【完結】冷徹執事は、つれない侍女を溺愛し続ける。

たまこ

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「おや?二人揃ってどうしたんだ?」



 ハロルドからプロポーズを受けた一週間後、ソフィアとハロルドはハワード公爵へ婚約の報告することとなった。



「ソフィアから婚約の了承を得られました。」



「えっ……!」




 目を見開き、口をぱくぱくとしている公爵に、ハロルドはそれ以上の説明はしようとせず、さっさと退室しようとする。




「ちょっ!ちょっと待ちなさい!もう少し、説明を……。」



「これ以上、旦那様に説明することはありません。大体、ソフィアを他の男の目に触れさせたくはないのです。」



「ハロルド……。私は君たちの主人だ。それに既婚者でもある。ソフィアに無礼なことをする訳ないだろう。」



「ソフィアの名を呼ばないでください。」



 人を殺しそうな目でぎろりと睨むハロルドを見て、公爵は大きく溜息をついた。



「ソフィア……ハロルドに何か脅されているんじゃないのか?力になるよ。」



「私たちの婚約を邪魔しようとしないで下さい。」



「ハロルド!」


 いくらハロルドが辛辣な執事であっても、流石に今日は度が過ぎている。ソフィアが制止すると、ハロルドは漸く口を閉じた。



「旦那様。婚約のことは、私自身で決めました。」



「ソフィア……。」



 心配そうにソフィアを見る公爵だが、少し前まで何かしらの弱みを握られ、ソフィアとハロルドがデート出来るよう画策していたじゃないか。そう言ってやりたい気持ちを抑え、再度大丈夫だと伝えようとしたが。




「もういいでしょう。」



 ハロルドは、ソフィアを隠すように肩を抱え、ドアに向かう。公爵が後ろでまだ話しているが、振り返ることも叶わなかった。




「さぁ、今日は休みだし、デートに行こう。」



「ちょっと待ってください。お嬢様のところにも行くって約束です。」



「そうだった……。早く行きたいけれど、ソフィアの一番報告したい人だからね。」



 この一週間、ハロルドは両家への報告を一人でしてくれた。ハロルドの実家は「時間を見つけて二人で顔を見せに来てね。」といった反応で、婚約を祝福してくれた。一方、ソフィアの実家は、報告すら顔を出したくないソフィアの気持ちに気付き、意気消沈していたようだ。婚約自体は了承を得られ、手続きも全てハロルドが済ませてくれていた。

 ハロルドがおざなりにしようとしていた公爵への報告を、二人で行こうと提案したのはソフィアだった。そして、ソフィアの大事な主、シャーロットにも二人で報告に行きたいという愛するソフィアの頼みを、ハロルドが断る筈が無かった。
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