【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ

文字の大きさ
106 / 143
第四章

12

しおりを挟む

 私の発言で陛下とユーリ様が困った顔をしている。

 やっぱり拙かったかしら?

 第2王子のことを知ってる人は少ないって、お兄様から聞いてたのに今後どうなるか不安でつい聞いてしまった。

「私のもう一人の子供のことを知っているのだな」

「私が特進クラスに決まった時に、兄から第2王子の存在を教えてもらいました。第2王子も特進クラスを選ぶ可能性があるから、知っておいたほうが良いと判断したみたいです。兄も王宮でメイド達の話を聞いて、第2王子の存在を知ったそうです」

 お父様にお咎めが無いようにフォローする。

 第2王子の話はトップシークレットだろうから、もしもお父様が自分の子供に話したって思われたら、色々と信用問題になるわよね。

「言い方が悪かったな。責めてないから安心してくれ。イリーナ嬢はユーリの嫁になるのだから、いつかは話さないとイケない話だから逆に良かった」

「兄上はいつ話すか迷ってましたからね。でも問題は人通りがある場所で、王族の機密情報をべらべら話してたメイド達ですね。誰か分かればいいのですけど」

 確かに良く考えたら、お兄様が第2王子の存在を知る切っ掛けになったメイドは問題よね。

 王宮で働いてたら機密情報を知ってしまう機会は多いはず、それなのに口の軽いメイドが居るなんて大問題になる。

「覚えてるかも微妙ですけど、兄に相手の特徴を聞いておきますか?」

「お願い出来るかな?はぁ~、問題が山積み過ぎる。ミハイルの事でも色々と頭が痛いのに、口の軽い使用人が紛れ込んでるなんて」

 王宮で働く者の人選は厳しいだろうから、問題ある人物が紛れ込んでるなんて、胃に穴が開くぐらいの大問題よね。

「それで兄上は次の王太子に第2王子を選ぶつもりなのですか?」

「いや………、本人に断られたよ。今の生活に満足らしい。それに恋人が居るらしいんだが、身分を考えたら王太子妃には出来ないから、絶対に嫌だと言われてしまった」

 第2王子に恋人?

 学園で全然関わってないけど、同じクラスだから毎日会うけど、それらしき人は1人も居ないわよね?

 特定の女性と仲良くしてるのを見たことがない。

「王太子妃には出来ない身分ですか?」

「庶民らしい。ブリジット辺境伯で雇われてる庭師の孫らしい。あそこは特殊な土地だから、妻や夫が絶対に貴族じゃないとイケないとかではないんだよ。いつも命懸けだからこそ配偶者には愛するものを選ぶ。癒やしを求めるんだろうな」

 そんな環境で育ったなら、王都での暮らしは苦痛でしょうね。

 王様になれるって言われても惹かれたりしないのがわかる。

「第2王子は真実を知って動揺されたりしてなかったのですか?」

「驚いてはいたけどショック等は受けてなかったな。辺境伯殿に愛情たっぷり育てられていたからだろうな。王宮で育っていたらあんなふうには育たなかっただろうな」

 陛下はミハイル様を思い出したのか悲しそうな顔をする。

 確かに私から見た第2王子はとても人格者なのが分かる。

 貴族や庶民などで態度を変えたりせず、同じクラスにいる庶民に自分から1番進んで声をかけてるのがあの方だった。

 あの方のお陰でクラスの雰囲気もとても良いのよね。

 私は公爵令嬢って肩書があるせいで、エリー以外の庶民からは距離を置かれている。

 彼らの気持ちも分からなくはない。

「第2王子が王宮で育っていたとしても、愛情を感じることは出来たと思いますわ。陛下や王妃様はとても愛情深い方たちですから、私がまだミハイル様の婚約者候補だったときも、お2人は忙しいので短い時間しか一緒に過ごせませんでしたが、会う度にとても優しくして頂きましたから」

「そうだと良いが………、どうしても跡取りとそうじゃない者では差が出てしまう。ミハイルとリカムではミハイルを優先していたと思う」

 それは仕方ないのかもしれない。

 跡取りとそうじゃない者の差が出るのは仕方ない。

 これは王族だけではなく、貴族も同じようなものよね。

 私とお兄様だって差があった。

 お兄様は跡取りとして、教育の面ではとても厳しくされている。

 私はお兄様が潰れてしまわないか心配になることが何回もあった。

 そういう兄弟を見た時に、心配するのか、嫉妬するのかは、本人の資質よね。

 厳しくされない=期待されてないと思って劣等感を感じるのか、頑張ってる兄を支えようとするのかは、育つ環境よりも本人の生まれ持った性格で決まってしまう気がする。

「リカム本人が拒否をしてるから、ミハイルが廃嫡になったらユーリに王太子になってもらうぞ。イリーナ嬢は王太子妃教育はほぼ終わってるから安心だ」

 …………結局私は王太子妃になってしまうの?

