48 / 147
3章.激動の予感編
44話.真なる竜人石
しおりを挟む
「竜人石は魔力を貯め込む不思議な材質でできていて、竜人族の試練を突破した主が魔力を込めることによって真の姿を現す不思議な石である。
どんな姿になるのかは、注ぎ込まれた魔力の特性に依存する。
こう言い伝えられている。
だけど、竜人族に主が存在したのは今回が初めてのこととなる。
だから今まで真偽を確かめるすべすらなく、俺はデマだと思ってたんだけど……」
「まぁそう思うのもしゃーないわな」
「真の姿を現した竜人石は<竜人王聖石>と呼ぶらしい。
とりあえず俺たちの主の証として持っていて欲しい、杖の材料にしてもいいかもだけどな」
予想外の展開に戸惑ったクロムであったが、そのことは後回しとして本来の目的を果たすことにした。
自分たちは蒼天の猫という名のチームを組んでいる冒険者であること。
とある事情により力あるチームメンバーを探していること。
クロムは重大な秘密を抱えていて、その秘密の内容を明かすためにはクロムの能力によって従属してもらう必要があること。
従属した場合はクロムの秘密も含めて全て話すこと。
これらをカルロを始めとする竜人族のみんなに伝えて、クロムに従属してくれる人を募ることにした。
すると、クロムの予想に反して竜人族全員からの合意がとれてしまう展開となった。
「同意してくれるのは嬉しいけど……
これは主としての命令ではないから強制じゃないんだぞ?」
「さすがにそんなことはクロムさんを見てりゃわかるっての。
主かどうかなんてことは抜きで、ついていきたいってみんなが思った。
それだけの話だよ」
「カルロ…… みんなもそうなのか?」
クロムの問いに竜人族たちは一斉に頷く。
その気持ちに感謝しつつ従属させるための説明をし、一人づつクロムに従属化させていった。
「みんな本当にありがとうな……
俺の全ての秘密を共有したいわけだが……
どこからどう話せばいいのか……」
「ナビちゃんを共有させたらいいかもよ
ナビちゃんの存在を証明することが多分一番説得力があるよ」
何から話せば良いのかを悩んでいたクロムにアキナが提案をする。
アキナはナビの存在を認識することで色々を受け入れて理解していけたと。
「アキナがそういうならそうなのかもな」
体験者であるアキナの言葉を採用し、ナビの存在を竜人族のみんなにも共有させた。
「竜人族のみんな、今から不思議なことが起こるけど驚かないでね?
じゃあナビ、自己紹介よろしく」
『……
わかったわよ……』
ナビが自己紹介を始めると予想通り竜人族たちは驚くことになった。
急に頭の中に聞いたことのない声が響き、周りにいるものたちにも同じものが聞こえているとなれば混乱するのは当然であるといえる。
クロムがみんなを落ち着かせたのち、ナビが説明を始めた。
カオスという神の眷属であり、クロムの頭の中に植え付けられている存在であるという説明を始めた。
竜人族たちは反応の仕方がわからず戸惑っていると、カルロがそれらを代表するようにクロムに問いかけた。
「とても鵜呑みにできる内容じゃないけど……
実際に謎の声が頭に聞こえるようにはなっている。
信じると仮定して、神の眷属が頭の中に住んでるってことは神なのか?」
「いや、俺は人間だよ。
ただ、この世界の住人ではない」
再び騒めきだした竜人族を見て自分の説明の下手さに苦笑しつつ、ふたたびナビに説明を丸投げにしてみることにした。
『な!!?
また僕に丸投げなの!??
はぁ……
……ホント都合よく使うんだから……』
クロムの無茶ぶりに悪態をつくナビではあったが、その説明は上手いもので竜人族は頭を抱えながらも徐々に理解をし、状況を受け入れていくのであった。
どんな姿になるのかは、注ぎ込まれた魔力の特性に依存する。
こう言い伝えられている。
だけど、竜人族に主が存在したのは今回が初めてのこととなる。
だから今まで真偽を確かめるすべすらなく、俺はデマだと思ってたんだけど……」
「まぁそう思うのもしゃーないわな」
「真の姿を現した竜人石は<竜人王聖石>と呼ぶらしい。
とりあえず俺たちの主の証として持っていて欲しい、杖の材料にしてもいいかもだけどな」
予想外の展開に戸惑ったクロムであったが、そのことは後回しとして本来の目的を果たすことにした。
自分たちは蒼天の猫という名のチームを組んでいる冒険者であること。
とある事情により力あるチームメンバーを探していること。
クロムは重大な秘密を抱えていて、その秘密の内容を明かすためにはクロムの能力によって従属してもらう必要があること。
従属した場合はクロムの秘密も含めて全て話すこと。
これらをカルロを始めとする竜人族のみんなに伝えて、クロムに従属してくれる人を募ることにした。
すると、クロムの予想に反して竜人族全員からの合意がとれてしまう展開となった。
「同意してくれるのは嬉しいけど……
これは主としての命令ではないから強制じゃないんだぞ?」
「さすがにそんなことはクロムさんを見てりゃわかるっての。
主かどうかなんてことは抜きで、ついていきたいってみんなが思った。
それだけの話だよ」
「カルロ…… みんなもそうなのか?」
クロムの問いに竜人族たちは一斉に頷く。
その気持ちに感謝しつつ従属させるための説明をし、一人づつクロムに従属化させていった。
「みんな本当にありがとうな……
俺の全ての秘密を共有したいわけだが……
どこからどう話せばいいのか……」
「ナビちゃんを共有させたらいいかもよ
ナビちゃんの存在を証明することが多分一番説得力があるよ」
何から話せば良いのかを悩んでいたクロムにアキナが提案をする。
アキナはナビの存在を認識することで色々を受け入れて理解していけたと。
「アキナがそういうならそうなのかもな」
体験者であるアキナの言葉を採用し、ナビの存在を竜人族のみんなにも共有させた。
「竜人族のみんな、今から不思議なことが起こるけど驚かないでね?
じゃあナビ、自己紹介よろしく」
『……
わかったわよ……』
ナビが自己紹介を始めると予想通り竜人族たちは驚くことになった。
急に頭の中に聞いたことのない声が響き、周りにいるものたちにも同じものが聞こえているとなれば混乱するのは当然であるといえる。
クロムがみんなを落ち着かせたのち、ナビが説明を始めた。
カオスという神の眷属であり、クロムの頭の中に植え付けられている存在であるという説明を始めた。
竜人族たちは反応の仕方がわからず戸惑っていると、カルロがそれらを代表するようにクロムに問いかけた。
「とても鵜呑みにできる内容じゃないけど……
実際に謎の声が頭に聞こえるようにはなっている。
信じると仮定して、神の眷属が頭の中に住んでるってことは神なのか?」
「いや、俺は人間だよ。
ただ、この世界の住人ではない」
再び騒めきだした竜人族を見て自分の説明の下手さに苦笑しつつ、ふたたびナビに説明を丸投げにしてみることにした。
『な!!?
また僕に丸投げなの!??
はぁ……
……ホント都合よく使うんだから……』
クロムの無茶ぶりに悪態をつくナビではあったが、その説明は上手いもので竜人族は頭を抱えながらも徐々に理解をし、状況を受け入れていくのであった。
32
あなたにおすすめの小説
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
知識スキルで異世界らいふ
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ
無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~
志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。
けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。
そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。
‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。
「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる