貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油

文字の大きさ
80 / 83
第4章 学園編2

4.12 真実は

しおりを挟む
 お知らせ
  「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
 クレストリアは、フェルディーノ禁術によって迷いの世界に入り込んだ。
『ひさしぶりだなここ。また魔力欠乏になったのか』
『いや、まだ魔力はあるみたいだ。どうやらフェルディーノが禁術を使って強制的に送り込んださ』

「やあ、また会ったね、ランスターエルリックそれとクレストリアかな」
『おや、驚いた。知ってたのかい』

「最初に会ったのがランスターエルリックで、最後に会ったのはクレストリアなんだよね」
『そうだ』

「教えてほしいんだ。どうしてこんなことになったのか。知っているんだろ」
『ああ、僕が死んだ時に女神様に聞いたよ』
「じゃあ、頼むよ」

『そうだな。最初の発端はランスターエルリックが生まれた直後だ』
『そう、僕は生まれた直後に取り上げた侍女に毒を飲まされ瀕死となった。いや死んだんだ』
『そう、その為に直後に生まれたクレストリアの魂は別れ、より重症だった欄スターエルリックの方に体の不調を全て癒す女神の魔法が使われた。結果予定されていたクレストリアの方は心臓病を抱えたまま生まれてしまった』

『別れた魂は、ランスターエルリックの体になじみ順調に育つ。だが女神は死んだはずのランスターエルリックには気を留めなかった。だから祝福もなく不遇の環境で育つことになった』
『クレストリアは祝福を受けて育っていたが、なぜか体の不調が治っていなかった。女神が気が付いたのは修正不可能な状況になってから。女神は、送り込んだ魂がどんな状況で育っているか偶に見ていたらしいけど彼女たちの時間感覚は人間とは違う。ちょっと目を離したと言っても数年経過していたと言うわけさ』

『あとはご存じのとおりさ。本当は僕クレストリアの魂は死んだら消滅する予定だったらしいけど、魂の片割れが現世にいるせいでランスターエルリック持つ迷いの世界に来てしまったのさ』

「そう、それで現世の今の状況はどのぐらい知ってるの?」

『ああ、僕らと君が融合しないと世界が崩壊するって事は知ってるよ。フェルディーノは別の手段が取れるのにわざとここに送り込んだことも知ってるよ』

「まあそうだろうな。彼は神の書を持っているよね」
『ああ、持ってる。エイレーネアテナも持ってる』

「やっぱり、王家の痣が無くても神の書は取れるんだ」
『ああ、取れる。だけどフェルディーノが君に神の書を取らせたいのはこの世界を救うだけの魔力量と知識があるからだ』

「知識ならフェルディーノ方があるだろ」
『彼の知識は神の書から得た物だ。君が神の書を得れば得られる知識だ。それではなくクレストリアの前世、その世界の知識。世界を救うにはその知識が必須なんだよ』

「それは最初の王が異世界転移者だったからなのか」
『そうだろうね。それよりもそろそろ急いだ方が良いよ。そろそろ周りの人たちの君の母親、婚約者たちの魔力が危ない』
「わかった。では合体しよう。誰がベースになるの」

『それは強い者だ。恨みっこなしだぞ』


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

【死に役転生】悪役貴族の冤罪処刑エンドは嫌なので、ストーリーが始まる前に鍛えまくったら、やりすぎたようです。

いな@
ファンタジー
【第一章完結】映画の撮影中に死んだのか、開始五分で処刑されるキャラに転生してしまったけど死にたくなんてないし、原作主人公のメインヒロインになる幼馴染みも可愛いから渡したくないと冤罪を着せられる前に死亡フラグをへし折ることにします。 そこで転生特典スキルの『超越者』のお陰で色んなトラブルと悪名の原因となっていた問題を解決していくことになります。 【第二章】 原作の開始である学園への入学式当日、原作主人公との出会いから始まります。 原作とは違う流れに戸惑いながらも、大切な仲間たち(増えます)と共に沢山の困難に立ち向かい、解決していきます。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

転生幼女は幸せを得る。

泡沫 呉羽
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!? 今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−

生活魔法は万能です

浜柔
ファンタジー
 生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。  それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。  ――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる

暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。 授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

処理中です...