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第13話 砂場と温泉
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「アルキさん、今日もお疲れ様でした!はい!今日も売れ残りで悪いけど!」
パン屋のトーカが笑顔で差し出した紙袋を受け取る。僕は三日に一度、ここで仕事をさせて貰っている。ラヴィがたまに拗ねるが「美味しいパンを持って帰る」と言うと少しだけ機嫌が治るのだ。
「いつもありがとうトーカ、凄い助かってるよ」
「お世話してる人達にお裾分けしてるんだっけ?残してても仕方ないから食べて貰ったほうが嬉しいよ」
三日に一度はパンの日、住人はみんな心待ちにしている日である。毎日でも良いのだが…そうすると仕事をしなければという使命感が出てしまう。今くらいのんびりしてもバチは当たらないだろう。
「そう言えばトーカってお風呂毎日入る?」
「えっ…!臭う!?やだ!毎日入ってるのに!」
トーカは僕の近くから飛び退き自分の身体をクンクンと嗅ぎながら答えた。
「いや、世話してる人の中にずっとお風呂入らない女の人がいてさ、ちょっと困る…というか気になってて…」
「え!?女の人!?どんな人!?」
「無気力で毎日良く分からない事をする人だよ…」
「なんだぁ…おばあちゃんかぁ…でもお風呂は入った方が良いと思う。不潔にしてると病気とかなるし」
元勇者様はおばあちゃんにされた。しかし訂正はしないでおこう。まぁ、特に訂正するほどの事でもない。
「なんとか入って欲しいんだけど良い案ない?」
「うーん…お風呂上がりの楽しみとか良いんじゃないかな。氷菓子とか」
「氷菓子か…氷菓子はスイーツだからいつでも食えるんだよな」
「何それ!羨ましい!」
そう?甘い物の他には栄養が詰まった土みたいな食べ物しかないとしても?
しかし無理矢理入らせるのも押し付けがましいよな。きっと病気にはかからないし本人が良しとするなら別に……。とりあえず様子見だな。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ただいまー」
「アルキ!おかえり!お土産は!?」
管理人室で首を長くして待っていたのだろう。ラヴィは僕に抱きつきパンを要求してくる。
「はい、どれが良い?」
「うーん…今日はこれ!お肉入ったやつ!」
ラヴィはミートパンを受け取り僕の膝の上で美味しそうに食べ始めた。
懐かれたもんだが引くほど可愛いので全てを許してしまいそう。僕は決してロリコンではないがね。
「食べたら遊ぶー」
「そうだね、今日は何しようか」
「ブランコ!!」
今日もか…確かにあれしか遊具が無いし、仕方ないのだけど。
「砂場とか出せない?」
管理システムに聞いて見ると無言…と言うことは…。
「アルキ、砂場って何?」
「行ってみれば分かる。じゃあ遊ぼうか」
「うん!」
ラヴィは僕の手を引き中庭まで走り出す。
「ちょっと!ラヴィ早いって!」
「早くしないと眠くなっちゃうよー!」
当たり前だがラヴィは子供の身体能力では無い、腕が千切れないのが不思議なほどのスピードで僕は中庭まで牽引されていった。
「わわっ!アルキ!何あれ!!」
「ちゃんと出来てるな、砂場」
雪だるまのような円を二つ足した枠の中に砂、近くにはバケツにスコップ、砂遊びにしか使わない魚や動物を模した型、水道まで完備されている。
「どうやって遊ぶの!?」
「これは…好きなように遊ぶんだよ。お山を作ったり川を流したり、頑張れば城が建つ!」
「お城!?お城作ろうよ!」
うん…最初はお山からだね、きっとお城は夢に出るくらい砂と見つめ合わないとできないから。
「まぁやってみようか」
