神様 なかなか転生が成功しないのですが大丈夫ですか

佐藤醤油

文字の大きさ
41 / 96
本編

8.1 シスコとゴン

しおりを挟む
 洗礼式が終わり、秋の収穫が始まる。猫の手も借りたいほどの忙しさ。3歳のこの身でも手伝える事があれば手伝おうと走り回っていた。
 街を回っていた時に、いじめられている子供を発見した。いじめられている子供はゴン。いじめているのはシスコのグループ。
「何をしている」
「シスコ様、長の子供です」
「なんだ、お前か。チビのくせに、少し口が達者になったからと俺様に口出しするとは。
そもそも、お前には関係ないだろう。これは、年長組の俺たちの問題だ」
「年上だろうと、皆で一人を相手にするのは見過ごせない」
「うるさいぞ、長の子供だからって、いい気になるな。
うちの父様は、前の長の弟だ。
長が亡くなった時にお前の父ちゃんが勝手に長になっただけだろう。
俺の父様を差し置いて長に収まったからって、お前までいい気になるなよ。
お前が偉そうにするんじゃない。うちの父親にはまだ長の権利が残されているんだ。
もちろん俺も後を継ぐ可能性がある。お前は年下なんだから、俺の言う事を聞いておけ。そうすれば、俺が長になった時に多少優遇してやる」

 うーん、こんな考え良いのか? まあ確かに騎士爵の継承権は残されている。僕が成人になる前に父上が死ぬと、もしかしたらシスコの父親が引き継ぐ可能性もあるにはある。その後、シスコに継がれるかどうかは解らないと思うのだが。それを今の段階からそれを言うのはどうだろう。

「シスコ、お前の言い分はある程度理解した。
とりあえず僕と無関係なゴンに対して口を出して欲しくないと言うのも解った。
だから、こうする。
ゴン、お前を護衛をして雇う。今からお前は僕の護衛だ、解ったな」
「何言ってるんだ、お前。だいたい、俺の事をシスコと呼び捨てにするんじゃねえよ。
年下のくせに。お前は俺の事をシスコ様と呼べ」
「シスコ、ゴンは僕の護衛になった。つまり関係者になった。
お前が手を出すなら、長の身内に手を出したのと一緒だ。退け」
「だから言ってるだろ、シスコ様だ。この3歳のチビが偉そうに。
俺はもう、魔法も使えるんだぞ。今の長よりも僕の方が優秀なんだ」
「そうか、だが今の長は僕の父上だ。反抗するなら反逆罪に問われるのはお前だ、シスコ。
もう一度言う、手を退け」
「シスコ様、やばいですよ。こいつ口が達者だし、ディーン様に告げ口されますよ。退きましょう」
「お前たちまで。くだらねえ。こんなガキの言う事なんか聞けるか。
ふふふ、そうだ。こんなガキ、ちょっと脅せば大人しくなるさ。
俺様の魔法を見て、ビビれば良いんだよ。ちょっと怪我したぐらいならばれねぇって」
「シスコ様、やばいですよ。ダメですって」
 いきなりシスコがブツブツと唱え始めた。初級の火魔法を気らしい。
「ゴン、仕事だ、シスコを抑えて口を塞げ。詠唱させるな」

 今までボーと立っていたゴンは命令されるとすぐさま動いた。素早い動きでシスコを抑え、倒しこみ口を押えた。
 同じ8歳にしても体格の大きいゴンに抑えられシスコは身動きができない。

 才能がある8歳児と言えど、魔法を習い始めたばかり、無詠唱での魔法はできない。そして詠唱をするならば口を塞げば魔法を使えないのは解っている。
 僕が魔法を使って反撃をすれば、大事故になる気がするので、ここで僕が魔法を使うのは自重した。 
「お前、大人を呼んで来い」
「は、はい」

しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

【完結】竜騎士の私は竜の番になりました!

胡蝶花れん
ファンタジー
ここは、アルス・アーツ大陸。  主に5大国家から成り立つ大陸である。  この世界は、人間、亜人(獣に変身することができる。)、エルフ、ドワーフ、魔獣、魔女、魔人、竜などの、いろんな種族がおり、また魔法が当たり前のように使える世界でもあった。  この物語の舞台はその5大国家の内の一つ、竜騎士発祥の地となるフェリス王国から始まる、王国初の女竜騎士の物語となる。 かくして、竜に番(つがい)認定されてしまった『氷の人形』と呼ばれる初の女竜騎士と竜の恋模様はこれいかに?! 竜の番の意味とは?恋愛要素含むファンタジーモノです。 ※毎日更新(平日)しています!(年末年始はお休みです!) ※1話当たり、1200~2000文字前後です。

転生少女の暇つぶし

叶 望
ファンタジー
水面に泡が浮上するように覚醒する。どうやら異世界の知識を持ったまま転生したらしい。 世界観や様々な物は知識として持っているものの、前世を生きていたはずの記憶はこれっぽっちも残っていない。 リズレット・レスターはレスター辺境伯爵家の長女だ。異世界の知識を持つリズレットは娯楽がろくにない世界で暇を持て余していた。 赤子なので当然ではあるもののそれは長い時間との戦いだ。時間を有意義に楽しく過ごしたい。その思いがリズレットを突き動かす原点となった。 ※他サイトにも投稿しています。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

【完結】辺境の魔法使い この世界に翻弄される

秋.水
ファンタジー
記憶を無くした主人公は魔法使い。しかし目立つ事や面倒な事が嫌い。それでも次々増える家族を守るため、必死にトラブルを回避して、目立たないようにあの手この手を使っているうちに、自分がかなりヤバい立場に立たされている事を知ってしまう。しかも異種族ハーレムの主人公なのにDTでEDだったりして大変な生活が続いていく。最後には世界が・・・・。まったり系異種族ハーレムもの?です。

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

処理中です...