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春斗さんのものが何度も私を貫いて、そのたびに私は自分の身体が淫らに震えるのを感じていた。
自分の中に収まっているものがどういうものか、手に取るようにはっきりとわかる。脈打つ僅かな凹凸が擦れるだけで気持ち良くて、止まるところを知らない快楽に気が狂いそうだった。
私が何度目かわからない絶頂を迎えて壁にぐったりともたれかかったところで、ようやく春斗さんは私の拘束を解いてくれる。
けれど自由になったところで春斗さんに抵抗できるわけがなくて、私は四つん這いにさせられた状態で腰を高く上げさせられた。
ほとんど力が入らないから、春斗さんが私の腰を引き上げている形になっている。
「脚の力抜いたらあかんよ?」
そう言われた次の瞬間、春斗さんのものが背後から挿入される。
すぐに互いの肌がぶつかって、奥に触れたそれは私の中をかき回すように動く。掻き出された生ぬるい液体が脚を伝って落ちていくのがわかった。
「あっ……はる……ひゃうっ!」
「ぐっちゃぐちゃやなぁ。お仕置きやったはずやのに、何回もイっとったもんなぁ」
春斗さんは低い声で笑うと、すっきり濡れている花芯を爪先で弾いて、悲鳴に近い嬌声を上げる私を責めるように腰をさらに深くへと埋めた。
入り口がこじ開けられて、私の内側が激しく疼く。
「だ、だめっ!」
もう何度も注がれてこれ以上は無理だと身体が警鐘を鳴らす。
けれど春斗さんは堪えるような声を上げて、私の内側に精を吐いた。
しばらくして春斗さんのものは抜かれたけれど、熱は消えないまま残っている。
春斗さんの手がへその下に伸ばされて、優しく押されると中に注がれたものがこぽりと音を立てて溢れ出した。
「この感じやったら、すぐに子どもできてまうかもしれへんなぁ」
「こ、ども……」
「ほしいやろ?俺と楓の子どもや」
私と、春斗さんの間の子供。
唐突にあるイメージが浮かんだ。
私が白い布に包まれた赤ちゃんを抱いている。
けれどその顔は黒く塗りつぶされていて、顔立ちも表情も、性別もわからない。
「けど、しばらくは楓と2人がええなぁ。次はちゃんと避妊の事も考えんとな」
春斗さんはひくついている私の中に指を入れると、自ら注いだものを掻き出すように出し入れを繰り返す。脚を伝って何かが落ちていく感触がしばらく続いた。
「楓がすぐほしいんやったらええよ。楓の子どもや、絶対可愛いやろな」
そう言いながら春斗さんは手を緩める。掻き出したものを指先で拭って、私の中に戻した。
私はどうしたいのか、春斗さんはそう尋ねると私の返事を待つ前に再び剛直を奥へ叩きつける。
「安心しぃ。楓も子どもも両方可愛がったる。でもそれやったら早めに式のこと考えんとなぁ。お腹大きいんは大変やろ」
春斗さんは楽しそうに私には想像できない未来を語る。けれど確信を持って語られるその言葉は私の中に入り込んでこびりついた。
そしてその未来を肯定するかのように、春斗さんのものが存在感を増して僅かに震える。
「式はいつがええかなぁ。場所も決めんとな」
「楓の親にも挨拶行かなあかんなぁ」
「新婚旅行はヨーロッパでも行こか?楓は動物好きやったな。オーストラリアでもええか」
私の嬌声を返事にしながら春斗さんが腰を揺する。
もうクタクタなのに、薬のせいなのか疼き続ける身体は貪欲に刺激を求め続けている。
「大阪も案内したりたいなぁ。馴染みの旨い店連れてったるわ」
「そういやテーマパークもあるなぁ。楓と行くんならおもろいかもな」
身体が勝手に震えて、春斗さんのものを切なく締め付ける。密接した部分は互いに激しく脈打って、何度目かわからない絶頂の手前にいた。
そこで春斗さんはゆっくりと覆い被さるようにして私を抱き締めた。中のものの角度が変わり、私は掠れた声で悲鳴を上げる。
「楓はほんまにええ声で鳴いてくれるなぁ」
すぐ耳元で春斗さんの声がして吐息が掠める。次いで背中に鈍い痛みが走って、噛まれているんだと気付いた。
春斗さんは自身のものを奥へと埋めて、私を抱く腕に力を込める。
ぶるりと震えた後に訪れた絶頂は、私の全てを白く染めた。
しばらくの間、何もわからなくなっていた。
くったりと横向きに倒れそうになった私は荒く息を吐きながら意識を保つためにシーツを握る。
「もうにげたりしませんから、ゆ……」
許してください。そう言い終える前に私は咄嗟に口を閉じた。
春斗さんの雰囲気が変わったからだ。
「もう?」
中のものがずるりと抜かれて、私はそのまま仰向けに転がされる。
私は何か、春斗さんの気に食わないことを言ってしまったんだろうか。
春斗さんは聞き分けの悪い子供に言い聞かせるような、そんなどこか呆れた顔と光のない瞳で私を見下ろしていた。
「わ、私……ごめんなさい……」
わからない。でも謝らないとと本能が告げていた。
春斗さんは小さく息を吐く。
「そうやなぁ。もうってことは、まだそんなこと考えとったってことやもんな」
「違……そんなつもりじゃ……」
頼ることのできる人もいなければ、昌治さんにだって合わせる顔もない。美香にも、心配をかけさせてしまった。
こうなってしまった原因ではあるけど、これから私が頼ることができる人は春斗さんしかいない。
逃げられるだなんて思わない。
「確かにお仕置き言うてやりすぎたかもしれへんけど、そもそも逃げるなんて考えてまうこと自体おかしいやろ?楓は俺のもんになったんやから。気に入らんところがあるんやったら言うてくれればちゃんと直すで?」
春斗さんの手が私の手首を掴んでいる力が少しずつ強くなってきている。
回答を求められているんだろう。でも、熱と快楽が覚めきらない頭で、その最適な回答を導き出せるはずもなかった。
今の状態の私からは返事が返ってこないであろうことを察した春斗さんは疲れているなら仕方ないと言いながら、私をベッドに押し付ける手に力を込める。
「こんなにも愛しとるのに逃げよう思われたら悲しいねん。わかってや、楓」
優しい、軽く触れるだけの口付けが落とされる。
同時にどこからか甘い香りが漂ってきて、私の意識はふつりと途切れた。
自分の中に収まっているものがどういうものか、手に取るようにはっきりとわかる。脈打つ僅かな凹凸が擦れるだけで気持ち良くて、止まるところを知らない快楽に気が狂いそうだった。
私が何度目かわからない絶頂を迎えて壁にぐったりともたれかかったところで、ようやく春斗さんは私の拘束を解いてくれる。
けれど自由になったところで春斗さんに抵抗できるわけがなくて、私は四つん這いにさせられた状態で腰を高く上げさせられた。
ほとんど力が入らないから、春斗さんが私の腰を引き上げている形になっている。
「脚の力抜いたらあかんよ?」
そう言われた次の瞬間、春斗さんのものが背後から挿入される。
すぐに互いの肌がぶつかって、奥に触れたそれは私の中をかき回すように動く。掻き出された生ぬるい液体が脚を伝って落ちていくのがわかった。
「あっ……はる……ひゃうっ!」
「ぐっちゃぐちゃやなぁ。お仕置きやったはずやのに、何回もイっとったもんなぁ」
春斗さんは低い声で笑うと、すっきり濡れている花芯を爪先で弾いて、悲鳴に近い嬌声を上げる私を責めるように腰をさらに深くへと埋めた。
入り口がこじ開けられて、私の内側が激しく疼く。
「だ、だめっ!」
もう何度も注がれてこれ以上は無理だと身体が警鐘を鳴らす。
けれど春斗さんは堪えるような声を上げて、私の内側に精を吐いた。
しばらくして春斗さんのものは抜かれたけれど、熱は消えないまま残っている。
春斗さんの手がへその下に伸ばされて、優しく押されると中に注がれたものがこぽりと音を立てて溢れ出した。
「この感じやったら、すぐに子どもできてまうかもしれへんなぁ」
「こ、ども……」
「ほしいやろ?俺と楓の子どもや」
私と、春斗さんの間の子供。
唐突にあるイメージが浮かんだ。
私が白い布に包まれた赤ちゃんを抱いている。
けれどその顔は黒く塗りつぶされていて、顔立ちも表情も、性別もわからない。
