15 / 73
乱入者
しおりを挟む
12月3日。私の16歳の誕生日に念願の商会を設立する。
私を必要としてくれる人たちと一緒に育て上げる。
この数年間の使用人生活と、別宅との二重生活のおかげで今までの生活では経験できなかったことをたくさん経験することが出来た。
苦しくて、悲しいことが大半だったけど、レイと出会ってから本当に毎日が楽しくて幸せだった。
行動したら未来が変わる。
これは本当だった。
そして、明日がいよいよ設立当日。
だから、私は今日と明日はお休みになるようにして、別宅で過ごしている。
明日から劇も始まるし、リハーサルも大詰めなため、午後から最終チェックにいく予定だ。
(レイにも早く会いたいなあ。マルシェも搬入が始まってるし、楽しみ~)
と、ウキウキと着替えをしていたところ、何やら下の階が騒がしいことに気がついた。
レイは外出していて不在だし、マリアとダニエルが訪問者の対応をしているはずだ。
私は孤児院に行くため町娘スタイルに着替え、様子を見に行くことにした。
あまり目立たないように階段をおりると、玄関でド派手な令嬢とその従者か護衛と思われる人物がマリアと押し問答していた。
(身なりからして、かなり高位貴族のご令嬢ね。私よりは年上かな?)
プラチナブロンドの緩いウェーブのかかった髪はよく手入れされており、グレーの瞳にはその力強さが半端なかった。一言で言うならば、ド派手令嬢!
(……うっ。すごーく苦手なタイプだなあ)
見るからに我が儘で傲慢さを絵にかいたような人物だった。
「……申し訳ございませんが、お約束のない方をお通しする訳にはいきません。お引き取り下さい。」
「もう、あなたじゃ話にならないわ!この館にレイはいるんでしょ?さっさと出しなさいよ!」
(ひー!いつかありそうと思ってたけど、レイの知り合い?婚約者とか?)
……私ならあんな婚約者なら全力で逃げるな。
レイを出せを連呼するご令嬢。
さて、どうしよう?
この人物が誰か知りたいような知りたくないような?
階段の折り返し地点に潜みながら、玄関でのやりとりを見守る。ふとマリアが視線を投げてきた。
私はいいよの意味を込めて頷く。
すると、マリアは私の意図を汲み、応接室へ案内を始めた。
私は急いで下におり、エプロンをするとお茶の準備を始めた。
メイドに扮して、話を聞いちゃう作成、決行!
手際よくティーセットを準備し、お茶菓子もセットしてワゴンを押す。ビバ、使用人生活っ!
応接室の扉をノックする。
「お茶をお持ち致しました」
私は扉を開け一礼すると、ワゴンを押して入る。
「……紅茶を準備させて頂きます。香り高いアールグレイと、お茶菓子は領内産のオレンジを使いましたマドレーヌでございます」
マリアも少し離れたところに待機している。
私はサーブし終わるとワゴンを邪魔にならない位置まで下げ、そこで待機した。
「……ありがとう。突然押し掛けてごめんなさいね。レイは私の婚約者なの。怪我をしたところを助けて頂いたそうね?お礼を言うわ」
突然、ド派手令嬢が話始めた。
マリアが返答するかと様子を伺ったけど、私に振るので仕方ないから私が対応することにする。
「とんでもございません。敷地内に倒れていらっしゃたのを当館の主が見つけ、保護させて頂きました。」
「そうだったのね。ありがとう。ところでレイは?本当にいないのかしら?」
「……レイ様は外出されております」
「そう。なら、悪いけれど、話があるから少し待たせて頂くわ。構わなくて?」
「……かしこまりました。私たちはこちらにおりますので、何かございましたらお申し付けください」
異母妹とは少し異なるタイプだが、我が儘放題なザ貴族令嬢のド派手令嬢。
(わかるなあ、レイが逃げたくなるの……)
絶対に結婚したら大変なタイプ、だ。
しかし、突然押し掛けてきて何の用なんだろうか。
分かるわけないけど。
(レイ、とりあえず早く帰ってきて……!)
というか、やっぱりレイには婚約者いるよねぇ。
あーあ。
誕生日前日に知りたくなかった事実だわ。
……初恋、無惨に散る?
