山本五十六の逆襲

ypaaaaaaa

文字の大きさ
48 / 87
ニミッツの逆襲

決戦エンジン

しおりを挟む
ハワイ沖海戦から2週間ほど経った9月8日。
追浜の空技廠本部にて誉二二型が耐久審査に合格した。
直径は互換性を重視して金星エンジンと同径の1218mmとしたことでエンジン設計に余裕が出来、初期型の誉の不調はすっかり鳴りを顰めていた。
また、馬力も1800馬力から2000馬力に強化されている。
まさに”決戦エンジン”とも言える物である。
日本陸海軍は”次の決戦は1945年の春先”と考えており、それまでにこの誉を搭載した新型機を大量配備しておかなければならなかった。
陸軍で言うとキ94などであるが、海軍は今だ十七試艦上戦闘機の開発に四苦八苦しており1945年までに実戦配備が可能かどうかは分かっていなかった。
そこで、小沢は陣風にこの誉を搭載することとした。
陣風は火星エンジンを搭載しており、どちらかといえば局地戦闘機の性格が強く、間に合わせの艦上戦闘機だったが、小沢はここで陣風を完成された艦上戦闘機に仕立て上げようと考えたのである。
すぐに開発元に川西に誉搭載型陣風の開発指示が下り、川西はすぐに再設計を開始した。


誉の実用化により日本陸海軍の航空機開発は潤滑油が差されたように進み始めた。
まずはキ84が1943年中に制式採用されることが決まり、また艦攻と艦爆を統合した十六試艦攻も年内に先行量産型が生産されることに決まった。
だが、この陰に埋もれてしまったエンジンがあった。
それが金星エンジンである。
金星エンジンはすでに1500馬力を発揮可能な六二型が採用されており、これをふいにするのは如何にももったいなかった。
量産性も誉より優れており、陸海軍はこの金星六二型の扱いを思慮し、ついに結論を出した。
陸軍は三式戦飛燕の、海軍は零戦のエンジンをそれぞれこの金星エンジンに換装することとした。
飛燕は水冷エンジンを採用したことがたたり、稼働率が悲惨なことになっている。
そして零戦はもはやアメリカ海軍の新型艦戦であるF6Fに歯が立たない。
この両機に新型エンジンを搭載し、再び戦場で通用する戦闘機としようと言うのが陸海の考えであった。
1500馬力もあれば設計次第ではあるものの、時速600㎞越えも夢ではなくそうでなくとも戦闘爆撃機的な運用が可能であった。
また、これらの機体は概ねビルマ戦線、そして南方戦線などの消耗が激しく地上戦が散発する戦線に配備されることになるため実績と整備の経験がる金星エンジンを搭載した機体が配備されることは理にかなっていた。
これらを勘案して金星エンジンも”決戦エンジン”と呼称されることになる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【架空戦記】炎立つ真珠湾

糸冬
歴史・時代
一九四一年十二月八日。 日本海軍による真珠湾攻撃は成功裡に終わった。 さらなる戦果を求めて第二次攻撃を求める声に対し、南雲忠一司令は、歴史を覆す決断を下す。 「吉と出れば天啓、凶と出れば悪魔のささやき」と内心で呟きつつ……。

【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記

糸冬
歴史・時代
開戦劈頭の真珠湾攻撃にて、日本海軍は第三次攻撃によって港湾施設と燃料タンクを破壊し、さらには米空母「エンタープライズ」を撃沈する上々の滑り出しを見せた。 それから半年が経った昭和十七年(一九四二年)六月。三菱長崎造船所第三ドックに、一隻のフネが傷ついた船体を横たえていた。 かつて、「太平洋の女王」と称された、海軍輸送船「浅間丸」である。 ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。 ※過去作「炎立つ真珠湾」と世界観を共有した内容となります。

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

徳川慶勝、黒船を討つ

克全
歴史・時代
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 尾張徳川家(尾張藩)の第14代・第17代当主の徳川慶勝が、美濃高須藩主・松平義建の次男・秀之助ではなく、夭折した長男・源之助が継いでおり、彼が攘夷派の名君となっていた場合の仮想戦記を書いてみました。夭折した兄弟が活躍します。尾張徳川家15代藩主・徳川茂徳、会津藩主・松平容保、桑名藩主・松平定敬、特に会津藩主・松平容保と会津藩士にリベンジしてもらいます。 もしかしたら、消去するかもしれません。

裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する

克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。

対ソ戦、準備せよ!

湖灯
歴史・時代
1940年、遂に欧州で第二次世界大戦がはじまります。 前作『対米戦、準備せよ!』で、中国での戦いを避けることができ、米国とも良好な経済関係を築くことに成功した日本にもやがて暗い影が押し寄せてきます。 未来の日本から来たという柳生、結城の2人によって1944年のサイパン戦後から1934年の日本に戻った大本営の特例を受けた柏原少佐は再びこの日本の危機を回避させることができるのでしょうか!? 小説家になろうでは、前作『対米戦、準備せよ!』のタイトルのまま先行配信中です!

滝川家の人びと

卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。 生きるために走る者は、 傷を負いながらも、歩みを止めない。 戦国という時代の只中で、 彼らは何を失い、 走り続けたのか。 滝川一益と、その郎党。 これは、勝者の物語ではない。 生き延びた者たちの記録である。

世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記

颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。 ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。 また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。 その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。 この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。 またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。 この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず… 大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。 【重要】 不定期更新。超絶不定期更新です。

処理中です...