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第5章 ディハンジョン
【205話】 炎と風の衝突
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突如として現れた炎を纏いし剣を持つ少女との武器のぶつかり合いをしてる最中、俺は驚きを隠せなかった。
彼女のことは覚えている、マジックフェスティバルの時屋台で出会って少し話しただけ……それだけの関係だ。
そんな子がなんでこんな場所に……
そんな思考してる最中にも武器同士の衝撃に2人の距離が離れた。
「おっとと……やっぱこの程度じゃ終わらないよねぇ」
「なんで……なんで君がここにいるんだ!!君は一体何者なんだ!!」
こんなところにただの少女がいるわけがない……それにさっきの衝突で理解する。
彼女の強さを……こんなに強いのは……
ユウトの中で嫌な胸騒ぎがおこる、そしてそれは現実として突きつけられる事になる。
「私?そうだね!ちゃんと自己紹介しなきゃね!!」
「改めて!私は凶震戒、十戒士が1人……フレリア・リーラよろしくね!」
彼女の熱く燃える炎の剣とは対照的に彼女の自己紹介でその場が凍る。
突如として現れた十戒士を名乗る少女……その事に動揺が隠せないのだ。
「十戒士だぁ?こんな小娘がか?舐めてるんじゃねぇぞ!!」
そんな時、彼女の自己紹介を信じずに1人の男がフレリアへと近付く。
「……邪魔」
彼女はそう呟いた瞬間、剣を男へ振り熱く燃えたぎる炎を男へ向けながら俺とフレリアの周りを囲む壁のように放つ。
「ぐわぁっ!?」
幸いにも攻撃を向けられた男はなんとか炎は直撃はしなかった……けれど、この攻撃で俺はフレリアと共に炎に囲まれてしまった。
「ユウト!!」
アーデン達は炎の外……俺だけが取り残された。
「さぁやろうよ!お兄ちゃん!!」
淡いピンク色の衣装を身にまとい、スカートをヒラヒラと揺らしながら彼女は嬉しそうに笑う。
「なんで俺なんだ!一体いつから俺の事を!?」
そんな彼女に対して疑問が湧く、なぜ自分なんだと……バットルで俺に声をかけてきたのはこの時のためだったのかと。
「うーん……私人を見る目あるからお兄ちゃん見た時「あっこの人強くなるな~」って思ってたの」
「そしたら!お兄ちゃんがクラディくん倒したって聞いていてもたってもいられなくなって!!」
彼女は嬉しそうに答える。
割と最初から俺に目をつけていたのか……ちょっと嬉しいような複雑な気分だ。
「ユウト!加勢するぞ!!」
「いや、俺より……」
炎の外で俺に声をかけるアーデン、しかし俺は感じていた……ここに来るやつらの気配を。
「アーデン!魔獣達がこっちに!!」
「なにっ!?くそっ……この騒ぎを聞きつけたか!!」
「魔獣達はそっちに任せます!……俺はこっちに専念します」
炎の外で慌ただしくしているアーデン達に俺は魔獣に集中するように言葉をかけて目の前の少女へと顔を向けた。
「これで2人っきりだねお兄ちゃん!さっ!いくよ!!」
少女は笑顔でこちらへと向かってくる。
その巨大な剣を持ってるとは思えないほどの速度、俺は対応するために短剣2本を手に持ち少女の剣を受ける。
ぶつかりあう2つの剣。
「重っ!!」
「も~女の子に重たいって言っちゃダメなんだよ!」
ぶつかり合い押し合いになるもジリジリとこちらが押される。
「そういう意味じゃ……くっ!」
耐えられず下がる。
素の力ならこちらの方が上だ……けれど力の差を覆すほどの魔力量の差……
対峙してみてわかる、少女の異様なまでの魔力……レイナほどではないが魔力の使用の仕方を防御寄りではなく攻撃寄りにしたらこれほど強いのか……
「まだまだ楽しませてよ!!」
そんな考察してる間に少女は俺に猛攻を仕掛けてくる。
「──接続!!」
短剣を繋げて刀へと変換する。
力には力をぶつけ、再びぶつかり合う剣。
今度は互角……でもわかる、これでは勝てない。
このままの押し合いじゃ多分負ける。
だから彼女には力以外での対応を行う。
ギリギリと剣同士をぶつけ合いながらも風の魔法を彼女へと放つ。
「おっと!」
少女は軽々しく避け、俺から距離を離す。
その隙を見逃さない、近距離からの攻防が無理でも遠距離からの魔法ならば!
そう思い少女に追撃するように風の魔法を次々と放つ。
その攻撃自体は良かったのだろう……だが、風と炎その相性が悪かった。
少女へと放たれた風の魔法は少女が放った炎の魔法によって掻き消され、さらには少女の魔法の威力をあげていたのだ。
「くっ……」
少女の強化された魔法を避けながら後方へと下がる、その間も風の魔法による攻撃を続けるも……
「あははっ!お兄ちゃんの風!私の炎で消えちゃうね!!お返しにこれっっ!!」
少女は笑みを絶やさず風の魔法を打ち消し、剣を空に振い遠距離からの炎を斬撃を俺へと飛ばした。
広範囲!回避は無理!だから俺はジン器で彼女の斬撃を受ける。
ぶつかり合って数秒、拮抗しながらもなんとか地面へ叩き潰すように攻撃の軌道を逸らした。
「やるやる~!!」
少女は楽しそうに笑う。
さて風の魔法は彼女には通じない……なら
風の魔力から神の魔力へと切り替える。
「?様子が変わった?」
少女が俺の魔力への異変を感じる、完全に勘付かれる前に攻撃する!
神の魔力を少女へと真っ直ぐに放つ。
「でもまた!燃やせばいいだけだもんね!!」
そう言い放ち少女は再び炎の魔力を俺の神の魔力へと衝突させる。
風の魔力のままならば先ほどと同様の結果になっていただろう……けれど今回は神の魔力が炎を突き抜け少女の体へと直撃する。
「ッッ!」
攻撃を喰らって少女はよろける、今がチャンスだ。
神の魔力を少女へと連射する。
「流石に同じ手は喰らわないよ!!」
少女はすぐさま自身の人器である剣を盾のように前へと突き出して魔力を防ぐ。
攻撃は対処されて防がれた……まだだ!!
「──接続解除」
ジン器の刀から短刀へと変化させ投げ神の魔力を拳に宿す。
神の魔力は変幻自在、形を整えればある程度使える。
そして俺が今、神の魔力で作った物は。
ジャラララ
「鎖!?どこから?」
俺は両方にそれぞれ宿した神の魔力を鎖に変えて少女へと放つ。
「私を捕まえる気?残念!当たらないよ!!」
向かってくる鎖に対してその場を飛び回避する……しかしそれは予想済み。
カンッ!!
魔力で出来た鎖に何かが当たる……それは先ほど俺が投げたジン器の短刀。
俺の短刀は俺の意思で自由に飛ばせられる。
鎖の下からジン器を当てて鎖を上方向へ方向転換させる。
「うそっ!!」
鎖は2本とも少女の両足を捉えて捕まえる。
「せぇーの!!」
俺は鎖を高く上がるように腕を振り上げた。
鎖に足を繋がれた少女は服をヒラヒラとなびかせながらそのまま天井近くまで上がる。
「わわわっ!ちょっと待っ……」
「そらっ!!」
そして俺は力を入れ地面に叩きつけるように腕を振り下ろした。
少女は地面へ強く激突して砂煙を周囲にあげる。
この程度で勝てるとは思っていない……けれどかなりのダメージを与えられれば……
「もー痛ったいなー!!」
砂煙の中から少女は立ち上がる。
体中は先ほどの激突と砂煙で汚れているだけで少女は依然元気のままである。
「マジかよ……」
「ってかお兄ちゃん!!」
「ん?」
「私のパンツ見たでしょ……」
「…………見てない」
「よかった~今日は気合い入れて黒色のにしてたからあまり人に見られたくなかったんだ~」
「いや、ピンク色だっただろ」
俺が少女の間違いを指摘した瞬間、炎の斬撃が飛んできた。
「うおぉぉっ!!」
「やっぱ見てたんじゃん!!」
なんとか攻撃自体は回避できた……くそっかまをかけていたのか……!
それはそれとしてさっきの攻撃自体は全く効かなかったわけではないはずだ。
少しづつ……本当に少しづつだが、彼女とちゃんと戦えるようになっている。
まだだ、まだ俺はやれる!