そんなことを考えていたら、玄関に気配がした。
私を必要としてくれる人たちと一緒に育て上げる。
この数年間の使用人生活と、別宅との二重生活のおかげで今までの生活では経験できなかったことをたくさん経験することが出来た。
苦しくて、悲しいことが大半だったけど、レイと出会ってから本当に毎日が楽しくて幸せだった。
行動したら未来が変わる。
これは本当だった。
そして、明日がいよいよ設立当日。
だから、私は今日と明日はお休みになるようにして、別宅で過ごしている。
明日から劇も始まるし、リハーサルも大詰めなため、午後から最終チェックにいく予定だ。
(レイにも早く会いたいなあ。マルシェも搬入が始まってるし、楽しみ~)
と、ウキウキと着替えをしていたところ、何やら下の階が騒がしいことに気がついた。
レイは外出していて不在だし、マリアとダニエルが訪問者の対応をしているはずだ。
私は孤児院に行くため町娘スタイルに着替え、様子を見に行くことにした。
あまり目立たないように階段をおりると、玄関でド派手な令嬢とその従者か護衛と思われる人物がマリアと押し問答していた。
(身なりからして、かなり高位貴族のご令嬢ね。私よりは年上かな?)
プラチナブロンドの緩いウェーブのかかった髪はよく手入れされており、グレーの瞳にはその力強さが半端なかった。一言で言うならば、ド派手令嬢!
(……うっ。すごーく苦手なタイプだなあ)
見るからに我が儘で傲慢さを絵にかいたような人物だった。
「……申し訳ございませんが、お約束のない方をお通しする訳にはいきません。お引き取り下さい。」
「もう、あなたじゃ話にならないわ!この館にレイはいるんでしょ?さっさと出しなさいよ!」
(ひー!いつかありそうと思ってたけど、レイの知り合い?婚約者とか?)
……私ならあんな婚約者なら全力で逃げるな。
レイを出せを連呼するご令嬢。
さて、どうしよう?
この人物が誰か知りたいような知りたくないような?
階段の折り返し地点に潜みながら、玄関でのやりとりを見守る。ふとマリアが視線を投げてきた。
私はいいよの意味を込めて頷く。
すると、マリアは私の意図を汲み、応接室へ案内を始めた。
私は急いで下におり、エプロンをするとお茶の準備を始めた。
メイドに扮して、話を聞いちゃう作成、決行!
手際よくティーセットを準備し、お茶菓子もセットしてワゴンを押す。ビバ、使用人生活っ!
応接室の扉をノックする。
「お茶をお持ち致しました」
私は扉を開け一礼すると、ワゴンを押して入る。
「……紅茶を準備させて頂きます。香り高いアールグレイと、お茶菓子は領内産のオレンジを使いましたマドレーヌでございます」
マリアも少し離れたところに待機している。
私はサーブし終わるとワゴンを邪魔にならない位置まで下げ、そこで待機した。
「……ありがとう。突然押し掛けてごめんなさいね。レイは私の婚約者なの。怪我をしたところを助けて頂いたそうね?お礼を言うわ」
突然、ド派手令嬢が話始めた。
マリアが返答するかと様子を伺ったけど、私に振るので仕方ないから私が対応することにする。
「とんでもございません。敷地内に倒れていらっしゃたのを当館の主が見つけ、保護させて頂きました。」
「そうだったのね。ありがとう。ところでレイは?本当にいないのかしら?」
「……レイ様は外出されております」
「そう。なら、悪いけれど、話があるから少し待たせて頂くわ。構わなくて?」
「……かしこまりました。私たちはこちらにおりますので、何かございましたらお申し付けください」
異母妹とは少し異なるタイプだが、我が儘放題なザ貴族令嬢のド派手令嬢。
(わかるなあ、レイが逃げたくなるの……)
絶対に結婚したら大変なタイプ、だ。
しかし、突然押し掛けてきて何の用なんだろうか。
分かるわけないけど。
(レイ、とりあえず早く帰ってきて……!)
というか、やっぱりレイには婚約者いるよねぇ。
あーあ。
誕生日前日に知りたくなかった事実だわ。
……初恋、無惨に散る?
