小日本帝国

ypaaaaaaa

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亜細亜の虎

五カ年計画達成

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支那の統一が成り、東亜三国は春を享受していた。
共和民国と朝鮮は日本の経済的奴隷ではあったものの、直接的な痛みを伴うものではなく三国はともに目覚ましい経済成長を遂げていた。
また、日本国内でも帝国五カ年計画は順調に進んでおり治安はすこぶる良好であった。
1934年当時の政府は海軍の重鎮である岡田啓介が首相の任にあったが、その支持率は脅威の92%。
普通選挙を導入してから最も高い数値となった。
岡田はこれを背景に軍部の権力縮小を断行。
日本の軍部はドイツ帝国式であり、天皇陛下直属の軍隊である。
そのため、軍部は帷幄上奏権という物を持っていた。
これは首相を通さずとも陛下に直接意見を申し上げることが出来るという権利であり、これが軍部の増長を招いていた。
岡田はこれを撤廃することとしたのである。
当然、軍部からは凄まじい反発があったが世論は岡田側を支持。
この情勢をご覧になられた陛下は帷幄上奏権の撤廃を認可なされた。
これはご聖断に違いなく、軍部はこれに逆らうことは出来なかったのである。
こうして軍部の政治的影響力は縮小されていくことになる。


軍部は政治的影響力は縮小を余儀なくされたが、逆に軍備に関しては増強された。
これは友邦である共和民国をソ連から守るための兵力であった。
海軍に関しても東亜三国の海上交通を守護するために海防艦や初春型駆逐艦の増産や航空機の配備などで予算が増額された。
まさに飴と鞭を使い分けたわけだが、軍部は俄かに溜飲を下げたのだった。
これを機に日本軍は政治的権力を持つ集団から一軍事組織へと真っ当な変革を始めたのである。


1935年になると帝国五カ年計画は完遂され、日本は第二の近代化を成し遂げた。
これで産業水準は欧米列強と比べて遜色ない程度に押し上げられ、国内競争力も跳ね上がった。
世界市場は次第に欧州からアジアへその軸足を動かし始めている。
その証拠に日本はアメリカ、ソ連、イギリスに次ぐ世界四番目の経済大国へ上り詰めていた。
また共和民国や朝鮮もそれぞれ中堅国の地位となっていた。
これとは対照的にドイツやフランスなどは世界恐慌の爪痕がまだ残り、ドイツでは極右政党のナチ党が政権を掌握した。
フランスはそのような事態にはならなかったが、国内は乱れ政治は機能不全に陥った。
加えて、フランスは膨大な植民地の維持費も重く圧し掛かっていた。
特にインドシナ半島では先の支那統一戦争で余剰した武器が民族主義者たちの手に渡り、現地部隊と衝突していたのである。
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