【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ

文字の大きさ
113 / 143
第五章

しおりを挟む

 私の考えは甘過ぎるのかな?

 まだ危機感が足りない?

「もしもテイラー伯爵令嬢が使ってる力が魅了魔法だったとして、魅了魔法は危険な可能性があるんだよ。
 確かにイリーナが言った通りに、国として危険ってことも1つの理由としてある」

「単刀直入に言ってください。他には何を心配してますの」

「1番心配しないといけないのは、テイラー伯爵令嬢に国を滅茶苦茶にされることだけど、それと同じぐらい心配しないといけないのは、魅了魔法を使われた者の精神状態かな」

 副作用ってことよね?

 私もそのことは心配してた。

「私もそれは心配してました」

「魅了魔法は人の思考を無理やり変えることだから、脳に異常をきたす可能性が高いと思う。小説とかでも魅了魔法を解かれた人が廃人かすることも有るぐらいだから」

 ………そうなんだ。

 確かにその可能性がある。

 人は物事を脳で考えて行動する。

 思考を変えさせるってことは、人の脳に魔法をかけてるってことだよね。

 脳は繊細な臓器だから、ちょっとのことでも影響を受ける可能性がありますわよね。

「レイチェルは魅了を使われた人は、廃人になる可能性が高いと考えてますのね?」

「廃人にならなくても、何か障害が残ると思う。長い期間魔法をかけられてる人は、それだけ重症になると思う」

 …………これを陛下に話さないといけないなんて、陛下はこの話を聞いたらどう思うのかしら?

 息子と妻を諦めないとイケないかもしれないなんて、私なら耐えられないわ。

 もしもミハイル様と王妃様が廃人になったり、何か障害が残ったら私の責任だわ。

 自分達だけで調べるなんて悠長なことを考えて、魅了の存在に気がついて1か月も経つのに、何の成果も出てないなんて、陛下に顔向けできないわ。

 私が最初っから周りを頼ってたら、もしかしたら王妃様達は安全に助けられたかもしれない。

 まだ障害が残るって決まったわけではないけど、その可能性が限りなく高いわよね。

「まだ諦めるのは早いよ。魅了魔法のことを何も知らないのだから、まだ助かる可能性だってある。後悔する前に出来ることは全てやろう」

「そうですわよね。クヨクヨしてる時間はありません。いきなり陛下に会うのは難しいですから、ユーリ様に事情を話しましょう」

「それが良いね」

「私はユーリ様にお願いして王宮の書庫を調べます。レイチェルは王都で1番大きい資料館をお願いできますか?あそこなら古い資料も集まってるので、もしかしたら魔法について載ってる物があるかもしれませんわ」

「分かった!!時間が惜しいから今から行ってくる」

 レイチェルはすぐに邸から飛び出していった。

 私ものんびりしてられないわね。

 使用人に馬車の準備を指示して、私は王宮で仕事をしている、お父様とユーリ様に会いに行く。

 本来ならアポもなく急に行くのは失礼になるけど、今はアポを取る時間も惜しい。

 お父様に怒られてしまうかもしれないけど、理由を話したら許してくれるわよね。

 怒られるとしたら、ずっと黙ってたことを怒られるかもしれない。

 私はずっとこの話をお父様達にして、お父様に娘の頭がおかしくなったって思われるのがずっと怖かった。

 本当なら1番にお父様に報告しないとイケなかったのに、お父様に避けられるかもしれないって思ったら、自分の考えをお父様達に話すことが出来なかった。

 でもレイチェルに、このままでは王妃様達が危険かもしれないって言われて、そこで初めて自分の考えが愚かだったのか気付かされた。

 好きな人達に嫌われたとしても、頭がおかしくなったって思われたとしても、この事はお父様達に話さないといけない事だった。

 私の話を聞いて判断するのはお父様達だけど、少しでも可能性があるのなら、知らせないといけないのよね。

 躊躇してる間に、国を危険な目に遭わせてしまう可能性がある。

 私はこの国の貴族として覚悟が足りなかった。

 公爵家の娘として、自分の気持よりこの国のことを優先しないといけない。

 今もまだ怖いけど、お父様とユーリ様なら頭ごなしに否定はしないはず。

 私の話を聞いてもしも否定するなら、色々と調べてから否定するはず。

 私はお父様達を信じるだけだわ。

 まだ手遅れになってないわよね……

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約破棄のあと、あなたのことだけ思い出せない

柴田はつみ
恋愛
伯爵令嬢セシリアは、王宮の舞踏会で王太子レイヴンから公開の場で婚約破棄を言い渡され、その場で倒れた。 目覚めた彼女は、礼儀も常識も覚えているのに――ただ一つ、レイヴンだけを思い出せない。 「あなたは、どなたですか?」 その一言に、彼の瞳は壊れた。 けれどレイヴンは何も語らず、セシリアを遠ざける。彼女を守るために、あの日婚約を捨てたのだと告げられないまま。 セシリアは過去を断ち切り、王宮の侍女として新しい生活を始める。 優しく手を差し伸べる護衛騎士アデルと心を通わせていくほど、レイヴンの胸は嫉妬と後悔で焼けていった。 ――守るために捨てたはずなのに。忘れられたまま、他の男に笑う彼女を見ていられない。 一方、王宮では“偽聖女”の陰謀と、セシリアの血に眠る秘密が動き出す。 記憶を取り戻せば、彼女は狙われる。取り戻さなければ、二人は永遠に届かない。 これは、忘れてしまった令嬢と、忘れられてなお愛を捨てられない王太子が、もう一度“選び直す”恋の物語。

近すぎて見えない物

あんど もあ
ファンタジー
エルリック王子と一夜を共にした男爵令嬢。エルリックの婚約者シルビアが、優しく彼女に言った一言とは。

婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。

黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」 豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。 しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。

木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。 彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。 こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。 だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。 そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。 そんな私に、解放される日がやって来た。 それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。 全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。 私は、自由を得たのである。 その自由を謳歌しながら、私は思っていた。 悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

婚約破棄と暗殺で死んだはずの公爵令嬢ですが、前に出ずに全てを崩壊させます

鷹 綾
恋愛
フォールス・アキュゼーション。お前に全ての罪がある」 王太子フレイム・ファブリケイト・ロイヤル・ロードは、自らの失策を公爵令嬢フォールスに押し付け、婚約を破棄。 さらに証拠隠滅のため、彼女を追放し、暗殺まで差し向ける。 ――彼女は、死んだことにされた。 だがフォールスは、生き延びた。 剣も魔法も持たず、復讐に燃えることもない。 選んだのは、前に出ないという生き方。 隣国で身を潜めながら、王弟エクイティ・フェアネス・ロイヤル・ロードのもと、 彼女は“構造の隣”に立つ。 暴かず、裁かず、叫ばない。 ただ、歪んだ仕組みを静かに照らし、 「選ばなかった者たち」を、自ら説明の場へと追い込んでいく。 切れない証人。 使えない駒。 しかし、消すこともできない存在。 これは、力で叩き潰すザマアではない。 沈黙と距離で因果を完成させる、知的で冷静な因果応報の物語。 ――前に出ない令嬢が、すべての答えを置いていく。

乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!

ユウ
恋愛
平凡な伯爵令嬢のリネットは優しい婚約者と妹と穏やかで幸福な日々を送っていた。 相手は公爵家の嫡男であり第一王子殿下の側近で覚えもめでたく社交界の憧れの漆黒の騎士と呼ばれる貴族令息だった。 結婚式前夜、婚約者の妹に会いに学園に向かったが、そこで事件が起きる。 現在学園で騒動を起こしている第二王子とその友人達に勘違いから暴行を受け階段から落ちてしまう… その時に前世の記憶を取り戻すのだった… 「悪役令嬢の兄の婚約者って…」 なんとも微妙なポジション。 しかも結婚前夜で傷物になる失態を犯してしまったリネットは婚約解消を望むのだが、悪役令嬢の義妹が王子に婚約破棄を突きつける事件に発展してしまう。

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

処理中です...