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セリナ・リーヴェルは書斎で最後の資料整理に没頭していた。机上には、中央平原の交易路拡張案、ロストリル村の再建進捗報告、そして次回諸侯評議会で提示すべき統計が山積となっている。
「王都への報告書は、これで十分でしょうか」
三日間かけて練り上げた発言原稿を指しながら、セリナは書記官のマルセルに問いかけた。
マルセルは椅子から立ち上がり、原稿を丁寧にめくりながら頷く。
「はい、セリナ様。交易路の効果、農業生産の向上、財政収支の改善――すべて数字で裏づけられております」
セリナは深く礼をし、窓辺へ一歩進んだ。外には緑滴る庭園と、遠くに笑い声が漏れる馬場の光景が広がる。
(王都で、私は――)
胸中に去来する思いを、セリナはかすかに震える声に乗せて呟いた。
(私は、あなたと共に築いたこの領地の成果を、胸を張って報告したい)
背後から扉が開き、アレイスター=クロフォードが現れた。灰色の外套を羽織り、落ち着いた表情でセリナの隣に立つ。
「セリナ、準備は万端か?」
アレイスターは静かに声をかけ、室内を見回す。資料の配置や、原稿用紙の行間にも気を配るその姿は、辺境の領地を共に歩んできた盟友のようだった。
セリナは深く頷き、資料の山を指差した。
「ええ、。ここにあるすべてを一言一句、大切に伝えましょう」
アレイスターは微笑み、机に置かれた原稿をそっと手に取る。
「私たちならきっと、人々の心に届くだろう。私は君の隣で、その言葉を支えるだけだ」
言葉は短いが、その奥に揺るぎない信頼がにじんでいた。セリナは胸の奥で固く拳を握りしめ、熱い決意を秘めたままアレイスターと共に書斎を後にした。
午後、馬車は城門を抜け出し、整備された幹線道を一路王都へと向かっていた。窓外を流れる景色は、平原の緑が一層深くなり、遠くの山岳には春霞がたなびいている。
マルセルが書簡をまとめながら問いかける。
「評議会では、まず交易路の成果を説明し、その後に農業改革、財政見通しへと移る流れでよろしいでしょうか」
セリナは地図に視線を落とし、指先でルートを辿りながら応えた。
「はい。交易路拡張による物流量増加の実測値を提示し、その信用を背景に、農地復興と税収改善を示します」
アレイスターは馬上から頷き、ふと空を仰いだ。
「評議会の席では権力者たちの思惑も交錯する。君の言葉が相手の心を動かすには、数字以上の物語が必要だ」
セリナは馬車の窓を指さす。
「例えば、昨年の干ばつで危機に瀕したロストリル村の例を紹介し、その後の再建によって村人の生活がどう変化したか、人数と時間軸を示すことで、感情的な共感を呼び起こせると思います」
アレイスターは鋭く目を細め、地図を見つめる。
「そのエピソードは確かに有効だ。君の説明に人の声を足すことで、評議会の重鎮たちもただの記録としてだけではなく、未来の構想として受け止めやすくなるはずだ」
セリナは微笑を深め、向かい合ったあなたに軽く会釈した。
ーーー
首都の大理石の階段を登りきると、重厚な柱廊が広がる諸侯評議会の会場へと足を進める。室内の静寂は緊張感を孕み、提言者たちがそれぞれの順番を待って書類を再確認している。
セリナは入口で一礼し、アレイスターと肩を並べながら奥へ進んだ。評議会長の椅子が高く構えられ、周囲には王族高官や諸侯が列を成して座している。
司会者の声が静かに会場に響いた。
「それでは、リーヴェル領地代理――セリナ・リーヴェル様、ご報告をお願いいたします」
セリナは深呼吸し、ゆっくりと正面の演壇へと歩みを進める。背筋を伸ばし、資料を両手で抱きかかえる。アレイスターは後方で静かに見守りながらも、いつでも助け舟を出せる姿勢で立っている。
会場のざわめきが収まると、セリナは低めの落ち着いた声で報告を始めた。
「王都評議会にお集まりの皆様、本日はリーヴェル領地における改革成果をご報告申し上げます。まず、昨年一年間で実施いたしました交易路拡張事業の結果について――」
出席者の手元には中央平原の地図と共に、交易量の推移グラフが書かれた資料がある。
「ご覧のとおり、交易量は従来比二十五パーセント増を達成し、領地内外の物流が円滑化いたしました。その成果を基礎に、次に農業生産面での改善策を講じまして――」
会場にはわずかなうなずきと、メモを取る筆先の音だけが響く。セリナは声を落ち着けながらも強弱をつけ、発表を続ける。
セリナは反応を確かめつつ、次の資料へと視線を移した。アレイスターは隣で誇らしげに微笑みを浮かべ、そっと頭を下げた。
報告は農業改革、財政健全化策、公共インフラの整備へと続き、すべての項目において具体的な数値と住民の声を織り交ぜた構成となっている。
最後にセリナは想いを込めて結びの言葉を述べた。
「辺境の地であっても、人々の暮らしに寄り添い、その声をすくい取ることで、領地は必ず再生し、発展いたします。私とアレイスター=クロフォード領地伯の協力のもと、今後もこの理念を胸に、さらなる飛躍を目指す所存です」
会場は沈黙の後、大きな拍手に包まれた。諸侯や高官たちが立ち上がり、称賛と承認の拍手を送り、セリナの胸には安堵と達成感が同時に込み上げた。
議場を後にしたセリナは、静かにあなたの隣へ寄り添い、柔らかく微笑んだ。あなたはその笑みに応え、腕を差し伸べた。
「よくやった、セリナ」
「ありがとうございます、アレイスターさん。あなたのおかげです」
二人の言葉は必要最小限だったが、その確かな絆を何よりも雄弁に物語っていた。
議会の後、辺境伯邸へと戻る馬車の中で、セリナは新たな資料に目を通しながら誓った。
(この成功を、私たちの次なる挑戦への原動力としよう。辺境に根ざした理想を、王国全土へと広げるために。)
窓の外には夕暮れの雲が茜色に染まり、二人の未来を祝福するかのように大地を優しく照らしていた。
「王都への報告書は、これで十分でしょうか」
三日間かけて練り上げた発言原稿を指しながら、セリナは書記官のマルセルに問いかけた。
マルセルは椅子から立ち上がり、原稿を丁寧にめくりながら頷く。
「はい、セリナ様。交易路の効果、農業生産の向上、財政収支の改善――すべて数字で裏づけられております」
セリナは深く礼をし、窓辺へ一歩進んだ。外には緑滴る庭園と、遠くに笑い声が漏れる馬場の光景が広がる。
(王都で、私は――)
胸中に去来する思いを、セリナはかすかに震える声に乗せて呟いた。
(私は、あなたと共に築いたこの領地の成果を、胸を張って報告したい)
背後から扉が開き、アレイスター=クロフォードが現れた。灰色の外套を羽織り、落ち着いた表情でセリナの隣に立つ。
「セリナ、準備は万端か?」
アレイスターは静かに声をかけ、室内を見回す。資料の配置や、原稿用紙の行間にも気を配るその姿は、辺境の領地を共に歩んできた盟友のようだった。
セリナは深く頷き、資料の山を指差した。
「ええ、。ここにあるすべてを一言一句、大切に伝えましょう」
アレイスターは微笑み、机に置かれた原稿をそっと手に取る。
「私たちならきっと、人々の心に届くだろう。私は君の隣で、その言葉を支えるだけだ」
言葉は短いが、その奥に揺るぎない信頼がにじんでいた。セリナは胸の奥で固く拳を握りしめ、熱い決意を秘めたままアレイスターと共に書斎を後にした。
午後、馬車は城門を抜け出し、整備された幹線道を一路王都へと向かっていた。窓外を流れる景色は、平原の緑が一層深くなり、遠くの山岳には春霞がたなびいている。
マルセルが書簡をまとめながら問いかける。
「評議会では、まず交易路の成果を説明し、その後に農業改革、財政見通しへと移る流れでよろしいでしょうか」
セリナは地図に視線を落とし、指先でルートを辿りながら応えた。
「はい。交易路拡張による物流量増加の実測値を提示し、その信用を背景に、農地復興と税収改善を示します」
アレイスターは馬上から頷き、ふと空を仰いだ。
「評議会の席では権力者たちの思惑も交錯する。君の言葉が相手の心を動かすには、数字以上の物語が必要だ」
セリナは馬車の窓を指さす。
「例えば、昨年の干ばつで危機に瀕したロストリル村の例を紹介し、その後の再建によって村人の生活がどう変化したか、人数と時間軸を示すことで、感情的な共感を呼び起こせると思います」
アレイスターは鋭く目を細め、地図を見つめる。
「そのエピソードは確かに有効だ。君の説明に人の声を足すことで、評議会の重鎮たちもただの記録としてだけではなく、未来の構想として受け止めやすくなるはずだ」
セリナは微笑を深め、向かい合ったあなたに軽く会釈した。
ーーー
首都の大理石の階段を登りきると、重厚な柱廊が広がる諸侯評議会の会場へと足を進める。室内の静寂は緊張感を孕み、提言者たちがそれぞれの順番を待って書類を再確認している。
セリナは入口で一礼し、アレイスターと肩を並べながら奥へ進んだ。評議会長の椅子が高く構えられ、周囲には王族高官や諸侯が列を成して座している。
司会者の声が静かに会場に響いた。
「それでは、リーヴェル領地代理――セリナ・リーヴェル様、ご報告をお願いいたします」
セリナは深呼吸し、ゆっくりと正面の演壇へと歩みを進める。背筋を伸ばし、資料を両手で抱きかかえる。アレイスターは後方で静かに見守りながらも、いつでも助け舟を出せる姿勢で立っている。
会場のざわめきが収まると、セリナは低めの落ち着いた声で報告を始めた。
「王都評議会にお集まりの皆様、本日はリーヴェル領地における改革成果をご報告申し上げます。まず、昨年一年間で実施いたしました交易路拡張事業の結果について――」
出席者の手元には中央平原の地図と共に、交易量の推移グラフが書かれた資料がある。
「ご覧のとおり、交易量は従来比二十五パーセント増を達成し、領地内外の物流が円滑化いたしました。その成果を基礎に、次に農業生産面での改善策を講じまして――」
会場にはわずかなうなずきと、メモを取る筆先の音だけが響く。セリナは声を落ち着けながらも強弱をつけ、発表を続ける。
セリナは反応を確かめつつ、次の資料へと視線を移した。アレイスターは隣で誇らしげに微笑みを浮かべ、そっと頭を下げた。
報告は農業改革、財政健全化策、公共インフラの整備へと続き、すべての項目において具体的な数値と住民の声を織り交ぜた構成となっている。
最後にセリナは想いを込めて結びの言葉を述べた。
「辺境の地であっても、人々の暮らしに寄り添い、その声をすくい取ることで、領地は必ず再生し、発展いたします。私とアレイスター=クロフォード領地伯の協力のもと、今後もこの理念を胸に、さらなる飛躍を目指す所存です」
会場は沈黙の後、大きな拍手に包まれた。諸侯や高官たちが立ち上がり、称賛と承認の拍手を送り、セリナの胸には安堵と達成感が同時に込み上げた。
議場を後にしたセリナは、静かにあなたの隣へ寄り添い、柔らかく微笑んだ。あなたはその笑みに応え、腕を差し伸べた。
「よくやった、セリナ」
「ありがとうございます、アレイスターさん。あなたのおかげです」
二人の言葉は必要最小限だったが、その確かな絆を何よりも雄弁に物語っていた。
議会の後、辺境伯邸へと戻る馬車の中で、セリナは新たな資料に目を通しながら誓った。
(この成功を、私たちの次なる挑戦への原動力としよう。辺境に根ざした理想を、王国全土へと広げるために。)
窓の外には夕暮れの雲が茜色に染まり、二人の未来を祝福するかのように大地を優しく照らしていた。
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