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ニミッツの逆襲
スプールアンスターン
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案の定、ポートモレスビー奪還部隊は発見されてしまった。
それはポートモレスビー沖南西600海里の地点だった。
「もう発見されたのか…」
スプールアンスとしては日本軍の用心深さにただ感服することしか出来なかった。
もはやポートモレスビーに対しての奇襲は不可能となり、正面衝突しか方法が無くなった。
それに、日本海軍の機動部隊もすぐに行動を起こすに違いなく、スプールアンスは考えをめぐらす。
(ここでこのまま突撃すれば護衛空母のみならず、高速空母すらむざむざと失うことになる。長官は最後までこの派遣を渋っていたのだから、私が身代わりとなって太平洋艦隊の窮地を救わねば…!)
高速空母はまさに反撃の要。
それを戦力的に不利な戦場へ放り込むなど愚の骨頂であった。
スプールアンスは遂に決断し、第五八機動部隊に対して反転を命じた。
これには後に”スプールアンスターン”と呼ばれることになる。
これに連携して第七艦隊も撤退しようとしたが、第七艦隊のキンケイド中将は司令部に反抗するほどの胆力は無く、第七艦隊は現場と日本海軍の実力をしっかり把握できていない司令部の言うがままに作戦の続行が決定した。
その後の第七艦隊の惨状は言うに及ばない。
鈍足の護衛空母は思い切った艦隊行動が行えず、苦労したものの何とか輸送船団を伴ってポートモレスビーまで300海里の地点まで迫ったが、その時に空襲を受けた。
それはギルバートから出撃してきた第一航空艦隊の攻撃隊であり、護衛空母群も応戦したが陣風と型落ちのF4Fではおよそ勝負にならず攻撃隊は思うがままに第七艦隊を空襲。
一回の空襲でいきなり13隻もの護衛空母を第七艦隊は失うことになる。
日本軍の攻撃はまだ続く。
今度はポートモレスビーから基地航空隊が到達し、次々と生き残った艦船に攻撃。
もはや上空に迎撃できる戦闘機は存在せず一方的な攻撃により生き残りの3隻の護衛空母もついに沈没。
また、上陸船団も徹底した攻撃を受け4万の兵力の内、実に2万人が死亡した。
こうしてポートモレスビー沖航空戦は日本海軍の圧倒的勝利で幕を閉じたのである。
帰投したスプールアンスはすぐに軍事裁判にかけられた。
スプールアンスの成したことは敵前逃亡のような物であったからだ。
それに、これはマッカーサーの私怨も含まれている。
(あのまま艦隊を前進させていればポートモレスビーを奪還できていたに違いない!)
功績に目がくらんでいたマッカーサーにとってスプールアンスは悪魔のように映ったのである。
だが、あの状況でポートモレスビーへ突撃すれば第五八機動部隊も壊滅していたに違いなく、ニミッツは恩赦を求めたが認められずスプールアンスは敵前逃亡罪で死刑が宣告された。
その間、スプールアンスは誰にも責任を転嫁しなかったため幕僚達はそのまま第五八機動部隊に残ることになる。
このスプールナアンスが命を懸けて守り抜いた6隻の高速空母はまさに”ニミッツの反撃の要”となるのである。
それはポートモレスビー沖南西600海里の地点だった。
「もう発見されたのか…」
スプールアンスとしては日本軍の用心深さにただ感服することしか出来なかった。
もはやポートモレスビーに対しての奇襲は不可能となり、正面衝突しか方法が無くなった。
それに、日本海軍の機動部隊もすぐに行動を起こすに違いなく、スプールアンスは考えをめぐらす。
(ここでこのまま突撃すれば護衛空母のみならず、高速空母すらむざむざと失うことになる。長官は最後までこの派遣を渋っていたのだから、私が身代わりとなって太平洋艦隊の窮地を救わねば…!)
高速空母はまさに反撃の要。
それを戦力的に不利な戦場へ放り込むなど愚の骨頂であった。
スプールアンスは遂に決断し、第五八機動部隊に対して反転を命じた。
これには後に”スプールアンスターン”と呼ばれることになる。
これに連携して第七艦隊も撤退しようとしたが、第七艦隊のキンケイド中将は司令部に反抗するほどの胆力は無く、第七艦隊は現場と日本海軍の実力をしっかり把握できていない司令部の言うがままに作戦の続行が決定した。
その後の第七艦隊の惨状は言うに及ばない。
鈍足の護衛空母は思い切った艦隊行動が行えず、苦労したものの何とか輸送船団を伴ってポートモレスビーまで300海里の地点まで迫ったが、その時に空襲を受けた。
それはギルバートから出撃してきた第一航空艦隊の攻撃隊であり、護衛空母群も応戦したが陣風と型落ちのF4Fではおよそ勝負にならず攻撃隊は思うがままに第七艦隊を空襲。
一回の空襲でいきなり13隻もの護衛空母を第七艦隊は失うことになる。
日本軍の攻撃はまだ続く。
今度はポートモレスビーから基地航空隊が到達し、次々と生き残った艦船に攻撃。
もはや上空に迎撃できる戦闘機は存在せず一方的な攻撃により生き残りの3隻の護衛空母もついに沈没。
また、上陸船団も徹底した攻撃を受け4万の兵力の内、実に2万人が死亡した。
こうしてポートモレスビー沖航空戦は日本海軍の圧倒的勝利で幕を閉じたのである。
帰投したスプールアンスはすぐに軍事裁判にかけられた。
スプールアンスの成したことは敵前逃亡のような物であったからだ。
それに、これはマッカーサーの私怨も含まれている。
(あのまま艦隊を前進させていればポートモレスビーを奪還できていたに違いない!)
功績に目がくらんでいたマッカーサーにとってスプールアンスは悪魔のように映ったのである。
だが、あの状況でポートモレスビーへ突撃すれば第五八機動部隊も壊滅していたに違いなく、ニミッツは恩赦を求めたが認められずスプールアンスは敵前逃亡罪で死刑が宣告された。
その間、スプールアンスは誰にも責任を転嫁しなかったため幕僚達はそのまま第五八機動部隊に残ることになる。
このスプールナアンスが命を懸けて守り抜いた6隻の高速空母はまさに”ニミッツの反撃の要”となるのである。
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