 重圧から開放されて、開放感を味わっていたのに



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約破棄のあと、あなたのことだけ思い出せない

柴田はつみ
恋愛
伯爵令嬢セシリアは、王宮の舞踏会で王太子レイヴンから公開の場で婚約破棄を言い渡され、その場で倒れた。 目覚めた彼女は、礼儀も常識も覚えているのに――ただ一つ、レイヴンだけを思い出せない。 「あなたは、どなたですか?」 その一言に、彼の瞳は壊れた。 けれどレイヴンは何も語らず、セシリアを遠ざける。彼女を守るために、あの日婚約を捨てたのだと告げられないまま。 セシリアは過去を断ち切り、王宮の侍女として新しい生活を始める。 優しく手を差し伸べる護衛騎士アデルと心を通わせていくほど、レイヴンの胸は嫉妬と後悔で焼けていった。 ――守るために捨てたはずなのに。忘れられたまま、他の男に笑う彼女を見ていられない。 一方、王宮では“偽聖女”の陰謀と、セシリアの血に眠る秘密が動き出す。 記憶を取り戻せば、彼女は狙われる。取り戻さなければ、二人は永遠に届かない。 これは、忘れてしまった令嬢と、忘れられてなお愛を捨てられない王太子が、もう一度“選び直す”恋の物語。

近すぎて見えない物

あんど もあ
ファンタジー
エルリック王子と一夜を共にした男爵令嬢。エルリックの婚約者シルビアが、優しく彼女に言った一言とは。

婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。

黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」 豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。 しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。

木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。 彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。 こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。 だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。 そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。 そんな私に、解放される日がやって来た。 それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。 全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。 私は、自由を得たのである。 その自由を謳歌しながら、私は思っていた。 悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

婚約破棄と暗殺で死んだはずの公爵令嬢ですが、前に出ずに全てを崩壊させます

鷹 綾
恋愛
フォールス・アキュゼーション。お前に全ての罪がある」 王太子フレイム・ファブリケイト・ロイヤル・ロードは、自らの失策を公爵令嬢フォールスに押し付け、婚約を破棄。 さらに証拠隠滅のため、彼女を追放し、暗殺まで差し向ける。 ――彼女は、死んだことにされた。 だがフォールスは、生き延びた。 剣も魔法も持たず、復讐に燃えることもない。 選んだのは、前に出ないという生き方。 隣国で身を潜めながら、王弟エクイティ・フェアネス・ロイヤル・ロードのもと、 彼女は“構造の隣”に立つ。 暴かず、裁かず、叫ばない。 ただ、歪んだ仕組みを静かに照らし、 「選ばなかった者たち」を、自ら説明の場へと追い込んでいく。 切れない証人。 使えない駒。 しかし、消すこともできない存在。 これは、力で叩き潰すザマアではない。 沈黙と距離で因果を完成させる、知的で冷静な因果応報の物語。 ――前に出ない令嬢が、すべての答えを置いていく。

乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!

ユウ
恋愛
平凡な伯爵令嬢のリネットは優しい婚約者と妹と穏やかで幸福な日々を送っていた。 相手は公爵家の嫡男であり第一王子殿下の側近で覚えもめでたく社交界の憧れの漆黒の騎士と呼ばれる貴族令息だった。 結婚式前夜、婚約者の妹に会いに学園に向かったが、そこで事件が起きる。 現在学園で騒動を起こしている第二王子とその友人達に勘違いから暴行を受け階段から落ちてしまう… その時に前世の記憶を取り戻すのだった… 「悪役令嬢の兄の婚約者って…」 なんとも微妙なポジション。 しかも結婚前夜で傷物になる失態を犯してしまったリネットは婚約解消を望むのだが、悪役令嬢の義妹が王子に婚約破棄を突きつける事件に発展してしまう。

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

処理中です...