有名だったのかしら?
「知らなかったんだ。イリーナはまだ子供なのに完璧な淑女って言われてたよ。何回かミハイル様と一緒に国外のパーティーに参加してたよね?その時にミハイル様を然りげ無くフォローしてる姿が、まだ子供なのに素晴らしいって話になってたんだよ」
確かにミハイル様と国外のパーティーにお呼ばれすることが何度かあった。
私の他にも候補者が数人一緒について来てたけど、言葉が通じない国ってことで気後れしてる人ばかりだった。
ミハイル様も語学の授業をサボってるから、常に私が横で通訳するしかなかったのよね。
そのせいで恥かいたって難癖をつけられて、帰ってから酷い罵声がミハイル様から飛んできたけど
どう考えても理不尽よね。
「他国で私がミハイル様の婚約者候補を辞退したことは知られてるんですね。今まで何人も辞退してる人が居るから、そんなことは気にしてないと思ってましたわ」
「私の国ではユーリ様も人気でしたけど、イリーナも凄く人気でしたからね。イリーナは凄く注目されてたわよ。だから婚約者がずっと決まってなかったのが不思議なぐらいかな?」
そうなんだ………………、
沢山の人に高評価なのは嬉しいけど、素直に喜んで良いのかは微妙かしら?
好感を持たれるのは嬉しいけど、そのせいで周りから注目されるのは生活しづらい
「イリーナに縁談の申し込みは来ていたよ。だけどイリーナがまだ誰かと婚約することに消極的だったから断ったんだ」
「そうだったんですか?」
「あぁ、どうしてもイリーナと婚約したいなら、断られたって何かしらの形で接触してくると思ったけど、そこまで強い気持ちのものは居なかったみたいだな。そんな奴にはお前はやらん」
ミハイル様の婚約者候補の時に、私が苦労してる姿をお父様は近くで見てたから、かなり後悔してたのかしら?
「お父様ありがとうございます」
「娘の幸せを考えるのは親の役目だからね。それに陛下はずっと前から、イリーナとユーリの婚約を考えていたみたいだからな」
「そうなんですか?」
全く知らなかった。
陛下はいつからユーリ様と私を婚約させるつもりだったのかしら?
「陛下はイリーナが殿下の婚約者候補から辞退することをすぐに認めてくれたからな。それにイリーナと殿下が上手くいってない時も、何もフォローしないのがその証拠だろ」
確かにそうかも
私のことをミハイル様が邪険に扱ってるのは有名でしたし、もしも私をミハイル様の婚約者にしたからったら、親である陛下が仲を取り持つわよね
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