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7章.神々の思惑編
122話.次元が違う
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クロムは自身に降りかかった不測の事態を理解することができずに、ただただ困惑することしかできなかった。
創造神の放った風の刃を別次元に消し去ったと思った瞬間に、自分の右肩から血が噴き出したということの意味を全く理解できないのだった。
そして、そんなクロムに追い打ちをかけるように創造神の声がこの場に響く。
『心底ガッカリしたぞ、仮にも精霊王を倒したものがここまで弱いとは想像もできなかったわ』
「……」
そんな創造神の言葉を上の空で聞いていたクロム。
全くクロムが何の反応もできないでいると、カオスが話し始めた。
『君はまだ空間術の極意を理解できていない、でもそれは空間神である僕の落ち度でもある。
空間術の極意を理解できてない君は、それを理解している僕や僕の師匠でもある創造神を空間術で上回ることができない。
そしてそれは空間術の使い手同士の戦いにおいて致命的なこととなる』
「……」
『興が削がれた、もはや消し去る価値すら感じぬ。
カオスよ、我を楽しませるためにその弱者を育ててみせよ。
我は待つことに飽きたら改めて消しに来る、それまでに精々必死にあがくのだな』
創造神はそこまで言うと、そのまま姿を消した。
この場に残されたクロムはただ茫然と立ち尽くすしかなかった。
あまりにも次元が違う存在、そしてその存在に徹底的に見下された上に見逃された。
混乱と屈辱と…… 様々な感情が渦巻き、クロムは動けないのであった。
『クロム…… 理解が追い付かないのはわかる、だけど時間がないから落ち着くのを待ってあげられない』
そしてカオスはクロムを諭すように状況の説明、カオスと創造神の関係、今後の話を始める。
カオスと創造神の関係を説明始める頃には、ある程度落ち着きを取り戻したクロムは、気になっていたことを質問した。
「さっきの会話で<僕の師匠でもある創造神>と言っていた記憶があるんだが、聞き間違いだったか?」
『ううん、あってるよ。
創造神は僕を生み出した父親であると同時に、僕に空間術の全てを教えて僕を空間神にした存在、ということだよ』
「はぁ!??」
『創造神に生み出された神々にとって、創造神は師匠にあたる存在なんだよ。
生み出された神々は、創造神から教えを受けることによって、それぞれの物を司る神になれるだけの知識と能力を手にした』
「聞いてる限りでは…… 創造神って全知全能に聞こえるんだが……」
『少なくとも本人はそうだと言ってたね』
「……そんな創造神に勝つことって可能なのか?」
『空間術というのは特別なものなんだ、実際僕は創造神以外の神に負けることはあり得ない。
それに君も体感してたはずだよ、空間術を使えるものは空間術を使えないものに負けるということはあり得ないと。
まぁ負けないけど勝てもしないというのはあり得るけどね、君が神になる前では精霊王に勝てなかったようにね』
「空間術の極意を掴まなければ創造神と戦う資格すらないってことか……」
『そうとも言えるね。
本当は精霊王を退けたあとに特訓してもらう予定だったんだけど、まさか創造神のほうからくるとは思ってなかったよ。
見逃してもらえたことを幸運として、今のうちに空間術を極めてもらうよ』
「それしかなさそうだな……
で、どんな試練? 特訓? をすればいいんだ??」
『それは単純だよ、僕が君と同化する前に作っておいた次元の狭間にある次元牢に入ってもらう。
そこから無事に脱出できれば試練クリアだよ』
「そんなことだけでいいのか?」
『簡単そうに考えてるみたいだけど、今の君のままでは絶対に脱出できないよ?
空間術の極意を理解した上で、僕以上の強度の空間術を使えるようにならないといけないからね』
「……
カオスを超えなければ、創造神に対抗できるわけがない…… ということか」
軽い口調のカオスの言葉がクロムの頭の中で響く中、クロムの肉体は光に包まれて消えるのであった。
創造神の放った風の刃を別次元に消し去ったと思った瞬間に、自分の右肩から血が噴き出したということの意味を全く理解できないのだった。
そして、そんなクロムに追い打ちをかけるように創造神の声がこの場に響く。
『心底ガッカリしたぞ、仮にも精霊王を倒したものがここまで弱いとは想像もできなかったわ』
「……」
そんな創造神の言葉を上の空で聞いていたクロム。
全くクロムが何の反応もできないでいると、カオスが話し始めた。
『君はまだ空間術の極意を理解できていない、でもそれは空間神である僕の落ち度でもある。
空間術の極意を理解できてない君は、それを理解している僕や僕の師匠でもある創造神を空間術で上回ることができない。
そしてそれは空間術の使い手同士の戦いにおいて致命的なこととなる』
「……」
『興が削がれた、もはや消し去る価値すら感じぬ。
カオスよ、我を楽しませるためにその弱者を育ててみせよ。
我は待つことに飽きたら改めて消しに来る、それまでに精々必死にあがくのだな』
創造神はそこまで言うと、そのまま姿を消した。
この場に残されたクロムはただ茫然と立ち尽くすしかなかった。
あまりにも次元が違う存在、そしてその存在に徹底的に見下された上に見逃された。
混乱と屈辱と…… 様々な感情が渦巻き、クロムは動けないのであった。
『クロム…… 理解が追い付かないのはわかる、だけど時間がないから落ち着くのを待ってあげられない』
そしてカオスはクロムを諭すように状況の説明、カオスと創造神の関係、今後の話を始める。
カオスと創造神の関係を説明始める頃には、ある程度落ち着きを取り戻したクロムは、気になっていたことを質問した。
「さっきの会話で<僕の師匠でもある創造神>と言っていた記憶があるんだが、聞き間違いだったか?」
『ううん、あってるよ。
創造神は僕を生み出した父親であると同時に、僕に空間術の全てを教えて僕を空間神にした存在、ということだよ』
「はぁ!??」
『創造神に生み出された神々にとって、創造神は師匠にあたる存在なんだよ。
生み出された神々は、創造神から教えを受けることによって、それぞれの物を司る神になれるだけの知識と能力を手にした』
「聞いてる限りでは…… 創造神って全知全能に聞こえるんだが……」
『少なくとも本人はそうだと言ってたね』
「……そんな創造神に勝つことって可能なのか?」
『空間術というのは特別なものなんだ、実際僕は創造神以外の神に負けることはあり得ない。
それに君も体感してたはずだよ、空間術を使えるものは空間術を使えないものに負けるということはあり得ないと。
まぁ負けないけど勝てもしないというのはあり得るけどね、君が神になる前では精霊王に勝てなかったようにね』
「空間術の極意を掴まなければ創造神と戦う資格すらないってことか……」
『そうとも言えるね。
本当は精霊王を退けたあとに特訓してもらう予定だったんだけど、まさか創造神のほうからくるとは思ってなかったよ。
見逃してもらえたことを幸運として、今のうちに空間術を極めてもらうよ』
「それしかなさそうだな……
で、どんな試練? 特訓? をすればいいんだ??」
『それは単純だよ、僕が君と同化する前に作っておいた次元の狭間にある次元牢に入ってもらう。
そこから無事に脱出できれば試練クリアだよ』
「そんなことだけでいいのか?」
『簡単そうに考えてるみたいだけど、今の君のままでは絶対に脱出できないよ?
空間術の極意を理解した上で、僕以上の強度の空間術を使えるようにならないといけないからね』
「……
カオスを超えなければ、創造神に対抗できるわけがない…… ということか」
軽い口調のカオスの言葉がクロムの頭の中で響く中、クロムの肉体は光に包まれて消えるのであった。
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