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1章 囚われた生活
1.5 植物の事
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エリックのように魔力の無い平民は隠蔽の魔法の外に出ても見つかることはないらしい。なので、ここの盗賊たちは普段はこの屋敷の近くの森で狩をしたり食料になりそうな物を採取してくる。
料理人のエリックは、僕がいろいろな食材に興味を持つのが面白いようだ。いろんな植物を採って来て名前を教えてくれる。僕は採ってきて植物を貰えると嬉しくて笑顔でお礼を言う。貰った植物は大事にしまうのではなくばらばらにして細かく調べる。
葉、茎、花、実、そして根と小刻みにして味やにおいの違いを調べるのだ。僕がいろいろな部材をばらばらにして舐めては「まずー」とか言うのがエリックには面白いらしい。
実は僕のステータス確認の能力である鑑定を使えば毒が含まれている事が前にわかる。なので毒は絶対に口にしない。安全と解っているものを口に入れ味を確認する。
そして、この森は植物が豊富だった。ママが言うにはどうやら僕やママの魔力が周りに影響を及ぼしているのではないかと言っていた。魔力が豊富な土地は植物がよく育ち動物も集まってくるらしい。
とりあえず理由は不明だがこの地は植物が豊富なのでエリックが外に採って来る植物の種類は多い。それも季節毎に大きさが違うもの、花、実と季節が変われば持ってきてくれるので植物についてはかなり詳しくなった。
整理するうちに気が付いたが過去調べた情報はステータスリストと言うところに分類ごとに整理されていた。ご丁寧に写真つきだ。どうやら僕の能力は鑑定で見たり、話を聞いたりするだけで情報がどこかに書き込まれているようだ。
僕の鑑定は調査だけではなく、異世界のコンピュータに相当する能力が備わっているようだ。
この能力があるので同じ植物で効果を忘れてもすぐにステータスリストから確認することができる。紙に書き出すことが出来ないので、とても便利だ。
ある時に採って来てくれた植物の実。1つは赤い。もう1つは少し黒い実だ。
赤いものはカプラ。実は唐辛子だった。黒い実はサブァ。胡椒の味がした。
こちらの世界では鳥や動物が食べない実は人間も食べない。これは毒ではないが、動物がそのまま食べる実ではない。だから香辛料として認知されていなかったのだろう。草は草食の動物に食べさせて安全を確認したものを食べるらしい。ハーブは草食動物が食べるものが認知され使われている。
これらの実は乾燥させてから石臼で挽いて使えば料理に使いやすい。
とりあえずサブァを肉に使うだけでも格段においしくなる。こちらは皆にもすぐに受け入れられた。カプラの方は、辛すぎるものはダメなようだ。少しだけ入れるのが好まれるようだ。
種は春になったら植えてもらう事にした。
その他にもあまり根を食べない習慣だったらしく、生姜にわさびもあったが知られていないようすだった。生姜はクレフ。わさびはワップルと言う植物だ。
どちらも花が咲いて実をつけるので種で増やすことが出来る。根と言ってもニンジンのように巨大な塊ではないので、1本から取れる量はすくない。クレフは冬に生姜湯として出すと好評だった。ワップルは、刺激が少なくて食べやすいので刻んで料理に加えるとアクセントが出る。抗菌効果は抜群で一緒に入れると腐りにくくなる。便利な食材だった。
カプラ、サブァ、クレフは畑で育てる。ワップルは小さな沼で育てた後、そのうち水に浮くようになる。その時に池に移動すれば良いらしい。
これらの育てる準備をして冬を迎える。
そして夏にエリックが採って来てくれたスヤキヤと言う木の実。大きさは直系7~10cmぐらい。割ると中央部分に白い塊がある。スプーン1杯すくえば無くなる程度の小さな塊。その白い部分は甘くておいしかった。エリックがこっそり僕におやつだとくれた物だ。とてもおいしかった。この季節限定の果物らしい。そして外側は紫色の果肉。食べても苦いだけだが脂分が多い。そのままペースト状に練り上げるとインクになった。木札に書けば文字が書ける。
そうなってくると今までのレシピをまとめておきたい。植物などの単品はステータスリストにあるが、こちらで試行錯誤して作った食事のレシピは頭の中にあるだけだ。
ママに頼んで文字を教えてもらうようになった。僕は練習のために木枠に小麦粉を薄く敷いて、串を使って文字を書く。一度書いたら小麦粉を平らに戻す。そしてまた文字を書く。文字の練習だ。
幾つかの食材の文字に数字が書けるようになったので、木札に料理のレシピも書こと思ったが、自分で作ったインクは串では上手く書けなかった。
筆が必要だ。
筆は、食料として受け取った動物の短い毛があるので比較的簡単に作れた。
ママに確認してもらいながら文字の間違いが無いように気をつけてレシピを書き上げる。ようやく頭の中以外にレシピを表現できた。嬉しくてエリックに自慢したらエリックも読めるようになりたいと言い出したので、僕と一緒に材料代0円の小麦粉箱を使って文字の練習を始めた。
暫くして、数枚の木札にレシピを書き上げた。
なかなか順調に生活ができていた。
料理人のエリックは、僕がいろいろな食材に興味を持つのが面白いようだ。いろんな植物を採って来て名前を教えてくれる。僕は採ってきて植物を貰えると嬉しくて笑顔でお礼を言う。貰った植物は大事にしまうのではなくばらばらにして細かく調べる。
葉、茎、花、実、そして根と小刻みにして味やにおいの違いを調べるのだ。僕がいろいろな部材をばらばらにして舐めては「まずー」とか言うのがエリックには面白いらしい。
実は僕のステータス確認の能力である鑑定を使えば毒が含まれている事が前にわかる。なので毒は絶対に口にしない。安全と解っているものを口に入れ味を確認する。
そして、この森は植物が豊富だった。ママが言うにはどうやら僕やママの魔力が周りに影響を及ぼしているのではないかと言っていた。魔力が豊富な土地は植物がよく育ち動物も集まってくるらしい。
とりあえず理由は不明だがこの地は植物が豊富なのでエリックが外に採って来る植物の種類は多い。それも季節毎に大きさが違うもの、花、実と季節が変われば持ってきてくれるので植物についてはかなり詳しくなった。
整理するうちに気が付いたが過去調べた情報はステータスリストと言うところに分類ごとに整理されていた。ご丁寧に写真つきだ。どうやら僕の能力は鑑定で見たり、話を聞いたりするだけで情報がどこかに書き込まれているようだ。
僕の鑑定は調査だけではなく、異世界のコンピュータに相当する能力が備わっているようだ。
この能力があるので同じ植物で効果を忘れてもすぐにステータスリストから確認することができる。紙に書き出すことが出来ないので、とても便利だ。
ある時に採って来てくれた植物の実。1つは赤い。もう1つは少し黒い実だ。
赤いものはカプラ。実は唐辛子だった。黒い実はサブァ。胡椒の味がした。
こちらの世界では鳥や動物が食べない実は人間も食べない。これは毒ではないが、動物がそのまま食べる実ではない。だから香辛料として認知されていなかったのだろう。草は草食の動物に食べさせて安全を確認したものを食べるらしい。ハーブは草食動物が食べるものが認知され使われている。
これらの実は乾燥させてから石臼で挽いて使えば料理に使いやすい。
とりあえずサブァを肉に使うだけでも格段においしくなる。こちらは皆にもすぐに受け入れられた。カプラの方は、辛すぎるものはダメなようだ。少しだけ入れるのが好まれるようだ。
種は春になったら植えてもらう事にした。
その他にもあまり根を食べない習慣だったらしく、生姜にわさびもあったが知られていないようすだった。生姜はクレフ。わさびはワップルと言う植物だ。
どちらも花が咲いて実をつけるので種で増やすことが出来る。根と言ってもニンジンのように巨大な塊ではないので、1本から取れる量はすくない。クレフは冬に生姜湯として出すと好評だった。ワップルは、刺激が少なくて食べやすいので刻んで料理に加えるとアクセントが出る。抗菌効果は抜群で一緒に入れると腐りにくくなる。便利な食材だった。
カプラ、サブァ、クレフは畑で育てる。ワップルは小さな沼で育てた後、そのうち水に浮くようになる。その時に池に移動すれば良いらしい。
これらの育てる準備をして冬を迎える。
そして夏にエリックが採って来てくれたスヤキヤと言う木の実。大きさは直系7~10cmぐらい。割ると中央部分に白い塊がある。スプーン1杯すくえば無くなる程度の小さな塊。その白い部分は甘くておいしかった。エリックがこっそり僕におやつだとくれた物だ。とてもおいしかった。この季節限定の果物らしい。そして外側は紫色の果肉。食べても苦いだけだが脂分が多い。そのままペースト状に練り上げるとインクになった。木札に書けば文字が書ける。
そうなってくると今までのレシピをまとめておきたい。植物などの単品はステータスリストにあるが、こちらで試行錯誤して作った食事のレシピは頭の中にあるだけだ。
ママに頼んで文字を教えてもらうようになった。僕は練習のために木枠に小麦粉を薄く敷いて、串を使って文字を書く。一度書いたら小麦粉を平らに戻す。そしてまた文字を書く。文字の練習だ。
幾つかの食材の文字に数字が書けるようになったので、木札に料理のレシピも書こと思ったが、自分で作ったインクは串では上手く書けなかった。
筆が必要だ。
筆は、食料として受け取った動物の短い毛があるので比較的簡単に作れた。
ママに確認してもらいながら文字の間違いが無いように気をつけてレシピを書き上げる。ようやく頭の中以外にレシピを表現できた。嬉しくてエリックに自慢したらエリックも読めるようになりたいと言い出したので、僕と一緒に材料代0円の小麦粉箱を使って文字の練習を始めた。
暫くして、数枚の木札にレシピを書き上げた。
なかなか順調に生活ができていた。
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