神様 なかなか転生が成功しないのですが大丈夫ですか

佐藤醤油

文字の大きさ
58 / 96
本編

12.3  魔物襲撃

しおりを挟む
 崩れた塀に向かってオーガと生き残っているオーク、ゴブリンが寄ってくる。
 オークやゴブリンは魔法と矢で対応できているが、オーガはそれらがダメージを与える物では無いと舐めているようで、払う必要もない。ゆっくりとゆっくりと歩いてくる。
 一番近くに来たオーガーに猪を倒した上級火炎魔法を使ったが、表皮を焼いただけだった。ダメージが無い。
 かなり強い魔法耐性を持っている個体だ。
「おかしいな、オーガがあれほど魔法耐性を持っていると思えないのだけど」
「クリス様、火の耐性が強いだけではないですか。氷魔法を使ってみませんか」
「シスコ、僕だってなんでもできるわけじゃない。氷魔法が若干苦手なんだ。まあ良い、愚痴を言ってもしょうがない。やってみるか」
 上級氷魔法、”巨大な氷の槍”を一番手前に来たオーガに撃ち込んだ。
 すると、先ほどとは違い氷の槍はオーガーの腹を突き破った。その衝撃でよろける。すかさずそこにキシリカの氷魔法が撃ちこみ、倒れた。
「これはまずいな、効くけど、ちまちまと攻撃していると攻めらるぞ、それに上位個体は倒せない」
「共鳴魔法で攻撃しましょう」
「え、マジ。誰と」
「キリシカとラールが氷魔法の上級が使えます」
「わかった、じゃあキリシカからだ、次はラールだ準備しろ」
二人とも急いで魔力回復薬を一気に飲み干す。
「わかりました、行けます」
 キリシカが元気よく答えた。
「僕らは先に上位個体を叩く。他は残りのオーガを足止めしろ」
 キリシカが詠唱して、準備を始める。
「いつでも」
「じゃあ、合図をだせ、僕が合わせる」
「では、”巨大な氷の槍よ、敵を打ち抜け”」
 キリシカの最後の詠唱に合わせて、魔法を撃ち込む。
油断をしていたようでまともに攻撃を受けた。
「ぎゃおーーーー」
 上位個体が、膝をついた。さすがに1発で殺せるような敵ではないようだ。
 他のオーガは、他の人が氷魔法を撃ち込み徐々に体力を削っている。このまま任せるしかない。
「ラール、次行くぞ」
「はい」
「準備完了、”巨大な氷の槍よ、敵を打ち抜け”」
 ラールにタイミングを合わせて氷魔法を撃ち込む。
 さっきのキシリカの時よりも調子が良かった。魔法の効果が綺麗に重なり思ったよりも威力が強化できた。3度目の共鳴魔法でコツがつかめたかもしれない。
 オーガは防御態勢を取ったが、先ほどよりもさらに巨大な氷の槍がオーガの正面からぶつかった。大きな衝撃と叫び声が聞こえる。それでも倒せていないかもしれない。
 氷による影響か、白い霧が発生する。風魔法でそれを消すと瀕死のオーガが2体。さらに上位個体は動けず座っていた。手に武器は無く、顔は下を向いている。
 動くことさえできない状態なので、瞑想状態で自己再生を最大にしているのかもしれない。今がチャンスだ。
 兵士が剣を持って走りこむ。他の街から来ていた兵士も含めると20人。
 母上が兵士達全員に身体能力が向上する魔法、それに防御力を上げる魔法を使った。
「油断するな。チームで動け、チームでオーガの左右に回れ、まだ攻撃するなよ」
 4人が1チームとなって、左右に別れた。僕はゴンを連れて上位個体の後ろに回る。
「いいか、僕が魔法で後ろから心臓を突き破る、お前たちは左右、少し前から威嚇していろ
。攻撃はしなくても良い」
 後ろに回り込んだら、ゴンから短槍を受け取る。
 そーと近づき狙いを外さない所で止まる。槍を振りかぶる。身体強化を最強にあげ、力を貯める。槍にも魔力を込めて狙いをつける。オーガの心臓は胸の中央、肺の下あたり。狙いを定め、思いっきり槍を突き刺した。
「よし、やった」
 安堵したのか兵士が近づこうとした。
「ダメだ、こいつは上位個体だぞ。心臓がつぶれてもまだ生きているかもしれない。不用意に近づくな」
 声をかけたら足を止めた。僕に声にオーガが少し反応したような気がする。やはり油断ならない。
「ロープを持って来い、遠くから体をぐるぐる巻きにしろ」
 言われた兵士がロープを持って来て、ビクビクしながらロープでぐるぐるに巻いた。

しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

【完結】竜騎士の私は竜の番になりました!

胡蝶花れん
ファンタジー
ここは、アルス・アーツ大陸。  主に5大国家から成り立つ大陸である。  この世界は、人間、亜人(獣に変身することができる。)、エルフ、ドワーフ、魔獣、魔女、魔人、竜などの、いろんな種族がおり、また魔法が当たり前のように使える世界でもあった。  この物語の舞台はその5大国家の内の一つ、竜騎士発祥の地となるフェリス王国から始まる、王国初の女竜騎士の物語となる。 かくして、竜に番(つがい)認定されてしまった『氷の人形』と呼ばれる初の女竜騎士と竜の恋模様はこれいかに?! 竜の番の意味とは?恋愛要素含むファンタジーモノです。 ※毎日更新(平日)しています!(年末年始はお休みです!) ※1話当たり、1200~2000文字前後です。

転生少女の暇つぶし

叶 望
ファンタジー
水面に泡が浮上するように覚醒する。どうやら異世界の知識を持ったまま転生したらしい。 世界観や様々な物は知識として持っているものの、前世を生きていたはずの記憶はこれっぽっちも残っていない。 リズレット・レスターはレスター辺境伯爵家の長女だ。異世界の知識を持つリズレットは娯楽がろくにない世界で暇を持て余していた。 赤子なので当然ではあるもののそれは長い時間との戦いだ。時間を有意義に楽しく過ごしたい。その思いがリズレットを突き動かす原点となった。 ※他サイトにも投稿しています。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

【完結】辺境の魔法使い この世界に翻弄される

秋.水
ファンタジー
記憶を無くした主人公は魔法使い。しかし目立つ事や面倒な事が嫌い。それでも次々増える家族を守るため、必死にトラブルを回避して、目立たないようにあの手この手を使っているうちに、自分がかなりヤバい立場に立たされている事を知ってしまう。しかも異種族ハーレムの主人公なのにDTでEDだったりして大変な生活が続いていく。最後には世界が・・・・。まったり系異種族ハーレムもの?です。

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

処理中です...