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第七話 プレゼント
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「どうされましたか?レオン様」
レオンの「おい」という言葉の意図をメイド長が代表して聞いた。
「なぜノアにはおかえりと言わないのか」
「――え?」
「だから、なぜ俺には言うのにノアには言わないのか聞いているんだ」
俺――!?俺は別にもう慣れたから、というより今は手をつながれていてそっちに気がいっていたため、全く気にしていなかったが、レオンは気になったらしい。
「ノアは俺の結婚相手なのだろう?ならばノアもお前らの主人だろう。その主人を無視するとは何事だ」
そういったレオンは周りの使用人をぐるりと見渡した。
その視線が向いていないときに、メイド長が俺のことをギロリと睨んできた。
レオンを止めなさい。とでも言うかのように。
般若のような顔で睨まれることに耐えられなくなった俺は口を開いた。
「――レオン様?俺のためにありがとうございます。ですが大丈夫ですよ」
「ノアが平気だと言っても俺が許さない」
あー。これはもうどうしようもないな。
それを察した俺は、旦那様が使用人たちに怒る姿を静かに見ていた。
「……ノア様、朝食の準備が整いました」
「分かりました」
レオンが記憶喪失になってから1週間。まだ記憶は完全に戻ってはいなかった。
あの日以降は、使用人たちの俺への態度はマシになっていた。
顔や口調からは嫌そうな感じがもろに出ていたが。
「やあ!おはよう、ノア」
「レオン様、おはようございます」
ダイニングルームまで行くと、既に椅子に腰かけたレオンがいた。
「昨日はよく眠れたかい?」
「はい。良い寝具をプレゼントして下さりありがとうございました」
昨日、レオンから高級寝具をもらった。
一昨日は、高級画材をもらった。
一昨昨日は、珍しい外国の本をもらった。
というように俺はレオンから毎日何かプレゼントをもらっていた。
誕生日はまだ先で、特になにかの記念日などではないため、プレゼントはありがたいがなぜそんなにプレゼントを渡されるのか分からず、少しだけ怖かった。
もしかして、今のレオンは俺に好意でも抱いてくれているのか。とも考えたが、記憶喪失前の旦那様はあの態度だったため、それはないか。と考え直した。
「あの……。レオン様。プレゼントは本当に、とても嬉しいのですが、レオン様に俺は何も返せていないので申し訳なくて……」
「?俺が渡したいと思うから渡しているから気にしなくて大丈夫だよ」
無邪気な笑みでレオンは言う。
そんな笑いをされたら、もうプレゼントは大丈夫ですなんて言いにくいよ……。
だが、レオンの負担を増やしたくないし……。と思った俺は必死に頭を回転させ、思いついた。
「プレゼントって、特別な日にたまにもらうから嬉しさが増すと思いませんか?レオン様」
「うーん。それもあるかもな」
よし、いけるぞ。
「もらう立場の俺が言うのもあれなのですが、レオン様からのプレゼントは特別な日にもらいたいです」
「そうか……分かったよ」
レオンが少しだけしゅんとした顔をしたため、俺の中にあった申し訳なさが倍増したが、
「ありがとうございます」
としか言えなかった。
レオンの「おい」という言葉の意図をメイド長が代表して聞いた。
「なぜノアにはおかえりと言わないのか」
「――え?」
「だから、なぜ俺には言うのにノアには言わないのか聞いているんだ」
俺――!?俺は別にもう慣れたから、というより今は手をつながれていてそっちに気がいっていたため、全く気にしていなかったが、レオンは気になったらしい。
「ノアは俺の結婚相手なのだろう?ならばノアもお前らの主人だろう。その主人を無視するとは何事だ」
そういったレオンは周りの使用人をぐるりと見渡した。
その視線が向いていないときに、メイド長が俺のことをギロリと睨んできた。
レオンを止めなさい。とでも言うかのように。
般若のような顔で睨まれることに耐えられなくなった俺は口を開いた。
「――レオン様?俺のためにありがとうございます。ですが大丈夫ですよ」
「ノアが平気だと言っても俺が許さない」
あー。これはもうどうしようもないな。
それを察した俺は、旦那様が使用人たちに怒る姿を静かに見ていた。
「……ノア様、朝食の準備が整いました」
「分かりました」
レオンが記憶喪失になってから1週間。まだ記憶は完全に戻ってはいなかった。
あの日以降は、使用人たちの俺への態度はマシになっていた。
顔や口調からは嫌そうな感じがもろに出ていたが。
「やあ!おはよう、ノア」
「レオン様、おはようございます」
ダイニングルームまで行くと、既に椅子に腰かけたレオンがいた。
「昨日はよく眠れたかい?」
「はい。良い寝具をプレゼントして下さりありがとうございました」
昨日、レオンから高級寝具をもらった。
一昨日は、高級画材をもらった。
一昨昨日は、珍しい外国の本をもらった。
というように俺はレオンから毎日何かプレゼントをもらっていた。
誕生日はまだ先で、特になにかの記念日などではないため、プレゼントはありがたいがなぜそんなにプレゼントを渡されるのか分からず、少しだけ怖かった。
もしかして、今のレオンは俺に好意でも抱いてくれているのか。とも考えたが、記憶喪失前の旦那様はあの態度だったため、それはないか。と考え直した。
「あの……。レオン様。プレゼントは本当に、とても嬉しいのですが、レオン様に俺は何も返せていないので申し訳なくて……」
「?俺が渡したいと思うから渡しているから気にしなくて大丈夫だよ」
無邪気な笑みでレオンは言う。
そんな笑いをされたら、もうプレゼントは大丈夫ですなんて言いにくいよ……。
だが、レオンの負担を増やしたくないし……。と思った俺は必死に頭を回転させ、思いついた。
「プレゼントって、特別な日にたまにもらうから嬉しさが増すと思いませんか?レオン様」
「うーん。それもあるかもな」
よし、いけるぞ。
「もらう立場の俺が言うのもあれなのですが、レオン様からのプレゼントは特別な日にもらいたいです」
「そうか……分かったよ」
レオンが少しだけしゅんとした顔をしたため、俺の中にあった申し訳なさが倍増したが、
「ありがとうございます」
としか言えなかった。
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