【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ

文字の大きさ
105 / 143
第四章

11

しおりを挟む

 本当に私はここに居て良いのかしら?

 とんでもない話を聞いてるわよね?

「ミハイル様が廃嫡になるのはもう決定してることなのですか?」

「何があっても覆すつもりはない。息子は王になる資質がなかったんだ。私達の教育が悪かったのかもしれないが、ユーリと同じような教育をしてきたんだが」

 先代の王妃様が甘やかしていたと聞いたけど、ユーリ様と同じような教育をされてたのに、こんなにも差が出るものなのね。

「兄上はこれからミハイルをどうするつもりなのですか?廃嫡するってことは、王族の籍からも抜くってことですよね?」

「本来なら領地を与えるのだろうけど、ミハイルに領地を与えたら、その領地に住んでる者達が苦労する。何処かの家に婿養子に出しても同じ結果なんだよな」

 王族ではなくなるミハイル様を欲しがる人は居るのかしら?

 リリヤは絶対に離れて行くと思う。

「ミハイル様をどんな理由で廃嫡するつもりなのですか?過去にも婚約者と婚約破棄をして、他の女性と結婚した王も居ますから、テイラー伯爵令嬢のことで廃嫡するのは難しいですよね?今回は正式に婚約者が決まっていたわけではありませんし」

「すぐには廃嫡は無理だろうな。テイラー伯爵令嬢と婚約するつもりなら、令嬢には王太子妃教育を3年以内に終わらせるのが条件にするつもりだ。3年で終わらなかったり、3年以内にの令嬢が何か問題を起こしたら、その責任をミハイルが取るように指示するつもりだ。もしも3年以内に終わらなかったら、ミハイルも責任を取らせて廃嫡にする」

 3年以内にあの内容を全て覚えるの!?

 休み無しで朝から晩まで詰め込んだら、何とか終わる計画かしら?

 私なら絶対に耐えられないわ。

 ご愁傷さま………

「兄上は絶対に無理だって思ってるんですね。でもミハイルが途中で婚約する相手を変えると言ってきたらどうするつもりですか?今残ってる婚約候補者から選ぶって言ったら、許すつもりですか?」

「それはもう無理だ。今日のパーティーでお揃いの衣装を着たのだから後戻りは出来ない。私は何度も止めたけど強行したのはバカ息子だ。それに3人は許せないことを言っていたからな」

 許せないこと?

 陛下がこんなに怒ってるの初めて見たわね。

 そんなに拙い事を言っていたの?

「………聞くのが怖いんですけど、その内容は我々が知っていたほうがいい内容ですか?」

「今回、お前たちをここに呼んだ1番の理由は、あの発言を知らせるためだ。ミハイル達はイリーナ嬢を側室にするつもりだ」

「そんなのあり得ませんよ。ミハイル様は私のことを嫌ってますし、テイラー伯爵令嬢が認めるとは思えません」

 あの子は私のことを嫌ってるのは確実だから、自分のほうが立場は上になるとしても、側室として受け入れるとは思えない。

「側室と言っても形だけだ。イリーナ嬢に仕事を全て押し付けるつもりらしい。ミハイルがあの子を王宮に連れてきたときに、彼女がミハイルを狙ってるのが分かったから、軽くだけど次期王妃になったらどんな生活が待ってるか話したんだ」

「それを私を側室にするのを提案したのは誰ですか?」

「テイラー伯爵令嬢だよ。ミハイルを共有するのは辛いけど、自分には難しくて出来ないから我慢するって言ってたな」

 それって側室という名の奴隷よね?

 嫌なことは全部私に押し付けるってこと?

 ミハイル様が私を愛することは絶対にないから、自分はミハイル様に愛されて幸せになってるのを、私に見せつけながら嫌な仕事を押し付けるって考えね。

「兄上は反対してくれたんですよね?」

「当たり前だろ。イリーナ嬢はお前の婚約者だ。それにあんなのを認めたら、イリーナ嬢が不幸にしかならないだろ。イリーナ嬢も私が守るべき大切な国民だ」

「良かった。義姉さんは身勝手な要求に賛成してるんですか?」

 陛下は悔しそうに頷く。

 やっぱりおかしい………

 王妃様がそんな事を認めるはずがない。

 私がまだミハイル様の婚約者候補だった時に、王妃様には娘のように可愛がって貰ってた。

 陛下に婚約者候補を辞退するのを認めてもらったあとに、王妃様には今までのお礼も兼ねて、挨拶に行った時に幸せになりなさいって言ってくれたのに、不幸にしかならないあんな提案に賛成するなんて信じられない。

「私はあんな理不尽な要求を通すつもりはないが、イリーナ嬢は身辺を気をつけて欲しい」

「わかりました。こんな事を聞いて良いのか分からないですけど、ミハイル様が正式に廃嫡になったら、王太子は誰が選ばられるのですか?………第2王子ですか?」

 私の発言に陛下とユーリ様はビックリした表情になる。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約破棄のあと、あなたのことだけ思い出せない

柴田はつみ
恋愛
伯爵令嬢セシリアは、王宮の舞踏会で王太子レイヴンから公開の場で婚約破棄を言い渡され、その場で倒れた。 目覚めた彼女は、礼儀も常識も覚えているのに――ただ一つ、レイヴンだけを思い出せない。 「あなたは、どなたですか?」 その一言に、彼の瞳は壊れた。 けれどレイヴンは何も語らず、セシリアを遠ざける。彼女を守るために、あの日婚約を捨てたのだと告げられないまま。 セシリアは過去を断ち切り、王宮の侍女として新しい生活を始める。 優しく手を差し伸べる護衛騎士アデルと心を通わせていくほど、レイヴンの胸は嫉妬と後悔で焼けていった。 ――守るために捨てたはずなのに。忘れられたまま、他の男に笑う彼女を見ていられない。 一方、王宮では“偽聖女”の陰謀と、セシリアの血に眠る秘密が動き出す。 記憶を取り戻せば、彼女は狙われる。取り戻さなければ、二人は永遠に届かない。 これは、忘れてしまった令嬢と、忘れられてなお愛を捨てられない王太子が、もう一度“選び直す”恋の物語。

婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。

黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」 豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。 しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。

近すぎて見えない物

あんど もあ
ファンタジー
エルリック王子と一夜を共にした男爵令嬢。エルリックの婚約者シルビアが、優しく彼女に言った一言とは。

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。

木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。 彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。 こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。 だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。 そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。 そんな私に、解放される日がやって来た。 それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。 全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。 私は、自由を得たのである。 その自由を謳歌しながら、私は思っていた。 悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

婚約破棄と暗殺で死んだはずの公爵令嬢ですが、前に出ずに全てを崩壊させます

鷹 綾
恋愛
フォールス・アキュゼーション。お前に全ての罪がある」 王太子フレイム・ファブリケイト・ロイヤル・ロードは、自らの失策を公爵令嬢フォールスに押し付け、婚約を破棄。 さらに証拠隠滅のため、彼女を追放し、暗殺まで差し向ける。 ――彼女は、死んだことにされた。 だがフォールスは、生き延びた。 剣も魔法も持たず、復讐に燃えることもない。 選んだのは、前に出ないという生き方。 隣国で身を潜めながら、王弟エクイティ・フェアネス・ロイヤル・ロードのもと、 彼女は“構造の隣”に立つ。 暴かず、裁かず、叫ばない。 ただ、歪んだ仕組みを静かに照らし、 「選ばなかった者たち」を、自ら説明の場へと追い込んでいく。 切れない証人。 使えない駒。 しかし、消すこともできない存在。 これは、力で叩き潰すザマアではない。 沈黙と距離で因果を完成させる、知的で冷静な因果応報の物語。 ――前に出ない令嬢が、すべての答えを置いていく。

乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!

ユウ
恋愛
平凡な伯爵令嬢のリネットは優しい婚約者と妹と穏やかで幸福な日々を送っていた。 相手は公爵家の嫡男であり第一王子殿下の側近で覚えもめでたく社交界の憧れの漆黒の騎士と呼ばれる貴族令息だった。 結婚式前夜、婚約者の妹に会いに学園に向かったが、そこで事件が起きる。 現在学園で騒動を起こしている第二王子とその友人達に勘違いから暴行を受け階段から落ちてしまう… その時に前世の記憶を取り戻すのだった… 「悪役令嬢の兄の婚約者って…」 なんとも微妙なポジション。 しかも結婚前夜で傷物になる失態を犯してしまったリネットは婚約解消を望むのだが、悪役令嬢の義妹が王子に婚約破棄を突きつける事件に発展してしまう。

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

処理中です...