「けど、しばらくは楓と2人がええなぁ。次はちゃんと避妊の事も考えんとな」
春斗さんはひくついている私の中に指を入れると、自ら注いだものを掻き出すように出し入れを繰り返す。脚を伝って何かが落ちていく感触がしばらく続いた。
「楓がすぐほしいんやったらええよ。楓の子どもや、絶対可愛いやろな」
そう言いながら春斗さんは手を緩める。掻き出したものを指先で拭って、私の中に戻した。
私はどうしたいのか、春斗さんはそう尋ねると私の返事を待つ前に再び剛直を奥へ叩きつける。
「安心しぃ。楓も子どもも両方可愛がったる。でもそれやったら早めに式のこと考えんとなぁ。お腹大きいんは大変やろ」
春斗さんは楽しそうに私には想像できない未来を語る。けれど確信を持って語られるその言葉は私の中に入り込んでこびりついた。
そしてその未来を肯定するかのように、春斗さんのものが存在感を増して僅かに震える。
「式はいつがええかなぁ。場所も決めんとな」
「楓の親にも挨拶行かなあかんなぁ」
「新婚旅行はヨーロッパでも行こか?楓は動物好きやったな。オーストラリアでもええか」
私の嬌声を返事にしながら春斗さんが腰を揺する。
もうクタクタなのに、薬のせいなのか疼き続ける身体は貪欲に刺激を求め続けている。
「大阪も案内したりたいなぁ。馴染みの旨い店連れてったるわ」
「そういやテーマパークもあるなぁ。楓と行くんならおもろいかもな」
身体が勝手に震えて、春斗さんのものを切なく締め付ける。密接した部分は互いに激しく脈打って、何度目かわからない絶頂の手前にいた。
そこで春斗さんはゆっくりと覆い被さるようにして私を抱き締めた。中のものの角度が変わり、私は掠れた声で悲鳴を上げる。
「楓はほんまにええ声で鳴いてくれるなぁ」
すぐ耳元で春斗さんの声がして吐息が掠める。次いで背中に鈍い痛みが走って、噛まれているんだと気付いた。
春斗さんは自身のものを奥へと埋めて、私を抱く腕に力を込める。
ぶるりと震えた後に訪れた絶頂は、私の全てを白く染めた。
しばらくの間、何もわからなくなっていた。
くったりと横向きに倒れそうになった私は荒く息を吐きながら意識を保つためにシーツを握る。
「もうにげたりしませんから、ゆ……」
許してください。そう言い終える前に私は咄嗟に口を閉じた。
春斗さんの雰囲気が変わったからだ。
「もう?」
中のものがずるりと抜かれて、私はそのまま仰向けに転がされる。
私は何か、春斗さんの気に食わないことを言ってしまったんだろうか。
春斗さんは聞き分けの悪い子供に言い聞かせるような、そんなどこか呆れた顔と光のない瞳で私を見下ろしていた。
「わ、私……ごめんなさい……」
わからない。でも謝らないとと本能が告げていた。
春斗さんは小さく息を吐く。
「そうやなぁ。もうってことは、まだそんなこと考えとったってことやもんな」
「違……そんなつもりじゃ……」
頼ることのできる人もいなければ、昌治さんにだって合わせる顔もない。美香にも、心配をかけさせてしまった。
こうなってしまった原因ではあるけど、これから私が頼ることができる人は春斗さんしかいない。
逃げられるだなんて思わない。
「確かにお仕置き言うてやりすぎたかもしれへんけど、そもそも逃げるなんて考えてまうこと自体おかしいやろ?楓は俺のもんになったんやから。気に入らんところがあるんやったら言うてくれればちゃんと直すで?」
春斗さんの手が私の手首を掴んでいる力が少しずつ強くなってきている。
回答を求められているんだろう。でも、熱と快楽が覚めきらない頭で、その最適な回答を導き出せるはずもなかった。
今の状態の私からは返事が返ってこないであろうことを察した春斗さんは疲れているなら仕方ないと言いながら、私をベッドに押し付ける手に力を込める。
「こんなにも愛しとるのに逃げよう思われたら悲しいねん。わかってや、楓」
優しい、軽く触れるだけの口付けが落とされる。
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