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2 残虐な着ぐるみ
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老人が快活に言った。
京一はおどろいて目を見開くと、
「本当ですか⁉ すみません。その女の子、どこに行ったか教えてもらえますか?」と尋ねた。
「この通りを通ってな、ずっと北に向かって歩いて行っとったよ」
北の方角を指さして見ながら、老人が言った。
「北ですか……」
頭の中に入れるように、京一がくり返し言った。
「ありがとうございます。では」
そう言うと、京一は老人に一礼をして、北に向かって歩きはじめた。
「気いつけるんだよー」
後ろから老人の声が聞こえた。
それから京一は北を目指して歩きながらも、聞き込みを続け、三十人目にして、またしても有力な情報を得ることができた。
それは階段を上っていた時のことだ。京一は、ビニール袋を手にした、家族らしき集団の一人に声をかけた。母親だろうか、女の人からは穏やかな雰囲気を感じる。その女の人は京一に、乙葉に関する情報を気さくに話してくれた。
「その子なら、この階段の先にある、坂を上っていったよ。猫も一緒だった」
女の人から猫と言うワードを聞いて、京一はこう思った。
先ほど老人が話していたことと合致する——となると、坂の上に乙葉がいる可能性が高い。
教えてくれた親切な女の人に礼をいい、京一はひとまず、階段の上を目指して先をいそいだ。
階段を上り切ると、街灯がまばらについてはいるものの、暗くて視界の悪い坂道が目に入った。普通の人間なら、明日になるのを待って、いまこの時に、坂を上ることを諦めるだろうか。
(いや、俺は諦めない。武道を志す者として、ここで諦めることなどあってはならない。俺は、必ずあいつを助ける)
乙葉をなにがなんでも助けることを決意した京一は、ひるむことなく前に進んでいった。
しばらく坂を上っていると、視線の先に猫がいることに気づいた。
「なんで、こんなところに猫が……」
その猫を見て、京一はハッとした。この猫は三毛猫だ。先ほど老人が言っていた猫と同じ猫。ということはつまり、乙葉と一緒に歩いていた猫ではないのか。いや、きっとそうにちがいない。
京一は三毛猫に近づき、その場に跪くと、
「お前、乙葉を知らないか?」と聞いた。
三毛猫は京一をいちべつすると、
「ニャー」と言って、するすると坂を上っていった。
「ついてこいってことか? はっ、面白い。行ってやろう」
そう言うと、京一は三毛猫のあとを追いかけて走った。
♢♢♢
京一はおどろいて目を見開くと、
「本当ですか⁉ すみません。その女の子、どこに行ったか教えてもらえますか?」と尋ねた。
「この通りを通ってな、ずっと北に向かって歩いて行っとったよ」
北の方角を指さして見ながら、老人が言った。
「北ですか……」
頭の中に入れるように、京一がくり返し言った。
「ありがとうございます。では」
そう言うと、京一は老人に一礼をして、北に向かって歩きはじめた。
「気いつけるんだよー」
後ろから老人の声が聞こえた。
それから京一は北を目指して歩きながらも、聞き込みを続け、三十人目にして、またしても有力な情報を得ることができた。
それは階段を上っていた時のことだ。京一は、ビニール袋を手にした、家族らしき集団の一人に声をかけた。母親だろうか、女の人からは穏やかな雰囲気を感じる。その女の人は京一に、乙葉に関する情報を気さくに話してくれた。
「その子なら、この階段の先にある、坂を上っていったよ。猫も一緒だった」
女の人から猫と言うワードを聞いて、京一はこう思った。
先ほど老人が話していたことと合致する——となると、坂の上に乙葉がいる可能性が高い。
教えてくれた親切な女の人に礼をいい、京一はひとまず、階段の上を目指して先をいそいだ。
階段を上り切ると、街灯がまばらについてはいるものの、暗くて視界の悪い坂道が目に入った。普通の人間なら、明日になるのを待って、いまこの時に、坂を上ることを諦めるだろうか。
(いや、俺は諦めない。武道を志す者として、ここで諦めることなどあってはならない。俺は、必ずあいつを助ける)
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しばらく坂を上っていると、視線の先に猫がいることに気づいた。
「なんで、こんなところに猫が……」
その猫を見て、京一はハッとした。この猫は三毛猫だ。先ほど老人が言っていた猫と同じ猫。ということはつまり、乙葉と一緒に歩いていた猫ではないのか。いや、きっとそうにちがいない。
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「お前、乙葉を知らないか?」と聞いた。
三毛猫は京一をいちべつすると、
「ニャー」と言って、するすると坂を上っていった。
「ついてこいってことか? はっ、面白い。行ってやろう」
そう言うと、京一は三毛猫のあとを追いかけて走った。
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