スキル『倍加』でイージーモードな異世界生活

怠惰怠man

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冒険者ギルド

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「まず冒険者ギルドの加入については先程行っていただいた手続きのみで試験などはございません。
冒険者の主な依頼は魔物討伐ですが、街の人の依頼から国からの依頼まで豊富な依頼があるので、自分に適した依頼を見つけるのが重要です」

「なるほど」

「それから、冒険者と依頼にはランクがあり、S級からF級までの7段階に分かれています。昇級には一定回数の依頼達成と昇級試験の合格が必要になります。
自分のランク以下の依頼しか受けることが出来ないので、ぜひ昇級を目指して頑張ってくださいね」

「はい、頑張ります」

「C級までの冒険者は3ヶ月に1回は依頼を達成しないと冒険者資格が剥奪されてしまうので、気をつけてくださいね。
あと、ギルドカードを紛失した場合は再発行に10ダルト必要になるので大切に保管してください」

「わかりました」

10ダルトはよく分からないが、この国の通貨の事だろうか。

「以上でギルドの説明は終了ですが、何か質問はございますか?」

「各ランクの冒険者のレベルが知りたいです」

ここでこの世界における自分の強さがどの程度か理解しておきたい。俺の場合は倍加を使っているからレベル換算したら9ぐらいの強さだろう。

「おおまかな説明になりますが、F級冒険者で1~5レベル、D,E級冒険者で5~20レベル、B,C級冒険者は20~49レベル、S,A級冒険者は50レベル以上といった感じですね」

「なるほど、ありがとうございます」

つまり、俺の強さはE級冒険者ぐらいって事だな。質問したついでに、門番が言っていた神授の儀式についても聞いてみるか。

「冒険者ギルドとは関係ないのですが、街に来たばかりで詳しくは知らないので神授の儀式について教えてもらえますか?」

「あら、まだ儀式を受けていなかったのですね。神授の儀式は神様から1度だけ職業とスキルを授けてもらう事が出来る儀式で、場所は神殿で行われています。
日中に行けば儀式は受けさせてもらえるから、明日にでも行ってみてください」

「ありがとうございます。早速、明日行ってみます」

職業とスキルを授けてもらえるとは、この世界はイージーモードだな。勇者とか魔王とか授けられたらどうしようか。

「あっ、ギルドカードの発行が終わったみたいです。こちらがハナダさんのギルドカードです」

銅で出来たカードにFという文字と名前が書かれていた。

「それと、ホーンラビットの買い取りでしたね。常設依頼にホーンラビット討伐があるので、その依頼を達成した扱いにしますね」

「お願いします」

俺は肩掛け鞄に手を入れて、アイテムボックスからホーンラビットを取り出す。

「3匹ですか。結構多いですね」

「街に来る途中にたまたま倒せました。スライムの核もあるんですが、そっちも買い取りできますか?」

「はい、そちらも討伐依頼として処理しますね」

「ありがとうございます」

今度はポケットに手を入れてアイテムボックスから核を取り出す。

ジャラジャラ

「お、多いですね…。数は32個ですね。ホーンラビットとスライムの討伐報酬が47ダルトになります。そしてホーンラビットと核の売却総額が92ダルトですね。まとめてのお支払いでよろしいですか?」

「はい、お願いします」

結構稼げた気がするな。

「お待たせしました。こちら139ダルトになります」

確認を促されたので渡された袋の中身を見てみると、銀貨が1枚と銅貨が39枚入っていた。

「ハナダさんはこの街に来たばかりだと伺いましたが、もう宿はお決まりですか?」

「いや、まだどこに宿があるかも分かっていない状態です」

「でしたら、ギルド直営の宿に泊まられるのはいかがでしょう。ギルドカードを持っていれば他の宿より安く泊まれるのでオススメですよ」

良い情報を聞いた。言われた通りギルド直営の宿に泊まることにした。

「いらっしゃい、アンタ新米冒険者だね。ギルドカードを見せな…よし、銅貨5枚で部屋を用意するよ。追加で1枚払えば夕食をつけるがどうする?」

「夕食付きでお願いします」

銅貨6枚を前払いして部屋の鍵と夕食の引換券をもらった。早速、夕食を食べた。異世界初の食事は良く言えば素朴な味だった。
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