山本五十六の逆襲

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再編成

ジョンストン島空襲

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第一航空艦隊は8月3日にギルバート諸島を出撃した。
無線封止を敷き、厳粛な雰囲気が艦隊に漂うことを山口は感じ、早くも勝利を確信した。
(ミッドウェーでの敗北は慢心によるものが大きい…今回はそれが無い。このまま行けば問題なく勝てる!)
山口も決して油断はしていないが、直感的にそう確信したのである。


ジョンストン島近海へは8月5日には到達していた。
明日の明朝に攻撃隊を出撃させ、ジョンストン島を完膚なきまで叩き潰すのである。
「いよいよ明日か」
山口のつぶやきに源田は答える。
「皆、よくやっています。それに、ジョンストン島へは一撃のみ加えて撤退いたしますのでご心配には及びません」
源田の言葉に山口も頷く。
「ここで勝てば、我が国はまだ踏ん張れる」
山口は暗い海を睨みつけながら言った。


1942年8月6日午前1時30分。
日本時間ではまだ深夜であるが、ここはハワイとほぼ同経度に位置しすでに太陽が昇らんとしていた。
「発艦始め!」
日向の艦橋で山口の命令が木霊する。
次々と艦載機達が5空母の飛行甲板を蹴って空に舞っていく。
ジョンストン島攻撃隊は江草道隆少佐に率いられた艦戦99機、艦爆54機、艦攻54機の計207機である。
残る艦戦81機は艦隊直掩として、艦爆18機と艦攻18機はそれぞれ敵空母が出現した時への備えとされた。
偵察は全て利根と筑摩の水偵が担う予定であり、偵察任務に就く水上機は合わせて8機であった。


207機の攻撃隊は順調にジョンストン島へ進撃していった。
そしてついに敵レーダーの探知範囲内に入った。
いつ戦闘機に攻撃されてもおかしくない。
だが、一向にそのような気配が無く江草は逆に不気味な恐怖に襲われた。
「隊長!ジョンストン島が見えました!」
もはやここまでくると攻撃成功は目に見えていた。
だが、ここでようやく敵戦闘機が現れた。
P40が8機にF2Aが5機。
まさに間に合わせの戦闘機たちである。
これを99機の零戦が寄ってたかって撃墜し、ついに攻撃本隊はジョンストン島へ雪崩れ込んだ。
まず、飛行場が爆撃を受ける。
どうやら、爆撃機などを空中退避させる余裕が無かったらしく滑走路やエルロンには多数の爆撃機が駐機されていた。
これに猛烈な爆撃と機銃掃射を加えそのほとんど全てを破壊。
港湾施設なども甚大な被害を受けた。
これで攻撃は終了し、日本側は艦爆2機と艦攻1機を対空砲火で失ったがジョンストン島の飛行場や港湾施設を破壊せしめた。
「勝った」
山口は大きく頷いた。
この後、攻撃隊を収容した後の午前4時10分に第一航空艦隊はギルバート諸島への帰路に就いたのである。
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