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第二十二章
長女と末っ子
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俺はレイさんと二人でエルヴィレッジへ戻ってきた。アウェイ2連戦の遠征で2週間、ルーク聖林に囚われて――体感はともかく実際は――1週間、合計3週間とちょっとここを訪れていない事になる。流石に懐かしい気持ちになるな。
「は、入っちゃって良いのかな?」
「気にせんと上がってー! 殆ど誰もおらんし」
そんな中、俺はレイさんに先導されて女子寮の方へ来ていた。彼女の言う通り選手は殆どいない。遠征組はゴルルグ族の首都グレートワームへ、控えの大半はまた普及活動で様々な地方へ行っているからだ。
「確かに静かを通り越して不気味だね……」
先ほど感じた懐かしい気持ちは、この静けさに『部活の連中すら帰ってだ誰もいない学校』を思い出したからかもしれない。
「いつもみんな誰かれ構わずワイワイ楽しゅーやってるからなあ。『デイエルフとナイトエルフの偏見』とか言われてもさっぱり実感ないわ」
靴を脱いで寮の廊下を歩きながらレイさんは呆れた様に言う。彼女なりに今回の騒動に対して思う所があった口調だ。
「それは実際に毎日、触れ合っているからさ。距離とかメディアとか間に挟むと色々、あるんだよ」
俺はなるべく色々なモノが目に入らないよう――脱ぎ散らかされた下着とか、食べ物のカスとか――レイさんの膝裏だけを見ながら答える。が、
『アシ……いいよね』
というバートさんの言葉が甦って慌てて目を上げる。
「ウチとも触れ合う?」
「え?」
「前にナリンねえさんとしてたみたいに、めー摘むって手を握って引っ張ろか?」
レイさんが言っているのは、以前ルーナさんの見舞いに訪れた時の事だろう。
「ああいうプレイ、好きなんやろ?」
「違います!」
そう否定する俺の手をレイさんはさっと握り、ついで素早く恋人握りに変形させて嬉しそうにはにかむ。
「誰もおらん寮でそっと繋がるなんて……なんかイケナイことしてるみたいやね!」
「レイさん言い方!」
と反論したものの俺も少しそう考えてた。いやどちらかと言うと手を組み替える動作のスムーズさに感心していたが。
「残念、もうついてしもうたわ」
そんな事を言い合っている間に俺たちは目的の部屋の前へ着いた。角部屋ではなく真ん中でもない。無理矢理サッカー用語で言えばハーフスペースだ。彼女らしいと言える。
「ほなここ」
「……うん」
俺はドアをノックしようと振り上げた手を止め、悩む。何と言うべきだろうか?
「どしたん?」
「いやどう言ってノックしたものだろう? と」
俺が女性経験の無さを未成年の前で臆面もなく披露すると、レイさんはきょとん、とした顔で言った。
「そんなんふつうに『来たで~』でええやん! ほな一緒にしよ」
そう言うと明るいナイトエルフは俺と繋がったままの手でドアを叩き、大声で言った。
「パリスさん来たで~! 生きてる?」
巡回の民生委員会のオバサンのような声をかけてレイさんがドアを開け、俺は素早く手を離して姿勢を整えた。
「レイちゃ……さん!? それに監督!? はい、生きてます!」
中にはベッドに横たわり上半身だけ起こしたパリスさんがおり、読んでいた本を閉じて慌てて俺たちを出迎えようと立ち上がりかけていた。
「いやいや起きないで! そのままで!」
「そやで! ウチら、お見舞いに来たんやから!」
俺たちも俺たちで慌ててパリスさんを制止し、彼女のベッド脇に移動する。
「あ、お邪魔します。具合はどうですか?」
事後承諾になったが俺は勝手に部屋に入った詫びと目的を一気に済ませようとする。
「はい、本当に大した事は無いのですが、ザックコーチが『大事をとるように』と。ね?」
パリスさんは俺と目を合わさないようにレイさんの方を向きながら言った。デニス老公会が彼女の負傷を問い合わせた頃から、事の経緯はおおよそ伝わっている。それだけにかなり気不味いのだろう。
「そうやねん。パリスねえさん今回は不幸中の幸いやわ。あのザックコーチから『休め』言って貰えるんやもん。鬼フィジカルも免除やろ?」
