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緒戦
帰投
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敵空母への攻撃隊は戦闘大隊2個、爆撃大隊2個、雷撃大隊2個の計180機であった。
これを村田重治少佐が指揮する。
真珠湾攻撃隊と比べるとやはり見劣りするが、敵は僅か空母1隻の艦隊。
これならば180機もの攻撃隊で叩けば鎧袖一触なのは目に見えていたのである。
零式多攻の巡航速度は素晴らしいものがあり、ハルゼー艦隊まで僅か1時間ほどで到達した。
「長官!ジャップの航空機です!大量です!」
ブローニングからの報告にハルゼーは苦虫を噛み潰したかのような顔をした。
「とにかくF4FとSBDを発進させろ!」
SBDは急降下爆撃機であるが、固定武装として12.7㎜機銃を装備しており、アメリカ軍のTBD等の鈍重な艦攻なら十分戦闘可能だった。
そう、鈍重な艦攻なら。
なんとか発進に成功した迎撃隊は迫りくる日本軍攻撃隊に襲い掛かろうとした。
だが、攻撃隊には54機もの戦闘大隊所属の零式多攻が護衛に付いており、彼らは迎撃隊を見つけるや否や食らいついていった。
次々と20㎜機銃の猛射を受けてF4FやSBDは撃墜されていく。
新型機銃がその性能を遺憾なく発揮したからでもあるが、迎撃に向かってきたF4F36機、SBD24機は一方的に撃墜された。
それでも何機かは攻撃隊に攻撃を仕掛けたが、攻撃隊ももちろん零式多攻である。
爆弾や魚雷を装備しているとは言え、機動性はある程度確保できているためSBDなどはとても攻撃できなかった。
結局、この空戦で撃墜された零式多攻は2機のみ。
反ってアメリカ軍はF4F22機、SBD24機の46機を失うという大敗を喫した。
こうしてハルゼー艦隊の上空はがら空きとなったのである。
その後のハルゼー艦隊は悲惨そのものだった。
エンタープライズに合わせて60機以上の攻撃隊が殺到し、次々と命中弾を得ていった。
250㎏爆弾12発、800㎏航空魚雷14本を喰らいハルゼーなどが退避する間もなく、波間に沈んでいったのである。
残る艦艇にも攻撃隊は追い打ちをかけ、重巡ノーザンプトンと駆逐艦2隻を撃沈した。
南雲はこの戦果を聞いて満足し、攻撃隊を収容した後に全艦に対して帰投を命令した。
既に攻撃目標はこの付近に存在しえなかったのである。
「この零式多攻は素晴らしい機体だな」
南雲はそう一人零す。
確かに今回の戦果はこの零式多攻によるものが大きく、もし従来通り艦戦や艦爆、艦攻を艦載していたとしたら攻撃力が減少し、エンタープライズなどは仕留められなかったかもしれない。
これを村田重治少佐が指揮する。
真珠湾攻撃隊と比べるとやはり見劣りするが、敵は僅か空母1隻の艦隊。
これならば180機もの攻撃隊で叩けば鎧袖一触なのは目に見えていたのである。
零式多攻の巡航速度は素晴らしいものがあり、ハルゼー艦隊まで僅か1時間ほどで到達した。
「長官!ジャップの航空機です!大量です!」
ブローニングからの報告にハルゼーは苦虫を噛み潰したかのような顔をした。
「とにかくF4FとSBDを発進させろ!」
SBDは急降下爆撃機であるが、固定武装として12.7㎜機銃を装備しており、アメリカ軍のTBD等の鈍重な艦攻なら十分戦闘可能だった。
そう、鈍重な艦攻なら。
なんとか発進に成功した迎撃隊は迫りくる日本軍攻撃隊に襲い掛かろうとした。
だが、攻撃隊には54機もの戦闘大隊所属の零式多攻が護衛に付いており、彼らは迎撃隊を見つけるや否や食らいついていった。
次々と20㎜機銃の猛射を受けてF4FやSBDは撃墜されていく。
新型機銃がその性能を遺憾なく発揮したからでもあるが、迎撃に向かってきたF4F36機、SBD24機は一方的に撃墜された。
それでも何機かは攻撃隊に攻撃を仕掛けたが、攻撃隊ももちろん零式多攻である。
爆弾や魚雷を装備しているとは言え、機動性はある程度確保できているためSBDなどはとても攻撃できなかった。
結局、この空戦で撃墜された零式多攻は2機のみ。
反ってアメリカ軍はF4F22機、SBD24機の46機を失うという大敗を喫した。
こうしてハルゼー艦隊の上空はがら空きとなったのである。
その後のハルゼー艦隊は悲惨そのものだった。
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250㎏爆弾12発、800㎏航空魚雷14本を喰らいハルゼーなどが退避する間もなく、波間に沈んでいったのである。
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南雲はこの戦果を聞いて満足し、攻撃隊を収容した後に全艦に対して帰投を命令した。
既に攻撃目標はこの付近に存在しえなかったのである。
「この零式多攻は素晴らしい機体だな」
南雲はそう一人零す。
確かに今回の戦果はこの零式多攻によるものが大きく、もし従来通り艦戦や艦爆、艦攻を艦載していたとしたら攻撃力が減少し、エンタープライズなどは仕留められなかったかもしれない。
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