D○ZNとY○UTUBEとウ○イレでしかサッカーを知らない俺が女子エルフ代表の監督に就任した訳だが

米俵猫太朗

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第二十九章

うん、そう

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 オフの日にガッツリ遊ぶ選手もいれば、ツンカさん達のように半分遊んで半分トレーニングする選手もいる。俺が次に会うのはそれ以外のパターン、オフの日に仕事をするエルフ達だった。
「ふう……さっぱりした~」
 彼女達に野暮ったく汗臭い状態で面会する訳にはいかない。俺はシャワー室――火の精霊サラマンダーの力で24時間お湯が浴びれる様になっている。クラブハウス建設の際に強く要求した設備だ――で筋トレの汗を流し、スーツとまでは言わないまでもオフィスカジュアル的な服に着替えた。
 因みに利用したのはもちろん男湯、と言うか男性用シャワー室だ。コーチ陣にいる男は俺とザックコーチだけだが、他のスタッフにはそこそこ男性がいる。もちろん、こんな時間にお湯を頭から被ってリフレッシュしているのは俺だけだったが。
「いけね、もうこんな時間だ! 髪を乾かしながら行くか……」
 時計を見て待ち合わせギリギリなのに気づく。ツンカさんヨンさんとの遭遇で思ったよりトレーニングルームに長居してしまったな。俺は備品のタオルを手に急いで部屋を出た。

「あら? 素敵な姿」
「どうしたのショーちゃん!? 情事の後!?」
「破廉恥ですわ!」
 会議室に入った俺にダリオさん、シャマーさん、ムルトさんがそれぞれの反応を見せた。
「シャマーさんそんな訳ないでしょ! ムルトさんもシャマーさんの戯れ言を信じないで下さい! あ、シノメさんナリンさん済みません……」
 俺は髪をゴシゴシしながら両者へ突っ込み、無言で準備を続けるシノメさんとナリンさんに礼を言う。会議の出席者は俺を含め6名だ。
「いいえ。今日はノトジアからの砂と受け入れと設置、そして例の勉強会について……で良かったですか?」
 やや顔を赤らめながらナリンさんが応える。その耳にシノメさんが何か囁き、ナリンさんは更に顔を赤くした。
「ええ。今ナリンさんが言ってくれた順番で進めましょうか? そうしたら会計コンビとシャマーさんには退出して貰えますし」
 話している中身が分からないのは怖いが、こういうヒソヒソ話は女の子っぽくって良いなあ、と思いながら俺は答えた。
「何よショーちゃん! 私に早く出てって欲しいの? 内緒話?」
 言葉とは裏腹に少し楽しそうにシャマーさんが言う。普通は追い出されるのを嫌がる所だろうに、騙しや企みがあると思ったらこれだ。まったくドーンエルフの連中は……。
「シャマー! ショウキチさんは貴女の体調を思って言っているのよ。病み上がりでしょ? 勉強会の方も……特に楽しいモノでもないから」
 一方、ドーンエルフにしては堅物なダリオさんが俺をフォローして言ってくれた。
「そう、その勉強会! どんなの? このシャマーさんを外してやるからにはエッチなのじゃないだろうけど……」
 いやこれがある意味ではエッチな方面なんだよな……身体を隅々まで調べる事になるし。と、思ったものの俺は別の事を口にした。
「そうっすか。シャマーさんも興味ありますか。では加わります?」
「えっ!? 良いの?」
「ショーキチ殿、本気ですか?」
 その言葉に何も分からないままキャプテンは喜び、美貌のコーチは驚いた顔をした。
「本気ですよナリンさん。だってシャマーさんそういう方面強そうだし。あともっと本音を言えばシャマーさんが出て俺が休みたいくらいです。まあそうすると意味が無くなってしまうんですが」
 俺がそう言うと事情を知るナリンさんとダリオさんは流石に少し吹き出した。うん、笑える彼女らが羨ましい。やはり女性の方がこういう事に強いんだな。
「シャマー、その判断を後で後悔すれば良いですわ」
「あ、ムルトさんもご存じでしたか?」
 ここで割り込み呆れ顔で言い放つ会長の様子を見て、俺は問う。
「ええ。ノトジアへの支払い明細を見ました」
「……なるほど」
「えっ? 何です? 私、見てないかも?」
 やっぱ金の流れを把握するのって強いな、と頷く俺の横でシノメさんがキョトンとする。いや、彼女は知らなくて良いだろうしそういえば早く彼女たちを解放してあげたいのだった。
「その件は後で見て下さい。取りあえず最初の議題へ行きましょうか」
 俺はそう言って資料をめくった。

 砂。サンド。最初の資料にはソレの受け取り詳細が記されていた。今回ノトジアから来るブツの中で最も量が多いのがソレであり、会計組とシャマーさんを呼んだ理由も主にソレであった。
「先方さんの手配だと城の中庭までなんですよね?」
「はい。瞬間移動の魔法陣から中庭まではアチラの負担です」
「王城側としてもその間の許可は出しています」
 俺の質問にシノメさんが資料を確認しながら答え、ダリオさんが補足した。この度、俺は大量の砂をノトジアから輸入する事になったのだが、その最大の問題が運搬方法であった。
「その間ってどこを使うんですかね? 相乗りで延長できれば良いんですが」
「残念ながら業者ではなく軍のロジ部門ですね。使わせて貰うのは難しいかと」
 続けての質問にも間髪入れずに会計さんが答える。軍のロジスティクス部門、つまり兵站部隊ということだ。おそらくジャイアントやトロールの兵士が砂を袋に入れて担いで運ぶのだろう。確かに彼らに延々と運んで貰うのは難しそうだ。
「ですから一応、黒ピューマット、ビックフットワーク、トロールエクスプレスからアイミツを頂いていますわ。ですがとてもとても……」
 ムルトさんは次の資料を指さしながら首を横に振った。彼女が口にしたのはどれも運送会社さん――黒ピューマットは瞬間移動能力を持つ黒いネコっぽいモンスター、ビックフットワークはジャイアント、トロールエクスプレスはそのままトロール――の名前だ。そしてアイミツとは相見積もりの略。つまり三社に砂運搬にかかる料金の見積もりを貰って比較検討してみたのだ。
 だが彼女の反応で分かる通り、どこを選んでも非常に費用がかかるようだ。……本来は俺の軽い思いつきなのに。申し訳ない。
「と、いう訳でシャマーさん? お願いできないっすかね?」
 俺は興味なさそうに天井を見上げていた魔術師に声をかけた。
「何を?」
「砂を、瞬間移動の魔法でクラブハウスまで転移させるのを」
 見た事ないがシャマーさんの本宅は塔だ。話によると魔法使いは偉くなったら建てるものらしい。しかも彼女の事だし、きっと砂の嵐とかで防衛しているだろう。
「うーん、まあこの程度の重量なら風で巻いてできなくもないけどー」
 案の定、コンピューター並の頭脳を持つエルフは唇を摘みながら計算し言った。うむ、俺のヨミ通りだ。
「もちろん、謝礼は出しますよ」
「うんいただくー。ってちょっと待って! そもそも何で砂を!?」
 とそこで我に返ったようにシャマーさんが問いただしてきた。そうか、彼女にだけは何の説明もしてなかったか。
「ああ、実はビーチサッカー場を作るんですよ!」
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