レイさんは大げさにうんざりとした口調で言った。彼女はまだ未成年なので筋肥大系のトレーニングはほぼ課されていない筈だが、それでもやはり筋トレには苦手意識があるのだろう。
「ふふ、そうね。でも私、みんなで身体を苛め抜くの、そんなに嫌いじゃないけど」
パリスさんはそんなレイさんを見つめて微笑んだ。因みに今更だが顔には鼻の辺りに包帯が当てられているだけで、確かにそれほどの負傷ではない。笑ったりしても痛くはないようだ。
「みんなと言えば、今はここもハー……がらんどうですね。寂しくないですか?」
ノルウェー代表の巨漢FWをなんとなく思い浮かべつつ、話に加わる。
「いえ、静かで良いです。反省する時間にもなりますし……」
流石にこの問いかけから目を逸らす事はできなかったのだろう。パリスさんは俺の顔を見て、少し涙目になりながらいった。
「パリスさん」
「はい」
「やっぱり寂しいいんじゃないですか? 確か大家族の末っ子さんですよね? ですからご家族全員をここに招待しています。明日にはみんな到着すると思うので、ここに泊まって貰って一緒に過ごして下さい」
俺がそう言うとパリスさんは不意を突かれて目を丸くし固まった。
「え? そんな……ありがとうございます。でも私、それに兄たちも……」
「ええっ!? パリスねえさん末っ子なん!? そんなにしっかりしてるのに?」
何か続けようとするパリスさんにレイさんが割り込む。
「そんな! 私、全然しっかりしてなくて、だから今回の事も……」
「逆にウチ、こんなんでも4姉弟の長女なんやで。意外やろ?」
「え……うん」
「『うん』やないで! 今のは『そんな事ないわよ』って言って貰う為のフリやったのに!」
レイさんが自虐で笑いをとりながらパリスさんに突っ込むと、おとなしいデイエルフも遂に笑い声を漏らした。うむ、狙い通りだ。レイさんの存在がパリスさんの心の壁を崩してくれるだろう、と思って連れて来て良かった。
「まあその『今回の事』ですけどね」
しかしここからは俺の仕事だ。レイさんのパス――彼女が作ってくれた柔らかい空気――を無駄にしないよう、俺は努めて明るい口調で続けた。
「は、入っちゃって良いのかな?」
「気にせんと上がってー! 殆ど誰もおらんし」
そんな中、俺はレイさんに先導されて女子寮の方へ来ていた。彼女の言う通り選手は殆どいない。遠征組はゴルルグ族の首都グレートワームへ、控えの大半はまた普及活動で様々な地方へ行っているからだ。
「確かに静かを通り越して不気味だね……」
先ほど感じた懐かしい気持ちは、この静けさに『部活の連中すら帰ってだ誰もいない学校』を思い出したからかもしれない。
「いつもみんな誰かれ構わずワイワイ楽しゅーやってるからなあ。『デイエルフとナイトエルフの偏見』とか言われてもさっぱり実感ないわ」
靴を脱いで寮の廊下を歩きながらレイさんは呆れた様に言う。彼女なりに今回の騒動に対して思う所があった口調だ。
「それは実際に毎日、触れ合っているからさ。距離とかメディアとか間に挟むと色々、あるんだよ」
俺はなるべく色々なモノが目に入らないよう――脱ぎ散らかされた下着とか、食べ物のカスとか――レイさんの膝裏だけを見ながら答える。が、
『アシ……いいよね』
というバートさんの言葉が甦って慌てて目を上げる。
「ウチとも触れ合う?」
「え?」
「前にナリンねえさんとしてたみたいに、めー摘むって手を握って引っ張ろか?」
レイさんが言っているのは、以前ルーナさんの見舞いに訪れた時の事だろう。
「ああいうプレイ、好きなんやろ?」
「違います!」
そう否定する俺の手をレイさんはさっと握り、ついで素早く恋人握りに変形させて嬉しそうにはにかむ。
「誰もおらん寮でそっと繋がるなんて……なんかイケナイことしてるみたいやね!」
「レイさん言い方!」
と反論したものの俺も少しそう考えてた。いやどちらかと言うと手を組み替える動作のスムーズさに感心していたが。
「残念、もうついてしもうたわ」
そんな事を言い合っている間に俺たちは目的の部屋の前へ着いた。角部屋ではなく真ん中でもない。無理矢理サッカー用語で言えばハーフスペースだ。彼女らしいと言える。
「ほなここ」
「……うん」
俺はドアをノックしようと振り上げた手を止め、悩む。何と言うべきだろうか?
「どしたん?」
「いやどう言ってノックしたものだろう? と」
俺が女性経験の無さを未成年の前で臆面もなく披露すると、レイさんはきょとん、とした顔で言った。
「そんなんふつうに『来たで~』でええやん! ほな一緒にしよ」
そう言うと明るいナイトエルフは俺と繋がったままの手でドアを叩き、大声で言った。
「パリスさん来たで~! 生きてる?」
巡回の民生委員会のオバサンのような声をかけてレイさんがドアを開け、俺は素早く手を離して姿勢を整えた。
「レイちゃ……さん!? それに監督!? はい、生きてます!」
中にはベッドに横たわり上半身だけ起こしたパリスさんがおり、読んでいた本を閉じて慌てて俺たちを出迎えようと立ち上がりかけていた。
「いやいや起きないで! そのままで!」
「そやで! ウチら、お見舞いに来たんやから!」
俺たちも俺たちで慌ててパリスさんを制止し、彼女のベッド脇に移動する。
「あ、お邪魔します。具合はどうですか?」
事後承諾になったが俺は勝手に部屋に入った詫びと目的を一気に済ませようとする。
「はい、本当に大した事は無いのですが、ザックコーチが『大事をとるように』と。ね?」
パリスさんは俺と目を合わさないようにレイさんの方を向きながら言った。デニス老公会が彼女の負傷を問い合わせた頃から、事の経緯はおおよそ伝わっている。それだけにかなり気不味いのだろう。
「そうやねん。パリスねえさん今回は不幸中の幸いやわ。あのザックコーチから『休め』言って貰えるんやもん。鬼フィジカルも免除やろ?」
レイさんは大げさにうんざりとした口調で言った。彼女はまだ未成年なので筋肥大系のトレーニングはほぼ課されていない筈だが、それでもやはり筋トレには苦手意識があるのだろう。
「ふふ、そうね。でも私、みんなで身体を苛め抜くの、そんなに嫌いじゃないけど」
パリスさんはそんなレイさんを見つめて微笑んだ。因みに今更だが顔には鼻の辺りに包帯が当てられているだけで、確かにそれほどの負傷ではない。笑ったりしても痛くはないようだ。
「みんなと言えば、今はここもハー……がらんどうですね。寂しくないですか?」
ノルウェー代表の巨漢FWをなんとなく思い浮かべつつ、話に加わる。
「いえ、静かで良いです。反省する時間にもなりますし……」
流石にこの問いかけから目を逸らす事はできなかったのだろう。パリスさんは俺の顔を見て、少し涙目になりながらいった。
「パリスさん」
「はい」
「やっぱり寂しいいんじゃないですか? 確か大家族の末っ子さんですよね? ですからご家族全員をここに招待しています。明日にはみんな到着すると思うので、ここに泊まって貰って一緒に過ごして下さい」
俺がそう言うとパリスさんは不意を突かれて目を丸くし固まった。
「え? そんな……ありがとうございます。でも私、それに兄たちも……」
「ええっ!? パリスねえさん末っ子なん!? そんなにしっかりしてるのに?」
何か続けようとするパリスさんにレイさんが割り込む。
「そんな! 私、全然しっかりしてなくて、だから今回の事も……」
「逆にウチ、こんなんでも4姉弟の長女なんやで。意外やろ?」
「え……うん」
「『うん』やないで! 今のは『そんな事ないわよ』って言って貰う為のフリやったのに!」
レイさんが自虐で笑いをとりながらパリスさんに突っ込むと、おとなしいデイエルフも遂に笑い声を漏らした。うむ、狙い通りだ。レイさんの存在がパリスさんの心の壁を崩してくれるだろう、と思って連れて来て良かった。
「まあその『今回の事』ですけどね」
しかしここからは俺の仕事だ。レイさんのパス――彼女が作ってくれた柔らかい空気――を無駄にしないよう、俺は努めて明るい口調で続けた。
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