…………………………。
「アルキ!もっと手を伸ばして!もうすぐ開通だよ!」
「もう限界…これ以上伸ばすには次の成長期を待たないと……」
結局最初は山を作り川を作り、型にはめて作った魚や貝殻でおままごとをし、数時間後大きな山にトンネルを通す事になった。
「あ…!アルキの手だ!」
僕の手の先が柔らかいラビィの手に触れ、ついに開通。これからきっとこの砂場の交易は栄え、国は発展していく事だろう。
「やったな!それにしてもラヴィの服泥だらけだな……」
「アルキだってドロドロー!」
ラヴィの白いワンピースは水を含んだ砂だらけ、僕も同様だ。
「続きはまた今度にしようか、お風呂入って着替えなきゃ」
「うん!アルキと一緒にお風呂入る!!」
ん?それはダメだろ。いや、子供だから保護者同伴じゃないと銭湯には入れないし……でもここ銭湯でもなんでもないしな。つまりダメだ。
「ラヴィは女の子なんだし僕は男だからダメだよ……」
「え~……ラヴィは別に良いのに…」
「妾も良いぞ!アルキ!」
急に上空から声が響き、スタっとコヨミが目の前に降り立った。
「うわっ!ビックリさせんなよ…」
「お主こそ今日はパンの日じゃろ!半裸で待っておったのに真竜と楽しそうに遊びおって!見ておったからな!ずーっと見ておったんじゃからな!!」
「見てたなら混ざれば良かったろ…」
「邪魔してはならんと思ったんじゃ!しかし一緒に風呂となれば話は別じゃ!」
一応空気は読んだのか?別に一緒に遊んでも良いのに……。
「いや…別に一緒には入らないよ…温泉じゃあるまいし」
「おんせん?おんせんって何?」
「なんじゃ真竜、知らんのか?温泉とは大きな風呂みたいなもんじゃ」
「ラヴィは知らないのにコヨミは知ってるんだな」
「ま、まあの!博識じゃから妾」
しかし温泉か、もしかして出てきたりしないかな。
「もしかして、温泉とか…出せたりする?」
管理システムの反応はない…もしかして…。
次の瞬間、ふと空気が揺れるような感覚が背中に走る。
「裏の方に何か出てきたね!」
「きっと温泉じゃろ、さぁ!行くのじゃ!」
本当に?言ってみるもんだ!
「おぉ…」
建物の裏に回ると銭湯のような建物、なにこれ…最高じゃないか…。
パン屋のトーカが笑顔で差し出した紙袋を受け取る。僕は三日に一度、ここで仕事をさせて貰っている。ラヴィがたまに拗ねるが「美味しいパンを持って帰る」と言うと少しだけ機嫌が治るのだ。
「いつもありがとうトーカ、凄い助かってるよ」
「お世話してる人達にお裾分けしてるんだっけ?残してても仕方ないから食べて貰ったほうが嬉しいよ」
三日に一度はパンの日、住人はみんな心待ちにしている日である。毎日でも良いのだが…そうすると仕事をしなければという使命感が出てしまう。今くらいのんびりしてもバチは当たらないだろう。
「そう言えばトーカってお風呂毎日入る?」
「えっ…!臭う!?やだ!毎日入ってるのに!」
トーカは僕の近くから飛び退き自分の身体をクンクンと嗅ぎながら答えた。
「いや、世話してる人の中にずっとお風呂入らない女の人がいてさ、ちょっと困る…というか気になってて…」
「え!?女の人!?どんな人!?」
「無気力で毎日良く分からない事をする人だよ…」
「なんだぁ…おばあちゃんかぁ…でもお風呂は入った方が良いと思う。不潔にしてると病気とかなるし」
元勇者様はおばあちゃんにされた。しかし訂正はしないでおこう。まぁ、特に訂正するほどの事でもない。
「なんとか入って欲しいんだけど良い案ない?」
「うーん…お風呂上がりの楽しみとか良いんじゃないかな。氷菓子とか」
「氷菓子か…氷菓子はスイーツだからいつでも食えるんだよな」
「何それ!羨ましい!」
そう?甘い物の他には栄養が詰まった土みたいな食べ物しかないとしても?
しかし無理矢理入らせるのも押し付けがましいよな。きっと病気にはかからないし本人が良しとするなら別に……。とりあえず様子見だな。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ただいまー」
「アルキ!おかえり!お土産は!?」
管理人室で首を長くして待っていたのだろう。ラヴィは僕に抱きつきパンを要求してくる。
「はい、どれが良い?」
「うーん…今日はこれ!お肉入ったやつ!」
ラヴィはミートパンを受け取り僕の膝の上で美味しそうに食べ始めた。
懐かれたもんだが引くほど可愛いので全てを許してしまいそう。僕は決してロリコンではないがね。
「食べたら遊ぶー」
「そうだね、今日は何しようか」
「ブランコ!!」
今日もか…確かにあれしか遊具が無いし、仕方ないのだけど。
「砂場とか出せない?」
管理システムに聞いて見ると無言…と言うことは…。
「アルキ、砂場って何?」
「行ってみれば分かる。じゃあ遊ぼうか」
「うん!」
ラヴィは僕の手を引き中庭まで走り出す。
「ちょっと!ラヴィ早いって!」
「早くしないと眠くなっちゃうよー!」
当たり前だがラヴィは子供の身体能力では無い、腕が千切れないのが不思議なほどのスピードで僕は中庭まで牽引されていった。
「わわっ!アルキ!何あれ!!」
「ちゃんと出来てるな、砂場」
雪だるまのような円を二つ足した枠の中に砂、近くにはバケツにスコップ、砂遊びにしか使わない魚や動物を模した型、水道まで完備されている。
「どうやって遊ぶの!?」
「これは…好きなように遊ぶんだよ。お山を作ったり川を流したり、頑張れば城が建つ!」
「お城!?お城作ろうよ!」
うん…最初はお山からだね、きっとお城は夢に出るくらい砂と見つめ合わないとできないから。
「まぁやってみようか」
…………………………。
「アルキ!もっと手を伸ばして!もうすぐ開通だよ!」
「もう限界…これ以上伸ばすには次の成長期を待たないと……」
結局最初は山を作り川を作り、型にはめて作った魚や貝殻でおままごとをし、数時間後大きな山にトンネルを通す事になった。
「あ…!アルキの手だ!」
僕の手の先が柔らかいラビィの手に触れ、ついに開通。これからきっとこの砂場の交易は栄え、国は発展していく事だろう。
「やったな!それにしてもラヴィの服泥だらけだな……」
「アルキだってドロドロー!」
ラヴィの白いワンピースは水を含んだ砂だらけ、僕も同様だ。
「続きはまた今度にしようか、お風呂入って着替えなきゃ」
「うん!アルキと一緒にお風呂入る!!」
ん?それはダメだろ。いや、子供だから保護者同伴じゃないと銭湯には入れないし……でもここ銭湯でもなんでもないしな。つまりダメだ。
「ラヴィは女の子なんだし僕は男だからダメだよ……」
「え~……ラヴィは別に良いのに…」
「妾も良いぞ!アルキ!」
急に上空から声が響き、スタっとコヨミが目の前に降り立った。
「うわっ!ビックリさせんなよ…」
「お主こそ今日はパンの日じゃろ!半裸で待っておったのに真竜と楽しそうに遊びおって!見ておったからな!ずーっと見ておったんじゃからな!!」
「見てたなら混ざれば良かったろ…」
「邪魔してはならんと思ったんじゃ!しかし一緒に風呂となれば話は別じゃ!」
一応空気は読んだのか?別に一緒に遊んでも良いのに……。
「いや…別に一緒には入らないよ…温泉じゃあるまいし」
「おんせん?おんせんって何?」
「なんじゃ真竜、知らんのか?温泉とは大きな風呂みたいなもんじゃ」
「ラヴィは知らないのにコヨミは知ってるんだな」
「ま、まあの!博識じゃから妾」
しかし温泉か、もしかして出てきたりしないかな。
「もしかして、温泉とか…出せたりする?」
管理システムの反応はない…もしかして…。
次の瞬間、ふと空気が揺れるような感覚が背中に走る。
「裏の方に何か出てきたね!」
「きっと温泉じゃろ、さぁ!行くのじゃ!」
本当に?言ってみるもんだ!
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