スキル『倍加』でイージーモードな異世界生活

怠惰怠man

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神授の儀式

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昨日は夕食を食べた後、すぐに眠ってしまった。異世界転移初日で疲れていたんだろう。

「そういえば、鞄にお金入れたまんまだったな。」

独り言を呟きながら、鞄から取り出したお金をアイテムボックスに入れておく。

「あれ?消えた?」

格子の1枠に収まると思っていたお金が収まらなかった。よく見るとアイテムボックスの右上に所持金の項目が増えていた。

ーーーーーーーーーー
所持金 133ダルト
ーーーーーーーーーー

「これは視覚的に分かりやすくて助かるな」

今やることもないので部屋から出て朝食を食べに行く。昨日夕食を食べた食堂が開いていたので行ってみた。

「おや、早起きだね。朝ごはん食べに来たのかい?それなら3ダルトだけど、今日もこの宿に泊まるなら1ダルトでいいよ」

今は無駄遣い出来る余裕がないので、宿代と朝食代の6ダルトをポケットから取り出して支払った。
異世界初の朝食は、スープとパンとサラダと小さめの肉というメニューで昨日の夕食と同じだった。

「ご馳走様でした」

今日は昼頃に神殿で神授の儀式を受けるが、それまで時間があるな。服が1着しかないのは不衛生だから買いに行くか。

早速、宿を出て服屋を探す。さほど時間をかけずに見つけた服屋で服、ズボン、下着を3着購入した。代金は75ダルトだった。

ーーーーーーーーーー
所持金 58ダルト
ーーーーーーーーーー

「結構減ったな」

また魔物討伐をしなくては行けない。まだ昼までには時間があるから神殿に向かいつつ色んな店を見て1ダルトの価値がどんなものか確認しよう。

服とズボンがそれぞれ10ダルト。下着は5ダルト。露店で見た食べ物は3~5ダルトが多い。

1ダルトは日本円で100円ぐらいの価値だろうか。だとすれば、ギルド直営の宿は安すぎるな。

そんなことを考えながら歩いていると神殿に到着した。

「おぉ~」

イメージ通りの神殿で感動した。

中に入ると俺と同じかもう少し若く見える男女が数人イスに座っていた。俺も同じように座って待っていると、

「お待たせしました。今から神授の儀式をはじめます。」

神父が出てきて儀式の開始を告げた。まずは、神授の儀式の説明をするらしい。

「神授の儀式とはその名の通り、神様が私たちに職業とスキルを授けてくださる儀式の事です。
ここで授かる職業とスキルは才能などとは関係がなく、無作為に選ばれて授けられます。なので、他の人と比べて自分を卑下したり、また他人に傲慢に振る舞うなどの行為をしてはいけません」

よくある異世界モノの、自分は雑魚スキルで幼馴染が最強スキルを授かって非道な扱いを受ける様な事は起こらなさそうだな。

「そして自分が求めていたスキルを得られなかったからといって、夢を諦めるといったこともないようにお願いします。神様が授けてくださるのは手助けであって、あなた達の将来を決定することではありません。
職業やスキルは後から手に入れる事も可能なので、諦めずに夢に向かって邁進してください」

良いこと言うな、この神父。あと、職業とスキルって後から手に入るんだな。

「長々とした説明はここまでで早速神授の儀式を始めます。皆さんはそのまま座っていてください」

神父は天に向かって祈り始めた。すると神父の前に置かれていた水晶が光り輝く。

「これで神授の儀式は終わりです。自分が授かった職業やスキルが知りたい方は、別室で鑑定の魔道具を準備しているのでこちらへどうぞ。自分で確認可能な方はお帰りいただいて構いません」

随分とあっさり終わってしまった。1人1人水晶に手を翳して職業とスキルが発表されるとか、水晶の輝きで職業とスキルの強さが分かるとか無いんだな。
まぁいいや、早速ステータスボードで確認するか。

ーーーーーーーーーー
ウメ・ハナダ Lv 4
武道家 Lv1
人間 Lv1
HP:180
MP:40
攻撃力:13
防御力:13
魔力:8
精神力:8
素早さ:20
器用さ:8
運:5
SP:1
スキル:倍加、格闘、必要経験値1/2
ーーーーーーーーーー

結構いいんじゃないか?詳細な情報を見てみよう。

ーーーーーーーーーー
武道家・・・己の肉体を駆使して戦う職業。カウンターと回避が得意になり、スキル『格闘』を得る。

格闘・・・拳や蹴りを用いた多彩な技が習得可能。

必要経験値1/2・・・レベルアップに必要な経験値が2分の1になる。
ーーーーーーーーーー

職業武道家は当たりだな。今は武器を買うお金がないから体を武器にする武道家はちょうどいい。
格闘はまだよく分からないが使っていくうちに分かるだろう。
必要経験値1/2は名前の通りだな。

ん?ちょっと待てよ…?必要経験値1/2に倍加を使えば1/4になるんだろうか。2に集中して倍加したら1/4になるかもしれないな。

今はステータスに倍加を使った方が効果が高いが、先のことを考えると必要経験値1/2に倍加を使う事はメリットしかないな。思い立ったが吉日だ。やってみよう。

「倍加」

ーーーーーーーーーー
ウメ・ハナダ Lv 4
武道家 Lv1
人間 Lv1
HP:180
MP:40
攻撃力:13
防御力:13
魔力:8
精神力:8
素早さ:20
器用さ:8
運:5
SP:1
スキル:倍加、格闘、必要経験値1/2
ーーーーーーーーーー

「失敗か…?」

ステータスボードの表示が変わっていない。失敗したのなら仕方がない。SPを割り振ってステータスに倍加を使おう。職業が武道家になったから攻撃力が必要だな。SPを攻撃力に割り振った。

「倍加」

ーーーーーーーーーー
ウメ・ハナダ Lv 4
武道家 Lv1
人間 Lv1
HP:180
MP:40
攻撃力:14
防御力:13
魔力:8
精神力:8
素早さ:20
器用さ:8
運:5
SP:0
スキル:倍加、格闘、必要経験値1/2
ーーーーーーーーーー

「え?」

また失敗?…おかしい。昨日の倍加から24時間は経っているはずだ。何が原因で失敗したんだ?

もう一度ステータスをじっくりと確認した。すると、

ーーーーーーーーーー
必要経験値1/2・・・レベルアップに必要な経験値が4分の1になる。
ーーーーーーーーーー

スキル名は変わらずにスキルの説明文が変わっていた。
いや、分かりづらいなぁ!
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