【完結】冷徹執事は、つれない侍女を溺愛し続ける。

たまこ

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「それでどうしたの?」


 二人分のハーブティーを淹れ、一口飲むと漸く落ち着いたハロルドは来訪した理由を尋ねる。


「そうでした。明日ハロルドお休みでしょう?」


「ああ。」


「二人でどこか出掛けましょう。」


「え?」


 ハロルドは目を見開き「明日ソフィアは出勤だっただろう?」と言うが、ソフィアは首を振った。


「私も明日お休みにしてもらいました。」

 更に目を大きく見開くハロルドに、ソフィアは同僚と休みを代わってもらったことを伝える。同僚は実家の家業の手伝いをしており、家業が忙しい時期はソフィアがよく休みを交代したり、休みを返上して代わりに出勤することも多かった。その為、彼女は快くソフィアのお願いを聞いてくれたのだ。


「な、何で……。」


「私たち、休みもなかなか合わないから出掛けることが殆ど無いじゃないですか。」


 ハロルドとソフィアは、執事と侍女という元々休みの少ない職に就いている。仕事終わりに夕食に行くくらいしか時間を合わせることはできなかった。ハロルドは、ソフィアが仕事を大切にしていることをよく知っているので無理に休みを合わせようとはしなかった。


「良かったの?」


「はい。」


 ハロルドは不安そうに確認するが、ソフィアは何も気にしないといった顔で頷いた。


「勿論お嬢様のご都合もありますが、可能な時は休みを合わせましょう。」


「あ、ああ。じゃあ、ソフィアはどこか行きたい場所はある?」


「いえ。明日はハロルドが行きたい場所に行きましょう。」


「え、ええっと……。」


 いつもは強気のハロルドも、今日のソフィアには翻弄されっぱなしである。折角デートに行くなら可愛い婚約者の行きたい場所へエスコートしたいが、ソフィアの強い意志を持った瞳に抗えることは出来ず、行きたい場所は無いかと頭を巡らせる。だが……。


「無い……。」


「え?」


「行きたい場所が思い付かない。」


「思い付かないって……ハロルド、貴方いつものお休みの時はどう過ごして……?」


「ミルフィーユの美味しい店を探したり、ソフィアと夕食に行けそうな店を探してる。そうだ、明日はミルフィーユの美味しい店を巡ろうか。」


「もう!それじゃ駄目なんです!!」


 ハロルドの行動パターンに呆れ返ったソフィアは思わず叫んだ。

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