幼なじみが変わる時

ruki

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「あっ・・・ぁあ・・・っ・・・あ・・・」

痛かったはずのそこは、入ったままだったために馴染んでしまったのか、まったく痛さを感じない。それどころか、痛さが無くなるとそこからは快感しか生まれず・・・。

「・・・ぁあん・・・んぁ・・・・・・」

何度も抽挿され、その度に身体に快感が走る。そしてその快感はさっきとは比べ物にならないくらい強い波となってオレを襲い、飲み込む。

まだ話の途中だったのに、そんなことは考えられないほどの快感に理性は霧散し、欲情だけに支配される。

「・・・他のアルファなんかに渡さない」

オレにがんがん腰を打ち付けながら、幼なじみが苦しそうに吐き捨てる。そしてさらにそのスピードを上げ、ぐっと腰を深く押し付ける。その瞬間、お腹がかっと熱くなる。

「ああっ・・・」

幼なじみから放たれたその熱は身体中に駆け巡り、オレの中を隅々まで満たしたいく。そしてオレは身体が整っていくのが分かった。

不協和音を鳴らしていた身体の調和が整い、正しい音を奏で始める。その瞬間のなんとも言えない快感が、しばらくオレの身体を支配する。そんなオレを幼なじみが抱きしめる。

「・・・渡さない。嫌われても憎まれてもいい。オレはお前を縛ってでも、ずっとオレのそばにおく」

ぎゅっと痛いくらいにオレを抱く幼なじみの背に、オレは手を伸ばす。

抜け切らない快感に頭がぼうっとするけど、ちゃんと言わないといけないと思った。

「いいよ。縛っても。だけど好きだから、縛らなくてもそばにいる。オレもお前のそばにいたい」

その言葉に、幼なじみは弾かれたようにオレを見る。その目が潤んでるように見えるのは、オレの目が涙に濡れているからか。

「だけど・・・他のアルファに抱かれるんだろ?」

「『治療』だよ」

好きで抱かれるわけじゃない。

「ずっと辛くて苦しくて、終わりも見えなくて。だからそれが終わるのなら、なんでもしたいって思ったんだ。でもいざ決まったら、嫌だって思った。知らないアルファになんて抱かれるのはやだ。するならお前がいいって。だけどお前はオレのこと幼なじみとしか思ってないのに、こんなこと言ったら困らせて悩ませてしまう。だから言えないと思ったんだ」

本当はオレのこと好きでいてくれてたけど。

「その時初めて分かったんだ。オレはお前が好きなんだって。ずっと分からなかったお前への『好き』な気持ちが、恋愛の意味の好きだって。でもそれが分かったのに、他のアルファとしなきゃいけなくて、それが悲しくて・・・」

泣いてたんだ。

「だけどお前が来てくれたからうれしい。好きって言ってくれて、ありがとう」

そう言うと幼なじみの顔が歪む。

「だけどお前、明後日・・・」

「しないよ。『治療』はキャンセル」

「え?」

「必要なくなった。だってほら・・・」

そう言ってオレは幼なじみと繋がったところに触れる。

「お前がしてくれたから、もうしなくていいんだ・・・」

そしてオレは、幼なじみの背に回した腕に力を込める。

「これからもオレは好きな人としたい。・・・してくれる?」

そう言うオレを幼なじみは抱き返してくれる。

「当たり前だ。他のやつなんかにはさせない」

そう言ってオレにキスしてくれた。

それから気持ちが盛り上がったオレたちはさらに『治療』を続け、オレは気絶するように眠ってしまった。

こんなにぐっすり眠ったのはいつぶりだろう。頭痛も吐き気もなく、すっきり気持ちよく目が覚めた。だけど起きてみたら親が共に揃っていて、しかも全てのことが解決していたのだ。オレが眠っている間に幼なじみが親と話し、これからの事を決めていたのだ。

なんと、オレが幼なじみといたしていた間、親は家にいたのだという。

ずっと寝込んでいたオレは曜日の感覚がなくて分からなかったのだけど、この日は土曜日で親は在宅中だったのだ。そりゃそうだろう。よくよく考えて見れば、朝からオレの連絡を待っていた幼なじみがコンビニに行くなんて、学校のある平日には出来ないし、訪れたオレの家には当然カギがかかっているのだから、オレの部屋まで来ることができたのはもちろん親が招き入れたからだ。

その事実に、オレの顔から火が吹いた。

『治療』を要するほど弱っているオメガの息子の元にアルファの幼なじみが入っていって何時間も出て来ず、しかも出てきたら息子は顔色もよくなって元気になっていた、なんて・・・。そこで何が行われているのかは火を見るより明らかで、それを部屋の外で親がずっと待っていたのだ。

は・・・恥ずかしいっ。

発情期の時も恥ずかしかったけど、そんなの比じゃないくらい恥ずかしい。しかも終わって部屋から出てきた幼なじみといろいろ決めたということは、オレたちの関係(恋人同士になったこと!)と無事にいたし終わり(恥ずかしいっ)、オレの体調が戻ったことを話したわけで・・・。

なんてことっ。

親のそう言う事情は知りたくないけど、自分の事情も知られたくない。なのに起きたら全部知られていた・・・。
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