110 / 147
6章.ダイン獣王国編
102話.クロムの思惑
しおりを挟む
『本題』というクロムの発した言葉がこの場の緊張感を一気に高める。
つい先ほどダインとバロンの行動を諫め、その二人ともに勝利を収めているクロムが真面目な口調で発した言葉なのだから当然の結果でもある。
「そうじゃな、戻ったら話したいことがあると言っておったのもその本題とやらなんじゃろ?
もったいぶらずに話すが良い」
ダインに本題を話すことを促されたクロムは、言いにくそうな表情を一瞬だけ浮かべたがすぐに真剣な表情に切り替えてダインの目を正面から見ながら話を始めた。
最初はバロン襲撃の件の詳細、つまりはバロンはただの先遣隊でありしばらくしたら悪魔王サタンの軍勢がこの大陸に上陸すること。
そしてこのロンダルディア大陸への進軍を決定したサタンの背後には邪神と呼ばれる悪魔の神の思惑が存在していることを。
さらにこの構図はクロムがミレストンに向かう前に想定していた『悪い予感』の内容そのものでもあることを。
「なんだかとんでもない次元の話じゃの……
悪魔族の侵略に、その背後に見える邪神の存在……
神々の事情で急に転生者が増えたこのタイミングで、存在自体が疑われていた悪魔族が邪神の関与が見える形でこのロンダルディア大陸への進軍を始める……」
「さすがは獣王様だな、今頭に思い描いたことでたぶん正解だよ」
「……」
クロムの言葉にダインは言葉を失った。
ダインは優れたカリスマ性を持った王ではあるが、知能に優れた 王ではない。
ゆえに想定外であり、想像もできなかった事態が続くこの状況を理解しそれに対応することは難しかったのである。
「く、クロム? 私にはちょっと理解できないんだけど……」
そんな中、クロムの隣で静かに聞いていたアキナが状況の説明を求めるような困惑の表情でクロムを見つめていた。
クロムはそんなアキナの表情を愛らしく感じ、片手で抱きしめるとゆっくりと説明を始めた。
自分を転生させた神、カオスの言葉が真実であるとするならばとした上でクロムは話を始めるのだった。
転生者が最近増えていることの理由は、この世界を創造した創造神が神々の暇つぶしのためにこの世界に転生者を次々と送り込ませて好き勝手させるというゲーム始めたからである。
そして神の中には転生者を送りこむ代わりに自分への信仰心の厚い人物に神のお告げという形で助言を与え、その者を操る形でこのゲームに参加している神もいる。
「まぁ前者タイプの神がカオスであり、後者タイプの神がダイン王が崇拝するアレス神ということになるだろうな。
そして、悪魔王サタンの背後にいる邪神もこの後者タイプだと思う」
「え……、っていうことは悪魔たちの進軍は神の暇つぶしによるもの?」
「おそらくね」
――そしてこの手のゲームを好まなさそうなカオスがゲームに参加しているわけや思惑もなんとなく想像できるわけだけど……
――それは今考えることじゃないな
クロムがゆっくりと解説することによって、この場にいるすべての者が状況を把握することができた。
神という存在はすべての生物にとって崇拝の対象である、信仰の度合いに差異こそあるが。
今の状況を把握・理解するということは、その崇拝の対象である神がこの大陸を大混乱に陥れようとしているということを知ってしまうことでもあった。
しかもその理由が『暇つぶし』である。
「さて、みんなが困惑することが分かった上でこんなことを丁寧に説明したのは理由がある。」
「だろうな、何が目的じゃ?」
「単刀直入に言う、ミレストンという街を俺にくれ。
そして俺はミレストンで都市国家樹立を宣言する、ダインは街の譲渡とそこでの建国を認めてくれ」
「そんなこと認めれるわけないじゃろうが、バカバカしい」
「だろうな、でもマジで言っている。
ミレストンはサタンが上陸する予定地だ、これはバロンがサタンに上陸拠点として報告をいれているからな。
そして、その悪魔どもの相手を俺にやらせろってことだよ」
「ワシにも面子がある、はいそうですかとは言えぬ」
「そういうと思ってこないだの決闘の勝者の権利を使ってなかったわけだが……
獣王ダインよ、決闘の勝者の権利としてミレストンの譲渡を望む」
「…… わかった。
しかし建国は認められぬ、カロライン王国と聖セイクリッド神国との協定に反することにもなる」
3国間ではお互いに不可侵・不干渉の協定とともに新興国が誕生してロンダルディア大陸内のバランスを崩壊させないように新興国の建国を承認しないようにするという協定も結んでいたのであった。
ゆえに諦めろと言わんばかりの表情をするダイン王。
しかしクロムはそれを気にする様子もなく、カルロに問いかけるのであった。
つい先ほどダインとバロンの行動を諫め、その二人ともに勝利を収めているクロムが真面目な口調で発した言葉なのだから当然の結果でもある。
「そうじゃな、戻ったら話したいことがあると言っておったのもその本題とやらなんじゃろ?
もったいぶらずに話すが良い」
ダインに本題を話すことを促されたクロムは、言いにくそうな表情を一瞬だけ浮かべたがすぐに真剣な表情に切り替えてダインの目を正面から見ながら話を始めた。
最初はバロン襲撃の件の詳細、つまりはバロンはただの先遣隊でありしばらくしたら悪魔王サタンの軍勢がこの大陸に上陸すること。
そしてこのロンダルディア大陸への進軍を決定したサタンの背後には邪神と呼ばれる悪魔の神の思惑が存在していることを。
さらにこの構図はクロムがミレストンに向かう前に想定していた『悪い予感』の内容そのものでもあることを。
「なんだかとんでもない次元の話じゃの……
悪魔族の侵略に、その背後に見える邪神の存在……
神々の事情で急に転生者が増えたこのタイミングで、存在自体が疑われていた悪魔族が邪神の関与が見える形でこのロンダルディア大陸への進軍を始める……」
「さすがは獣王様だな、今頭に思い描いたことでたぶん正解だよ」
「……」
クロムの言葉にダインは言葉を失った。
ダインは優れたカリスマ性を持った王ではあるが、知能に優れた 王ではない。
ゆえに想定外であり、想像もできなかった事態が続くこの状況を理解しそれに対応することは難しかったのである。
「く、クロム? 私にはちょっと理解できないんだけど……」
そんな中、クロムの隣で静かに聞いていたアキナが状況の説明を求めるような困惑の表情でクロムを見つめていた。
クロムはそんなアキナの表情を愛らしく感じ、片手で抱きしめるとゆっくりと説明を始めた。
自分を転生させた神、カオスの言葉が真実であるとするならばとした上でクロムは話を始めるのだった。
転生者が最近増えていることの理由は、この世界を創造した創造神が神々の暇つぶしのためにこの世界に転生者を次々と送り込ませて好き勝手させるというゲーム始めたからである。
そして神の中には転生者を送りこむ代わりに自分への信仰心の厚い人物に神のお告げという形で助言を与え、その者を操る形でこのゲームに参加している神もいる。
「まぁ前者タイプの神がカオスであり、後者タイプの神がダイン王が崇拝するアレス神ということになるだろうな。
そして、悪魔王サタンの背後にいる邪神もこの後者タイプだと思う」
「え……、っていうことは悪魔たちの進軍は神の暇つぶしによるもの?」
「おそらくね」
――そしてこの手のゲームを好まなさそうなカオスがゲームに参加しているわけや思惑もなんとなく想像できるわけだけど……
――それは今考えることじゃないな
クロムがゆっくりと解説することによって、この場にいるすべての者が状況を把握することができた。
神という存在はすべての生物にとって崇拝の対象である、信仰の度合いに差異こそあるが。
今の状況を把握・理解するということは、その崇拝の対象である神がこの大陸を大混乱に陥れようとしているということを知ってしまうことでもあった。
しかもその理由が『暇つぶし』である。
「さて、みんなが困惑することが分かった上でこんなことを丁寧に説明したのは理由がある。」
「だろうな、何が目的じゃ?」
「単刀直入に言う、ミレストンという街を俺にくれ。
そして俺はミレストンで都市国家樹立を宣言する、ダインは街の譲渡とそこでの建国を認めてくれ」
「そんなこと認めれるわけないじゃろうが、バカバカしい」
「だろうな、でもマジで言っている。
ミレストンはサタンが上陸する予定地だ、これはバロンがサタンに上陸拠点として報告をいれているからな。
そして、その悪魔どもの相手を俺にやらせろってことだよ」
「ワシにも面子がある、はいそうですかとは言えぬ」
「そういうと思ってこないだの決闘の勝者の権利を使ってなかったわけだが……
獣王ダインよ、決闘の勝者の権利としてミレストンの譲渡を望む」
「…… わかった。
しかし建国は認められぬ、カロライン王国と聖セイクリッド神国との協定に反することにもなる」
3国間ではお互いに不可侵・不干渉の協定とともに新興国が誕生してロンダルディア大陸内のバランスを崩壊させないように新興国の建国を承認しないようにするという協定も結んでいたのであった。
ゆえに諦めろと言わんばかりの表情をするダイン王。
しかしクロムはそれを気にする様子もなく、カルロに問いかけるのであった。
30
あなたにおすすめの小説
平凡なサラリーマンが異世界に行ったら魔術師になりました~科学者に投資したら異世界への扉が開発されたので、スローライフを満喫しようと思います~
金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
夏井カナタはどこにでもいるような平凡なサラリーマン。
そんな彼が資金援助した研究者が異世界に通じる装置=扉の開発に成功して、援助の見返りとして異世界に行けることになった。
カナタは準備のために会社を辞めて、異世界の言語を学んだりして準備を進める。
やがて、扉を通過して異世界に着いたカナタは魔術学校に興味をもって入学する。
魔術の適性があったカナタはエルフに弟子入りして、魔術師として成長を遂げる。
これは文化も風習も違う異世界で戦ったり、旅をしたりする男の物語。
エルフやドワーフが出てきたり、国同士の争いやモンスターとの戦いがあったりします。
第二章からシリアスな展開、やや残酷な描写が増えていきます。
旅と冒険、バトル、成長などの要素がメインです。
ノベルピア、カクヨム、小説家になろうにも掲載
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
序盤でざまぁされる人望ゼロの無能リーダーに転生したので隠れチート主人公を追放せず可愛がったら、なぜか俺の方が英雄扱いされるようになっていた
砂礫レキ
ファンタジー
35歳独身社会人の灰村タクミ。
彼は実家の母から学生時代夢中で書いていた小説をゴミとして燃やしたと電話で告げられる。
そして落ち込んでいる所を通り魔に襲われ死亡した。
死の間際思い出したタクミの夢、それは「自分の書いた物語の主人公になる」ことだった。
その願いが叶ったのか目覚めたタクミは見覚えのあるファンタジー世界の中にいた。
しかし望んでいた主人公「クロノ・ナイトレイ」の姿ではなく、
主人公を追放し序盤で惨めに死ぬ冒険者パーティーの無能リーダー「アルヴァ・グレイブラッド」として。
自尊心が地の底まで落ちているタクミがチート主人公であるクロノに嫉妬する筈もなく、
寧ろ無能と見下されているクロノの実力を周囲に伝え先輩冒険者として支え始める。
結果、アルヴァを粗野で無能なリーダーだと見下していたパーティーメンバーや、
自警団、街の住民たちの視線が変わり始めて……?
更新は昼頃になります。
Shining Rhapsody 〜神に転生した料理人〜
橘 霞月
ファンタジー
異世界へと転生した有名料理人は、この世界では最強でした。しかし自分の事を理解していない為、自重無しの生活はトラブルだらけ。しかも、いつの間にかハーレムを築いてます。平穏無事に、夢を叶える事は出来るのか!?
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
異世界に転生したら?(改)
まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。
そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。
物語はまさに、その時に起きる!
横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。
そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。
◇
5年前の作品の改稿板になります。
少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。
生暖かい目で見て下されば幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる