70 / 89
68、ヴォルフォード伯爵の敗北
しおりを挟む
ヴァルフォード伯爵の喉が、ごくりと鳴る。
額に滲んだ汗が頬を伝い、滴となって床に落ちる音さえ響きそうなほど、室内は静寂に包まれていた。
エリオットの問いに答えるか、それとも沈黙を貫くか。
どちらを選んでも、彼の未来が明るくなることはない。
王太子ライナスは、椅子の背にもたれながら、指先で机をとんとんと叩く。
その音が、ヴァルフォード伯爵の焦燥をさらに煽る。
「ねぇ、ヴァルフォード伯爵」
ライナスが口を開いた。
「僕は君の立場を思うと、少しだけ同情するよ」
「……」
「だって、君はヴェロニクに利用されていただけかもしれないし、あるいは何か別の事情があったのかもしれない。だけどね、君が黙っている間に、状況はどんどん悪くなるんだ」
ライナスは微笑みながら、言葉を続ける。
「今なら、まだ『巻き込まれた』という言い訳もできるかもしれない。だけど、ここで黙っていたら……それすらもできなくなる」
ヴァルフォード伯爵の指が、膝の上でわずかに動く。
「……私を、どうするつもりですか……」
しぼり出すような声だった。
シグルドが腕を組み、冷ややかな視線を向ける。
「それはお前の口次第だ」
「……」
ヴァルフォード伯爵は歯を食いしばる。
彼の肩が震え、視線が揺れる。
エリオットは静かに、彼の様子を観察していた。
(追い詰められている……でも、まだ完全には崩れていない)
沈黙の中、レオンがふっと笑う。
「ねぇ、公爵夫人。こんなに拗ねた子どもみたいな顔をしてるけど、彼、本当は何も知らないんじゃないですか?」
(ああ、なるほど……)
レオンの声にエリオットはゆっくりと首を傾げた、
「そうですね……ただヴェロニクにいいように使われた……ということでしょうか?何もご存じなく」
「……!」
ヴァルフォード伯爵が鋭く顔を上げる。
「私が何も知らない、だと……?」
これまで見た感じだと、ヴォルフォード伯爵は腹芸が出来ず高慢。
少し刺激してやれば尻尾を出すと踏んだレオンの芝居にエリオットが乗ったことで、態度に出てしまったのだ。
(まあ、この男も切り捨てられる運命だろうな……その前に拘束出来てよかった)
「あらら、こんなに反応するってことは、やっぱり何か知ってるんですねぇ」
レオンは肩をすくめながら、短剣を指先で回す。
「何も言えないのならばそう取るしかないですよねぇ、ヴァルフォード伯爵。知らないって言い張るのも結構ですけど、伯が『利用されるだけの無能』だったって証明することになるには分かってますー?」
「……!」
ヴァルフォード伯爵は歯ぎしりをし、膝の上の手を強く握りしめた。
「……違う」
「違う?」
「私は……ヴェロニク・クレイヴンに騙されていたわけではない」
エリオットは眉をひそめる。
(騙されていたわけではない、ということは……)
「あなたは彼と手を組んでいた?」
ヴァルフォード伯爵は答えない。
シグルドがゆっくりと息を吐くと、床を踏みしめながら伯爵に歩み寄った。
「お前は、ヴェロニクを庇っているつもりかもしれんが、逆効果だぞ」
「……?」
シグルドは、ヴァルフォード伯爵を見下ろしながら静かに言った。
「お前がこのまま黙っていれば、我々はヴェロニクを徹底的に追い詰めることになる。そして、その過程でお前の関与もさらに深く調べられる」
伯爵は肩を震わせる。
「最終的な結果は変わらないだろう。だが、お前が話せば、多少の温情は考慮できる。ライナスの言葉が理解できなかったか?」
シグルドの冷徹な声音に、ヴァルフォード伯爵の呼吸が乱れる。
エリオットは彼の様子を見ながら、ゆっくりと言葉を紡いだ。
「ヴァルフォード伯爵……あなたは、ヴェロニクの背後にいる人物を知っているのでしょう?」
「……」
「それとも……まさか、ヴェロニクが独力でここまでやってきたと、本気で仰いますか?もしくはあなたとの共謀」
ヴァルフォード伯爵の拳がぎゅっと握られる。
「……違う」
彼の声がかすかに震える。
「ヴェロニクには……支援者がいた……」
エリオットの指が、書状の端を軽く弾く。
「それは、誰ですか?」
ヴァルフォード伯爵は、ぐっと目を閉じると、苦しげに息を吐いた。
「……」
そして、しばらくの沈黙の後——
「……クラウス侯爵……」
その名が、重い空気を切り裂いた。
エリオットは、やはり、と思いながら目を細める。
「……クラウス侯爵が、ヴェロニクを支援していた?」
ヴァルフォード伯爵は頷いた。
「彼は……ヴェロニクを通じて、公爵家を掌握しようとしていた……」
「理由は?」
シグルドが鋭く問いかける。
「……アルヴィオン王国の貴族派を、強固なものにするためだ……」
「……」
エリオットは静かに息を吐いた。
(やはり……クラウス侯爵が。となれば、過去の政変を考えても予想通りか……)
「公爵家を乗っ取ることで、国の権力バランスを崩そうと?」
「……そうだ……」
ヴァルフォード伯爵の声は、もはやほとんど囁きのようだった。
ライナスが指をとんとんと机に打ちつけながら、ふっと笑う。
「なるほどね。貴族派をまとめるために、クラウス侯爵がヴェロニクを動かしていた、と」
「……」
「でも、それなら気になることがあるなぁ」
ライナスは目を細める。
「ヴェロニクが公爵家を乗っ取ったあと、彼はどうするつもりだったんだろうね?掌握したところで彼が表舞台に立っても何も進まない。そうだろう……?」
ヴァルフォード伯爵の表情がわずかに引きつる。
エリオットは、小さく息を吐きだした。
「……ヴァルフォード伯爵」
エリオットはわずかに身を乗り出す。
「ヴェロニクの『次の計画』を教えてください」
ヴァルフォード伯爵は、顔を強張らせる。
「……それは……」
「知っていますよね?あなたは」
「……っ!」
部屋の空気が、さらに冷え込んだ。
エリオットは、彼の沈黙が何よりの答えだと悟る。
「……あなたは、ヴェロニクが公爵家を乗っ取るだけでは終わらないと知っている」
「……」
「彼の狙いは、もっと先にある」
「……」
「そうですね?」
ヴァルフォード伯爵の手が震えた。
「公爵家だけではない……あいつが狙っているのは……」
「……」
「王位だ」
その言葉に、室内の空気が凍りついた。
エリオットは、静かに目を閉じる。
(やはり……そして王冠はアドリアンに、だろうな……)
ライナスが、僅かに眉を上げた。
「ふぅん……ついに、核心に触れてきたね」
ヴァルフォード伯爵は、額に滲む汗を拭うこともできず、苦しげに続けた。
「ヴェロニクは……クラウス侯爵と手を組んでいる……」
「どこまで知っているのですか?」
エリオットが問いかけると、伯爵は必死に首を振る。
「私は……ほんの一部しか……本当だ……!」
「では、その『ほんの一部』を聞こうか」
シグルドが鋭い声を飛ばす。
ヴァルフォード伯爵は、怯えたように身を縮めた。
だが、ここで口を閉ざしてしまえば、待っているのは 「裏切り者の処刑」 だと理解しているのだろう。
彼は、しばらくの沈黙の後、ようやく言葉を紡ぎ始めた。
「……現王家の血筋を断つつもりだ……」
エリオットは、心の中で息を詰まらせた。
(断つ。言葉通りならば国王陛下や王太子殿下を暗殺する計画が……あるということか?)
「具体的には?」
ライナスの声が、急に冷たくなる。
ヴァルフォード伯爵の顔は蒼白になった。
「……知らない……詳しいことまでは……」
「ほう?」
ライナスは薄く微笑む。
「なら、詳しいことを知っているのは?」
「……クラウス侯爵……」
その名が出た瞬間、シグルドの表情が険しくなる。
「クラウス侯爵……」
「彼は……ヴェロニクを利用し……いや、ヴェロニクもまた、彼を利用し……」
ヴァルフォード伯爵は、何とか言葉を紡ぎながら、頭を垂れた。
「政変は、もう……実行段階に入っているのか?」
シグルドが低く問いかける。
ヴァルフォード伯爵は、小さく震えた。
「……近い……近いうちに、必ず……」
その瞬間、エリオットは静かに息を吸った。
(この情報が本当なら……動かなければならない)
「……伯爵」
エリオットは、ゆっくりと口を開いた。
「これから、あなたは証人になっていただきます」
ヴァルフォード伯爵は驚いた顔をする。
「証人……?」
「ええ」
エリオットは、静かに微笑んだ。
「あなたの証言は、決定的な証拠となる」
ライナスが、ニヤリと笑う。
「さて、ヴェロニクとクラウス侯爵がどんな動きを見せるか……楽しみになってきたね」
エリオットは、手元の書状を軽く揺らしながら、決意を固めた。
(次に動くのは、僕たちの番だ——)
額に滲んだ汗が頬を伝い、滴となって床に落ちる音さえ響きそうなほど、室内は静寂に包まれていた。
エリオットの問いに答えるか、それとも沈黙を貫くか。
どちらを選んでも、彼の未来が明るくなることはない。
王太子ライナスは、椅子の背にもたれながら、指先で机をとんとんと叩く。
その音が、ヴァルフォード伯爵の焦燥をさらに煽る。
「ねぇ、ヴァルフォード伯爵」
ライナスが口を開いた。
「僕は君の立場を思うと、少しだけ同情するよ」
「……」
「だって、君はヴェロニクに利用されていただけかもしれないし、あるいは何か別の事情があったのかもしれない。だけどね、君が黙っている間に、状況はどんどん悪くなるんだ」
ライナスは微笑みながら、言葉を続ける。
「今なら、まだ『巻き込まれた』という言い訳もできるかもしれない。だけど、ここで黙っていたら……それすらもできなくなる」
ヴァルフォード伯爵の指が、膝の上でわずかに動く。
「……私を、どうするつもりですか……」
しぼり出すような声だった。
シグルドが腕を組み、冷ややかな視線を向ける。
「それはお前の口次第だ」
「……」
ヴァルフォード伯爵は歯を食いしばる。
彼の肩が震え、視線が揺れる。
エリオットは静かに、彼の様子を観察していた。
(追い詰められている……でも、まだ完全には崩れていない)
沈黙の中、レオンがふっと笑う。
「ねぇ、公爵夫人。こんなに拗ねた子どもみたいな顔をしてるけど、彼、本当は何も知らないんじゃないですか?」
(ああ、なるほど……)
レオンの声にエリオットはゆっくりと首を傾げた、
「そうですね……ただヴェロニクにいいように使われた……ということでしょうか?何もご存じなく」
「……!」
ヴァルフォード伯爵が鋭く顔を上げる。
「私が何も知らない、だと……?」
これまで見た感じだと、ヴォルフォード伯爵は腹芸が出来ず高慢。
少し刺激してやれば尻尾を出すと踏んだレオンの芝居にエリオットが乗ったことで、態度に出てしまったのだ。
(まあ、この男も切り捨てられる運命だろうな……その前に拘束出来てよかった)
「あらら、こんなに反応するってことは、やっぱり何か知ってるんですねぇ」
レオンは肩をすくめながら、短剣を指先で回す。
「何も言えないのならばそう取るしかないですよねぇ、ヴァルフォード伯爵。知らないって言い張るのも結構ですけど、伯が『利用されるだけの無能』だったって証明することになるには分かってますー?」
「……!」
ヴァルフォード伯爵は歯ぎしりをし、膝の上の手を強く握りしめた。
「……違う」
「違う?」
「私は……ヴェロニク・クレイヴンに騙されていたわけではない」
エリオットは眉をひそめる。
(騙されていたわけではない、ということは……)
「あなたは彼と手を組んでいた?」
ヴァルフォード伯爵は答えない。
シグルドがゆっくりと息を吐くと、床を踏みしめながら伯爵に歩み寄った。
「お前は、ヴェロニクを庇っているつもりかもしれんが、逆効果だぞ」
「……?」
シグルドは、ヴァルフォード伯爵を見下ろしながら静かに言った。
「お前がこのまま黙っていれば、我々はヴェロニクを徹底的に追い詰めることになる。そして、その過程でお前の関与もさらに深く調べられる」
伯爵は肩を震わせる。
「最終的な結果は変わらないだろう。だが、お前が話せば、多少の温情は考慮できる。ライナスの言葉が理解できなかったか?」
シグルドの冷徹な声音に、ヴァルフォード伯爵の呼吸が乱れる。
エリオットは彼の様子を見ながら、ゆっくりと言葉を紡いだ。
「ヴァルフォード伯爵……あなたは、ヴェロニクの背後にいる人物を知っているのでしょう?」
「……」
「それとも……まさか、ヴェロニクが独力でここまでやってきたと、本気で仰いますか?もしくはあなたとの共謀」
ヴァルフォード伯爵の拳がぎゅっと握られる。
「……違う」
彼の声がかすかに震える。
「ヴェロニクには……支援者がいた……」
エリオットの指が、書状の端を軽く弾く。
「それは、誰ですか?」
ヴァルフォード伯爵は、ぐっと目を閉じると、苦しげに息を吐いた。
「……」
そして、しばらくの沈黙の後——
「……クラウス侯爵……」
その名が、重い空気を切り裂いた。
エリオットは、やはり、と思いながら目を細める。
「……クラウス侯爵が、ヴェロニクを支援していた?」
ヴァルフォード伯爵は頷いた。
「彼は……ヴェロニクを通じて、公爵家を掌握しようとしていた……」
「理由は?」
シグルドが鋭く問いかける。
「……アルヴィオン王国の貴族派を、強固なものにするためだ……」
「……」
エリオットは静かに息を吐いた。
(やはり……クラウス侯爵が。となれば、過去の政変を考えても予想通りか……)
「公爵家を乗っ取ることで、国の権力バランスを崩そうと?」
「……そうだ……」
ヴァルフォード伯爵の声は、もはやほとんど囁きのようだった。
ライナスが指をとんとんと机に打ちつけながら、ふっと笑う。
「なるほどね。貴族派をまとめるために、クラウス侯爵がヴェロニクを動かしていた、と」
「……」
「でも、それなら気になることがあるなぁ」
ライナスは目を細める。
「ヴェロニクが公爵家を乗っ取ったあと、彼はどうするつもりだったんだろうね?掌握したところで彼が表舞台に立っても何も進まない。そうだろう……?」
ヴァルフォード伯爵の表情がわずかに引きつる。
エリオットは、小さく息を吐きだした。
「……ヴァルフォード伯爵」
エリオットはわずかに身を乗り出す。
「ヴェロニクの『次の計画』を教えてください」
ヴァルフォード伯爵は、顔を強張らせる。
「……それは……」
「知っていますよね?あなたは」
「……っ!」
部屋の空気が、さらに冷え込んだ。
エリオットは、彼の沈黙が何よりの答えだと悟る。
「……あなたは、ヴェロニクが公爵家を乗っ取るだけでは終わらないと知っている」
「……」
「彼の狙いは、もっと先にある」
「……」
「そうですね?」
ヴァルフォード伯爵の手が震えた。
「公爵家だけではない……あいつが狙っているのは……」
「……」
「王位だ」
その言葉に、室内の空気が凍りついた。
エリオットは、静かに目を閉じる。
(やはり……そして王冠はアドリアンに、だろうな……)
ライナスが、僅かに眉を上げた。
「ふぅん……ついに、核心に触れてきたね」
ヴァルフォード伯爵は、額に滲む汗を拭うこともできず、苦しげに続けた。
「ヴェロニクは……クラウス侯爵と手を組んでいる……」
「どこまで知っているのですか?」
エリオットが問いかけると、伯爵は必死に首を振る。
「私は……ほんの一部しか……本当だ……!」
「では、その『ほんの一部』を聞こうか」
シグルドが鋭い声を飛ばす。
ヴァルフォード伯爵は、怯えたように身を縮めた。
だが、ここで口を閉ざしてしまえば、待っているのは 「裏切り者の処刑」 だと理解しているのだろう。
彼は、しばらくの沈黙の後、ようやく言葉を紡ぎ始めた。
「……現王家の血筋を断つつもりだ……」
エリオットは、心の中で息を詰まらせた。
(断つ。言葉通りならば国王陛下や王太子殿下を暗殺する計画が……あるということか?)
「具体的には?」
ライナスの声が、急に冷たくなる。
ヴァルフォード伯爵の顔は蒼白になった。
「……知らない……詳しいことまでは……」
「ほう?」
ライナスは薄く微笑む。
「なら、詳しいことを知っているのは?」
「……クラウス侯爵……」
その名が出た瞬間、シグルドの表情が険しくなる。
「クラウス侯爵……」
「彼は……ヴェロニクを利用し……いや、ヴェロニクもまた、彼を利用し……」
ヴァルフォード伯爵は、何とか言葉を紡ぎながら、頭を垂れた。
「政変は、もう……実行段階に入っているのか?」
シグルドが低く問いかける。
ヴァルフォード伯爵は、小さく震えた。
「……近い……近いうちに、必ず……」
その瞬間、エリオットは静かに息を吸った。
(この情報が本当なら……動かなければならない)
「……伯爵」
エリオットは、ゆっくりと口を開いた。
「これから、あなたは証人になっていただきます」
ヴァルフォード伯爵は驚いた顔をする。
「証人……?」
「ええ」
エリオットは、静かに微笑んだ。
「あなたの証言は、決定的な証拠となる」
ライナスが、ニヤリと笑う。
「さて、ヴェロニクとクラウス侯爵がどんな動きを見せるか……楽しみになってきたね」
エリオットは、手元の書状を軽く揺らしながら、決意を固めた。
(次に動くのは、僕たちの番だ——)
1,393
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
【第一部・完結】毒を飲んだマリス~冷徹なふりして溺愛したい皇帝陛下と毒親育ちの転生人質王子が恋をした~
蛮野晩
BL
マリスは前世で毒親育ちなうえに不遇の最期を迎えた。
転生したらヘデルマリア王国の第一王子だったが、祖国は帝国に侵略されてしまう。
戦火のなかで帝国の皇帝陛下ヴェルハルトに出会う。
マリスは人質として帝国に赴いたが、そこで皇帝の弟(エヴァン・八歳)の世話役をすることになった。
皇帝ヴェルハルトは噂どおりの冷徹な男でマリスは人質として不遇な扱いを受けたが、――――じつは皇帝ヴェルハルトは戦火で出会ったマリスにすでにひと目惚れしていた!
しかもマリスが帝国に来てくれて内心大喜びだった!
ほんとうは溺愛したいが、溺愛しすぎはかっこよくない……。苦悩する皇帝ヴェルハルト。
皇帝陛下のラブコメと人質王子のシリアスがぶつかりあう。ラブコメvsシリアスのハッピーエンドです。
ふしだらオメガ王子の嫁入り
金剛@キット
BL
初恋の騎士の気を引くために、ふしだらなフリをして、嫁ぎ先が無くなったペルデルセ王子Ωは、10番目の側妃として、隣国へ嫁ぐコトが決まった。孤独が染みる冷たい後宮で、王子は何を思い生きるのか?
お話に都合の良い、ユルユル設定のオメガバースです。
回帰したシリルの見る夢は
riiko
BL
公爵令息シリルは幼い頃より王太子の婚約者として、彼と番になる未来を夢見てきた。
しかし王太子は婚約者の自分には冷たい。どうやら彼には恋人がいるのだと知った日、物語は動き出した。
嫉妬に狂い断罪されたシリルは、何故だかきっかけの日に回帰した。そして回帰前には見えなかったことが少しずつ見えてきて、本当に望む夢が何かを徐々に思い出す。
執着をやめた途端、執着される側になったオメガが、次こそ間違えないようにと、可愛くも真面目に奮闘する物語!
執着アルファ×回帰オメガ
本編では明かされなかった、回帰前の出来事は外伝に掲載しております。
性描写が入るシーンは
※マークをタイトルにつけます。
物語お楽しみいただけたら幸いです。
***
2022.12.26「第10回BL小説大賞」で奨励賞をいただきました!
応援してくれた皆様のお陰です。
ご投票いただけた方、お読みくださった方、本当にありがとうございました!!
☆☆☆
2024.3.13 書籍発売&レンタル開始いたしました!!!!
応援してくださった読者さまのお陰でございます。本当にありがとうございます。書籍化にあたり連載時よりも読みやすく書き直しました。お楽しみいただけたら幸いです。
巣ごもりオメガは後宮にひそむ【続編完結】
晦リリ@9/10『死に戻りの神子~』発売
BL
後宮で幼馴染でもあるラナ姫の護衛をしているミシュアルは、つがいがいないのに、すでに契約がすんでいる体であるという判定を受けたオメガ。
発情期はあるものの、つがいが誰なのか、いつつがいの契約がなされたのかは本人もわからない。
そんななか、気になる匂いの落とし物を後宮で拾うようになる。
第9回BL小説大賞にて奨励賞受賞→書籍化しました。ありがとうございます。
釣った魚、逃した魚
円玉
BL
瘴気や魔獣の発生に対応するため定期的に行われる召喚の儀で、浄化と治癒の力を持つ神子として召喚された三倉貴史。
王の寵愛を受け後宮に迎え入れられたかに見えたが、後宮入りした後は「釣った魚」状態。
王には放置され、妃達には嫌がらせを受け、使用人達にも蔑ろにされる中、何とか穏便に後宮を去ろうとするが放置していながら縛り付けようとする王。
護衛騎士マクミランと共に逃亡計画を練る。
騎士×神子 攻目線
一見、神子が腹黒そうにみえるかもだけど、実際には全く悪くないです。
どうしても文字数が多くなってしまう癖が有るので『一話2500文字以下!』を目標にした練習作として書いてきたもの。
ムーンライト様でもアップしています。
5回も婚約破棄されたんで、もう関わりたくありません
くるむ
BL
進化により男も子を産め、同性婚が当たり前となった世界で、
ノエル・モンゴメリー侯爵令息はルーク・クラーク公爵令息と婚約するが、本命の伯爵令嬢を諦められないからと破棄をされてしまう。その後辛い日々を送り若くして死んでしまうが、なぜかいつも婚約破棄をされる朝に巻き戻ってしまう。しかも5回も。
だが6回目に巻き戻った時、婚約破棄当時ではなく、ルークと婚約する前まで巻き戻っていた。
今度こそ、自分が不幸になる切っ掛けとなるルークに近づかないようにと決意するノエルだが……。
陰日向から愛を馳せるだけで
麻田
BL
あなたに、愛されたい人生だった…――
政略結婚で旦那様になったのは、幼い頃、王都で一目惚れした美しい銀髪の青年・ローレンだった。
結婚式の日、はじめて知った事実に心躍らせたが、ローレンは望んだ結婚ではなかった。
ローレンには、愛する幼馴染のアルファがいた。
自分は、ローレンの子孫を残すためにたまたま選ばれただけのオメガに過ぎない。
「好きになってもらいたい。」
…そんな願いは、僕の夢でしかなくて、現実には成り得ない。
それでも、一抹の期待が拭えない、哀れなセリ。
いつ、ローレンに捨てられてもいいように、準備はしてある。
結婚後、二年経っても子を成さない夫婦に、新しいオメガが宛がわれることが決まったその日から、ローレンとセリの間に変化が起こり始める…
―――例え叶わなくても、ずっと傍にいたかった…
陰日向から愛を馳せるだけで、よかった。
よかったはずなのに…
呼ぶことを許されない愛しい人の名前を心の中で何度も囁いて、今夜も僕は一人で眠る。
◇◇◇
片思いのすれ違い夫婦の話。ふんわり貴族設定。
二人が幸せに愛を伝えあえる日が来る日を願って…。
セリ (18)
南方育ち・黒髪・はしばみの瞳・オメガ・伯爵
ローレン(24)
北方育ち・銀髪・碧眼・アルファ・侯爵
◇◇◇
50話で完結となります。
お付き合いありがとうございました!
♡やエール、ご感想のおかげで最後まではしりきれました。
おまけエピソードをちょっぴり書いてますので、もう少しのんびりお付き合いいただけたら、嬉しいです◎
また次回作のオメガバースでお会いできる日を願っております…!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる