超量産艦隊

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八八艦隊計画

ワシントン海軍軍縮条約

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扶桑型戦艦8隻の建造は順調に進んでいった。
1919年、つまり大戦争が終結した年にはすでに8隻ともが進水式を終えて艤装工事に入っていた。
そして1921年。
ついに8隻の扶桑型戦艦は竣工したのである。


「これは良い戦艦だ…」
東郷は第一砲塔の前から戦艦扶桑を眺めていた。
扶桑型戦艦は6本の支柱に支えられる巨大な艦橋が船体のやや後方に置かれている。
だから東郷からの視点で見るとかなり迫力があった。
(この戦艦が八隻もあれば、欧米列強など…)
そこまで考えると東郷は咄嗟に考えるのを辞めた。
いずれ列強各国はこの戦艦を超える艦を建造してくる。
なら圧倒的に優位になることはありえない。
「この戦艦はいつまで現役で居座れるのだろうか」
東郷は未来を眺めていた。


扶桑型戦艦8隻の艦名は以下の通りである。
一番艦:扶桑
二番艦:山城
三番艦:伊勢
四番艦:日向
五番艦:長門
六番艦:陸奥
七番艦:土佐
八番艦:加賀


この8隻が日本海軍が初めて建造し手に入れた超弩級戦艦であり、16インチ以上の主砲を備えた世界初めての戦艦であった。
これには欧米列強も衝撃を受けた。
なにせ、つい最近までは準弩級戦艦しか持っていなかった極東の後進国が16インチ砲を9門搭載する戦艦を、しかも8隻も建造したのだ。
列強各国は新造戦艦の配備を急ぐとともに、どうにかして日本海軍の戦力を抑え込む方向に舵を切ろうとしていた。
すぐにアメリカ発案の元、ワシントンにて海軍軍縮条約が開かれた。
表向きは財政の負担を軽くすることが目的だが、本当の目的は日本海軍の増長を防ぐことだった。
ただ、日本海軍としては八八艦隊計画で計画された戦艦を全て建造し終えており態度としては”煮るなり焼くなり好きにしろ”といったところだった。
結果的に主力艦比は英米日で5:5:3となった。
ただし日本海軍の保有する超弩級戦艦は8隻とも16インチ砲搭載艦の為、英米とも日本と同数の8隻までは16インチ砲搭載艦を建造することが認められた。
その代わり8隻の超弩級戦艦を破棄しなければならない。
ただここまでしないと日本海軍はさらに戦艦を建造し手が付けられなくなると英米は考えたのだった。
そしてさらに妥協したのが巡洋艦だった。
日本海軍は現在、金剛型装甲巡洋艦を建造しておりこれはなんとしてでも完成させねばならなかった。
そこで日本側は排水量1万8000トン、備砲10インチ以下と言う物を提案。
これを断る理由は英米にも無く、認められた。
だが、実際は当の日本にはあくまで八八艦隊計画の中ではあるものの、さらなる新型戦艦を建造する気も予算も無かった。
それよりも海軍としては本会議で規制された空母の方が注目度が高かった。
(欧州では航空機が戦局に寄与したとも聞く…もしかすると海戦においてもいずれそうなるかもしれない)
これは海軍の中堅、若手将校の考えだが日本海軍は英米に負けぬためにこれを建造しない手は無かった。
ともあれ、ワシントン会議は日本にとっては利益も不利益もない形で終結した。
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