そんなことを考えていたら、玄関に気配がした。
88
あなたにおすすめの小説
狂おしいほど愛しています、なのでよそへと嫁ぐことに致します
ちより
恋愛
侯爵令嬢のカレンは分別のあるレディだ。頭の中では初恋のエル様のことでいっぱいになりながらも、一切そんな素振りは見せない徹底ぶりだ。
愛するエル様、神々しくも真面目で思いやりあふれるエル様、その残り香だけで胸いっぱいですわ。
頭の中は常にエル様一筋のカレンだが、家同士が決めた結婚で、公爵家に嫁ぐことになる。愛のない形だけの結婚と思っているのは自分だけで、実は誰よりも公爵様から愛されていることに気づかない。
公爵様からの溺愛に、不器用な恋心が反応したら大変で……両思いに慣れません。
取り巻き令嬢Aは覚醒いたしましたので
モンドール
恋愛
揶揄うような微笑みで少女を見つめる貴公子。それに向き合うのは、可憐さの中に少々気の強さを秘めた美少女。
貴公子の周りに集う取り巻きの令嬢たち。
──まるでロマンス小説のワンシーンのようだわ。
……え、もしかして、わたくしはかませ犬にもなれない取り巻き!?
公爵令嬢アリシアは、初恋の人の取り巻きA卒業を決意した。
(『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)
悪女と呼ばれた王妃
アズやっこ
恋愛
私はこの国の王妃だった。悪女と呼ばれ処刑される。
処刑台へ向かうと先に処刑された私の幼馴染み、私の護衛騎士、私の従者達、胴体と頭が離れた状態で捨て置かれている。
まるで屑物のように足で蹴られぞんざいな扱いをされている。
私一人処刑すれば済む話なのに。
それでも仕方がないわね。私は心がない悪女、今までの行いの結果よね。
目の前には私の夫、この国の国王陛下が座っている。
私はただ、
貴方を愛して、貴方を護りたかっただけだったの。
貴方のこの国を、貴方の地位を、貴方の政務を…、
ただ護りたかっただけ…。
だから私は泣かない。悪女らしく最後は笑ってこの世を去るわ。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ ゆるい設定です。
❈ 処刑エンドなのでバットエンドです。
結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた
夏菜しの
恋愛
幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。
彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。
そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。
彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。
いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。
のらりくらりと躱すがもう限界。
いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。
彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。
これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?
エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。
妹に全てを奪われた令嬢は第二の人生を満喫することにしました。
バナナマヨネーズ
恋愛
四大公爵家の一つ。アックァーノ公爵家に生まれたイシュミールは双子の妹であるイシュタルに慕われていたが、何故か両親と使用人たちに冷遇されていた。
瓜二つである妹のイシュタルは、それに比べて大切にされていた。
そんなある日、イシュミールは第三王子との婚約が決まった。
その時から、イシュミールの人生は最高の瞬間を経て、最悪な結末へと緩やかに向かうことになった。
そして……。
本編全79話
番外編全34話
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
拝啓、愛しの侯爵様~行き遅れ令嬢ですが、運命の人は案外近くにいたようです~
藤原ライラ
恋愛
心を奪われた手紙の先には、運命の人が待っていた――
子爵令嬢のキャロラインは、両親を早くに亡くし、年の離れた弟の面倒を見ているうちにすっかり婚期を逃しつつあった。夜会でも誰からも相手にされない彼女は、新しい出会いを求めて文通を始めることに。届いた美しい字で洗練された内容の手紙に、相手はきっとうんと年上の素敵なおじ様のはずだとキャロラインは予想する。
彼とのやり取りにときめく毎日だがそれに難癖をつける者がいた。幼馴染で侯爵家の嫡男、クリストファーである。
「理想の相手なんかに巡り合えるわけないだろう。現実を見た方がいい」
四つ年下の彼はいつも辛辣で彼女には冷たい。
そんな時キャロラインは、夜会で想像した文通相手とそっくりな人物に出会ってしまう……。
文通相手の正体は一体誰なのか。そしてキャロラインの恋の行方は!?
じれじれ両片思いです。
※他サイトでも掲載しています。
イラスト:ひろ様(https://xfolio.jp/portfolio/hiro_foxtail)
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる