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第四章
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しおりを挟む私達が移動した部屋は王族の控室だった。
初めて入るけど、公爵家に用意されてる控室とあまり変わらないわね。
王族だからもっと良い物で溢れてると思った。
入ってすぐに陛下が使用人を下げさせてるのを見て、私は使用人に代わりお茶をいれて、陛下とユーリ様の前に紅茶を置く。
この部屋のティーセットは全てシルバーで揃えられてるから助かるわね。
「ありがとう。使用人に聞かれたくない話だから、飲み物を用意して貰う前に下げてしまって困ってたんだ」
「自分で紅茶を淹れることがよくあるので、これぐらいはたいしたことではありません」
「兄上は猪突猛進なところがありますからね。私達に話す内容ばかり考えて居たんじゃないですか?」
「正解だ。ちょっと予想外の事が起きてるんだ。私自身も混乱してるから、今から説明するつもりだけど分かりづらいかもしれない」
ミハイル様とリリヤの話だよね?
うーん、この場に私は居ても良いのかな?
「えっと…………、私も聞いても良い話なのですか?もしも問題があるなら、今からでも私だけでも会場に戻りますけど?」
「イリーナ嬢にも聞いて欲しい話だ。君も関係があるんだよ。もしかしたら危険な目に遭う可能性もある」
危険な目に遭う?
多分だけどミハイル様達の話だよね?
やっぱりリリヤは私に何かしようとしてるの?
「何が起きてるんですか?滅多に動揺しない兄上が混乱してるなんて余程じゃないですか?」
「そうだな………、お前達も会場に居たから見てただろうけど愚息のことなんだ。ミハイルが連れてた令嬢を見てるな?」
「はい。テイラー伯爵令嬢ですよね?お二人はお揃いの衣装を身に着けてましたけど、いつ婚約したのですか?その………、言いづらいですけど、テイラー伯爵令嬢は候補者でも無いですし、王太子妃専用の教育も受けてないですから、まだミハイル様の婚約者候補に残ってる者達から不満に持たれるかと思うのですが」
パトリシア様とかは特にそうよね。
あの方は本気でミハイル様に好意があるから、突然現れたリリヤを簡単に認めるとは思えない。
私の質問に陛下は疲れた顔をしている。
「まだ婚約者ではないんだよ。イリーナ嬢の言う通りで、彼女はまだ王太子妃教育をしてないから、婚約者になる資格がない」
「では何故ミハイルの行動を止めなかったのですか?会場にいる者たちは、テイラー伯爵令嬢が婚約者に選ばれたと思ってます。衣装を合わせただけではなく、エスコートまでしてしまってるのですから、兄上なら止めることだって出来たのではないですか?」
「相変わらずお前は鋭いな。3対1では敵わなかったってこともあるが、1番の理由はミハイルを廃嫡するつもりだ。ミハイルが王になったら国民が苦しむことになる。何度も考え方を改めさせようとしてきたが全てが無駄だった」
「兄上………、本当によろしいのですか?」
ユーリ様の問いかけに、陛下は悲しそうな顔をする。
親として辛いわよね。
「こればかりは仕方ない。私は親である前にこの国の王だからな。私の子供はこの国民の全員だ。例え実の息子であろうと、沢山の愛する子供を不幸にするつもりなら、許すことは出来ない」
家族よりも国を優先しないとイケないなんて辛いわね。
「義姉さんは何て言ってるんですか?賛成をしてるんですよね?」
「何も言ってない。最近のあいつは変なんだよ。ミハイルがテイラー伯爵令嬢を連れてきたのは半月前だったんだが、最初はあいつも反対していたんだ」
「学園でのテイラー伯爵令嬢の様子を見てる感じ、王妃様が反対するのは理解できます。多分、王妃様が嫌いなタイプですよね?」
王妃様は常識を大切にする人でマナーをとても大切にしてるから、学園でのリリヤは全てが中途半端で、貴族令嬢として落ちこぼれだと評価されるはず。
それに王妃様は自立した女性だから、リリヤみたいに男に依存してるタイプは嫌いだと思うのよね。
「最初は嫌っていたんだが、段々と好意的になって、今ではミハイルの妃は彼女しか居ないと言っている。普段のあいつならあり得ない評価だ」
「不自然ですね。いつもの義姉さんならマナー違反するものには、とても厳しい目を向ける方なのに」
…………リリヤには何かあるのかもしれない。
王妃様の考えを変えさせるような何かが………、
でも王妃様の考えを変えさせることは出来たのに、王様の考えを変えさせることは出来ない?
あぁ~、分からない!!
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