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第2章 上級貴族の息子
2.30 王女様の輿入れ
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領主会議が始まった。この領主会議が終わるとクリスティーナレオノール様の輿入れ。
本人は、側近と共に転移で移動してくるが、荷物は馬車で持ってくるので、既に移動が始まっている。それらは城に次々に運ばれてくる。どうして城へ荷物が来ることをそれほど知っているかと言うと、実は、僕らの住む場所が急に変更されたのだ。おかあさまと僕と妹と弟は、住む場所が城に移動となったのだ。お母様がクリスティーナレオノール様をサポートするために空いている領主の第2夫人の離宮に移った。
ヒルニムスは聖礼式前なのでおかあさまと一緒の離宮にいる。そして僕とアイリーンは領主の子供部屋に入った。城の本館部分だ。
当初クリスティーナレオノールは、エヴェリーナ様が第2夫人として支えるはずが、お父様の第2夫人となったので、おかあさまが副領主の第1夫人として支えることになったためだ。場所も、いつでも相談ができるように城に移動となった。
発表は領主会議が終わってからになるが、王女の輿入れの発表と共に僕らも領主候補としての扱いに変わる。
もちろん、普通は領主の第1夫人の補佐として副領主の妻が王城に入る事はない。だが現在の領主に他に妻がいないことと、副領主の子供が領主候補になることを加味しての移動だ。もちろん将来、僕が傍系王族になることも加味しての対応だ。
突然、いろいろと決まったので、田舎に送ったエヴェリーナ様の荷物も戻したそうだ。つまり子供を出産しても田舎に行かない。家に引きこもっているのは変わらない。
おとうさまは、仕事中におかあさまに会っているし、夜はいままでどおり本館に帰れば良いので、かなり楽になったらしい。
そして僕の周りは、文官のマルティエスに護衛のヤットルッドは変わらないが、領主様の近衛が常時2人着く様になった。それはアイリーンもだ。単に住む場所が移動しただけでなく、本格的に領主の後継ぎとしての待遇となった。
ちなみに、僕らが城に引っ越しするのは思っていたよりも簡単だった。なぜなら、実は直前まで知らなかったのは僕だけで、アイリーンは城に移動する話を知っていたらしい。
女の子用の部屋はアイリーンの好みに変更されていた。ちなみに僕の部屋はシンプルなままだ。なにも手を加えられていない。アイリーンが前から知っていた理由は部屋を改造するためだったらしい。
おとうさまから、「クレストリアは別に内装の好みはないだろう。欲しいと言っていた研究場所も付けたのだから」と一言で終わった。
確かに。前の部屋よりも広くなり、ベットや布団も上等になっている。しかも研究室まであるのだから文句はない。ないけどなにか一つぐらい聞いてくれても良いのではないだろうかとちょっと不満だった。そういう話を離宮でヒルニムスと話をしていたら、ヒルニムスも、全く聞かれなかったらしいく、お兄様と一緒ですねと答えた。そしてアイリーンが決めた部屋の内装リストを見せられ、その膨大な決め事に二人で、「あ、これ無理」とすぐに投げた。おとうさまとおかあさまの言う通り、男の子には無理だとすぐに納得した。
ちなみに王女様が異動して来る前に部屋を見せてもらった。おかあさまが言うには、エヴェリーナ様がいた時の面影は一つも無いそうだ。
王城を見た時に見せてもらった時には全体的にクラッシクで落ち着いた感じだったが、こちらの部屋は紅を基調としたカーテンとチェック柄の壁紙。そしてピアノがドンと置いてあってとても女性らしい部屋になっていた。細かい装飾品に一角ウサギなどが彫られていて、色合いや、装飾品のすべてが女性らしい作りだった。
この部屋は、王家からの要望に合わせてじっくりと改造が施されていたらしい。一部の装飾職人は王都の職人がわざわざ来て仕上げたと言ったらしい。女性の部屋と言うのは大変なようだ。
それに対して、家のエヴェリーナ様の部屋は、おかあさまの部屋から殆ど変更が無いままに部屋を移った。これから徐々に改造するらしい。城と、普通の家では対応がかなり違うのだなと改めて思った。
領主会議が開催される1ヶ月は、大人が少ないが、もちろんお稽古事は毎日欠かさずに行う。音楽や剣術、そして座学の勉強を午前中に済ませ、午後は大半空き時間となっている。僕は、その時間で図書館に行ったり、この城にもある温室を見たり、訓練場に行って体を鍛えたりする。
ヒルニムスは、前は僕と同じ時間に剣術の練習をしたが、今は僕らと住む棟が違うので昼間はなかなか会えない。領主会議中は、おかあさまもいないのでかなり不満らしい。おかあさまが居ないので、僕とアイリーンは夕食を離宮に食べに行き、1日1回はヒルニムスの所に行くようにしている。夏になれば聖礼式を向かえるので、僕らと同じ棟に移動してくるので、それまでは我慢してもらうしかない。
そうしている間に領主会議が終り、いよいよ王女様が輿入れしてきた。
結婚式は王都で行われた。領主会議に行っていたメンバーが参加しているので、僕らは参加していない。
領主様は30歳で、クリスティーナレオノール様は16歳。夫婦で倍近く年が違う。政略結婚なんてこんなものなのだろうが、王女様がこうも年が離れ、田舎の領地に来るのがとても不思議だ。この領地が、政変時に王様に味方した割に栄えていないことと、領主の中でアンゼルム様が最も魔力量が多いので、子供に期待しているらしいが、政略結婚とはいえ、この年の差は少しかわいそうだと思う。
結婚式が終わり、翌日に領地へ転移で移動してきた。クリスティーナレオノール様とそのお供は聞いていたよりも多かった。
専属の傍仕えはもちろん、専属の料理人、それに近衛から移動して来た護衛が10名ほど。
おばあさまがエルレドルアに嫁入りした時や、第1王女、第2王女が移動した時でも専属護衛騎士が数名だったはず。なんで10名も移動だったのだろうか。それほどにこの領地が危険なのかと不思議に思った。
その後、領地内でのお披露目のパーティが昼も夜も開催される。
昼はクリスティーナレオノール様の紹介だけではなく、僕とアイリーンが領主候補生になったことも伝えられた。それを含めたお披露目パーティなので、昼間のパーティはほとんどのパーティに出席しなければいけなかった。だが、夜は大人のパーティなので僕らは出席していない。
はでなパーティは二日ぐらいだが、お茶会を含めて、1週間も忙しかった。とても疲れた。
本人は、側近と共に転移で移動してくるが、荷物は馬車で持ってくるので、既に移動が始まっている。それらは城に次々に運ばれてくる。どうして城へ荷物が来ることをそれほど知っているかと言うと、実は、僕らの住む場所が急に変更されたのだ。おかあさまと僕と妹と弟は、住む場所が城に移動となったのだ。お母様がクリスティーナレオノール様をサポートするために空いている領主の第2夫人の離宮に移った。
ヒルニムスは聖礼式前なのでおかあさまと一緒の離宮にいる。そして僕とアイリーンは領主の子供部屋に入った。城の本館部分だ。
当初クリスティーナレオノールは、エヴェリーナ様が第2夫人として支えるはずが、お父様の第2夫人となったので、おかあさまが副領主の第1夫人として支えることになったためだ。場所も、いつでも相談ができるように城に移動となった。
発表は領主会議が終わってからになるが、王女の輿入れの発表と共に僕らも領主候補としての扱いに変わる。
もちろん、普通は領主の第1夫人の補佐として副領主の妻が王城に入る事はない。だが現在の領主に他に妻がいないことと、副領主の子供が領主候補になることを加味しての移動だ。もちろん将来、僕が傍系王族になることも加味しての対応だ。
突然、いろいろと決まったので、田舎に送ったエヴェリーナ様の荷物も戻したそうだ。つまり子供を出産しても田舎に行かない。家に引きこもっているのは変わらない。
おとうさまは、仕事中におかあさまに会っているし、夜はいままでどおり本館に帰れば良いので、かなり楽になったらしい。
そして僕の周りは、文官のマルティエスに護衛のヤットルッドは変わらないが、領主様の近衛が常時2人着く様になった。それはアイリーンもだ。単に住む場所が移動しただけでなく、本格的に領主の後継ぎとしての待遇となった。
ちなみに、僕らが城に引っ越しするのは思っていたよりも簡単だった。なぜなら、実は直前まで知らなかったのは僕だけで、アイリーンは城に移動する話を知っていたらしい。
女の子用の部屋はアイリーンの好みに変更されていた。ちなみに僕の部屋はシンプルなままだ。なにも手を加えられていない。アイリーンが前から知っていた理由は部屋を改造するためだったらしい。
おとうさまから、「クレストリアは別に内装の好みはないだろう。欲しいと言っていた研究場所も付けたのだから」と一言で終わった。
確かに。前の部屋よりも広くなり、ベットや布団も上等になっている。しかも研究室まであるのだから文句はない。ないけどなにか一つぐらい聞いてくれても良いのではないだろうかとちょっと不満だった。そういう話を離宮でヒルニムスと話をしていたら、ヒルニムスも、全く聞かれなかったらしいく、お兄様と一緒ですねと答えた。そしてアイリーンが決めた部屋の内装リストを見せられ、その膨大な決め事に二人で、「あ、これ無理」とすぐに投げた。おとうさまとおかあさまの言う通り、男の子には無理だとすぐに納得した。
ちなみに王女様が異動して来る前に部屋を見せてもらった。おかあさまが言うには、エヴェリーナ様がいた時の面影は一つも無いそうだ。
王城を見た時に見せてもらった時には全体的にクラッシクで落ち着いた感じだったが、こちらの部屋は紅を基調としたカーテンとチェック柄の壁紙。そしてピアノがドンと置いてあってとても女性らしい部屋になっていた。細かい装飾品に一角ウサギなどが彫られていて、色合いや、装飾品のすべてが女性らしい作りだった。
この部屋は、王家からの要望に合わせてじっくりと改造が施されていたらしい。一部の装飾職人は王都の職人がわざわざ来て仕上げたと言ったらしい。女性の部屋と言うのは大変なようだ。
それに対して、家のエヴェリーナ様の部屋は、おかあさまの部屋から殆ど変更が無いままに部屋を移った。これから徐々に改造するらしい。城と、普通の家では対応がかなり違うのだなと改めて思った。
領主会議が開催される1ヶ月は、大人が少ないが、もちろんお稽古事は毎日欠かさずに行う。音楽や剣術、そして座学の勉強を午前中に済ませ、午後は大半空き時間となっている。僕は、その時間で図書館に行ったり、この城にもある温室を見たり、訓練場に行って体を鍛えたりする。
ヒルニムスは、前は僕と同じ時間に剣術の練習をしたが、今は僕らと住む棟が違うので昼間はなかなか会えない。領主会議中は、おかあさまもいないのでかなり不満らしい。おかあさまが居ないので、僕とアイリーンは夕食を離宮に食べに行き、1日1回はヒルニムスの所に行くようにしている。夏になれば聖礼式を向かえるので、僕らと同じ棟に移動してくるので、それまでは我慢してもらうしかない。
そうしている間に領主会議が終り、いよいよ王女様が輿入れしてきた。
結婚式は王都で行われた。領主会議に行っていたメンバーが参加しているので、僕らは参加していない。
領主様は30歳で、クリスティーナレオノール様は16歳。夫婦で倍近く年が違う。政略結婚なんてこんなものなのだろうが、王女様がこうも年が離れ、田舎の領地に来るのがとても不思議だ。この領地が、政変時に王様に味方した割に栄えていないことと、領主の中でアンゼルム様が最も魔力量が多いので、子供に期待しているらしいが、政略結婚とはいえ、この年の差は少しかわいそうだと思う。
結婚式が終わり、翌日に領地へ転移で移動してきた。クリスティーナレオノール様とそのお供は聞いていたよりも多かった。
専属の傍仕えはもちろん、専属の料理人、それに近衛から移動して来た護衛が10名ほど。
おばあさまがエルレドルアに嫁入りした時や、第1王女、第2王女が移動した時でも専属護衛騎士が数名だったはず。なんで10名も移動だったのだろうか。それほどにこの領地が危険なのかと不思議に思った。
その後、領地内でのお披露目のパーティが昼も夜も開催される。
昼はクリスティーナレオノール様の紹介だけではなく、僕とアイリーンが領主候補生になったことも伝えられた。それを含めたお披露目パーティなので、昼間のパーティはほとんどのパーティに出席しなければいけなかった。だが、夜は大人のパーティなので僕らは出席していない。
はでなパーティは二日ぐらいだが、お茶会を含めて、1週間も忙しかった。とても疲れた。
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