ユウトの心は湧き上がりまた闘う。
その心の中にある戦いの楽しさに気付かないまま。
彼女のことは覚えている、マジックフェスティバルの時屋台で出会って少し話しただけ……それだけの関係だ。
そんな子がなんでこんな場所に……
そんな思考してる最中にも武器同士の衝撃に2人の距離が離れた。
「おっとと……やっぱこの程度じゃ終わらないよねぇ」
「なんで……なんで君がここにいるんだ!!君は一体何者なんだ!!」
こんなところにただの少女がいるわけがない……それにさっきの衝突で理解する。
彼女の強さを……こんなに強いのは……
ユウトの中で嫌な胸騒ぎがおこる、そしてそれは現実として突きつけられる事になる。
「私?そうだね!ちゃんと自己紹介しなきゃね!!」
「改めて!私は凶震戒、十戒士が1人……フレリア・リーラよろしくね!」
彼女の熱く燃える炎の剣とは対照的に彼女の自己紹介でその場が凍る。
突如として現れた十戒士を名乗る少女……その事に動揺が隠せないのだ。
「十戒士だぁ?こんな小娘がか?舐めてるんじゃねぇぞ!!」
そんな時、彼女の自己紹介を信じずに1人の男がフレリアへと近付く。
「……邪魔」
彼女はそう呟いた瞬間、剣を男へ振り熱く燃えたぎる炎を男へ向けながら俺とフレリアの周りを囲む壁のように放つ。
「ぐわぁっ!?」
幸いにも攻撃を向けられた男はなんとか炎は直撃はしなかった……けれど、この攻撃で俺はフレリアと共に炎に囲まれてしまった。
「ユウト!!」
アーデン達は炎の外……俺だけが取り残された。
「さぁやろうよ!お兄ちゃん!!」
淡いピンク色の衣装を身にまとい、スカートをヒラヒラと揺らしながら彼女は嬉しそうに笑う。
「なんで俺なんだ!一体いつから俺の事を!?」
そんな彼女に対して疑問が湧く、なぜ自分なんだと……バットルで俺に声をかけてきたのはこの時のためだったのかと。
「うーん……私人を見る目あるからお兄ちゃん見た時「あっこの人強くなるな~」って思ってたの」
「そしたら!お兄ちゃんがクラディくん倒したって聞いていてもたってもいられなくなって!!」
彼女は嬉しそうに答える。
割と最初から俺に目をつけていたのか……ちょっと嬉しいような複雑な気分だ。
「ユウト!加勢するぞ!!」
「いや、俺より……」
炎の外で俺に声をかけるアーデン、しかし俺は感じていた……ここに来るやつらの気配を。
「アーデン!魔獣達がこっちに!!」
「なにっ!?くそっ……この騒ぎを聞きつけたか!!」
「魔獣達はそっちに任せます!……俺はこっちに専念します」
炎の外で慌ただしくしているアーデン達に俺は魔獣に集中するように言葉をかけて目の前の少女へと顔を向けた。
「これで2人っきりだねお兄ちゃん!さっ!いくよ!!」
少女は笑顔でこちらへと向かってくる。
その巨大な剣を持ってるとは思えないほどの速度、俺は対応するために短剣2本を手に持ち少女の剣を受ける。
ぶつかりあう2つの剣。
「重っ!!」
「も~女の子に重たいって言っちゃダメなんだよ!」
ぶつかり合い押し合いになるもジリジリとこちらが押される。
「そういう意味じゃ……くっ!」
耐えられず下がる。
素の力ならこちらの方が上だ……けれど力の差を覆すほどの魔力量の差……
対峙してみてわかる、少女の異様なまでの魔力……レイナほどではないが魔力の使用の仕方を防御寄りではなく攻撃寄りにしたらこれほど強いのか……
「まだまだ楽しませてよ!!」
そんな考察してる間に少女は俺に猛攻を仕掛けてくる。
「──接続!!」
短剣を繋げて刀へと変換する。
力には力をぶつけ、再びぶつかり合う剣。
今度は互角……でもわかる、これでは勝てない。
このままの押し合いじゃ多分負ける。
だから彼女には力以外での対応を行う。
ギリギリと剣同士をぶつけ合いながらも風の魔法を彼女へと放つ。
「おっと!」
少女は軽々しく避け、俺から距離を離す。
その隙を見逃さない、近距離からの攻防が無理でも遠距離からの魔法ならば!
そう思い少女に追撃するように風の魔法を次々と放つ。
その攻撃自体は良かったのだろう……だが、風と炎その相性が悪かった。
少女へと放たれた風の魔法は少女が放った炎の魔法によって掻き消され、さらには少女の魔法の威力をあげていたのだ。
「くっ……」
少女の強化された魔法を避けながら後方へと下がる、その間も風の魔法による攻撃を続けるも……
「あははっ!お兄ちゃんの風!私の炎で消えちゃうね!!お返しにこれっっ!!」
少女は笑みを絶やさず風の魔法を打ち消し、剣を空に振い遠距離からの炎を斬撃を俺へと飛ばした。
広範囲!回避は無理!だから俺はジン器で彼女の斬撃を受ける。
ぶつかり合って数秒、拮抗しながらもなんとか地面へ叩き潰すように攻撃の軌道を逸らした。
「やるやる~!!」
少女は楽しそうに笑う。
さて風の魔法は彼女には通じない……なら
風の魔力から神の魔力へと切り替える。
「?様子が変わった?」
少女が俺の魔力への異変を感じる、完全に勘付かれる前に攻撃する!
神の魔力を少女へと真っ直ぐに放つ。
「でもまた!燃やせばいいだけだもんね!!」
そう言い放ち少女は再び炎の魔力を俺の神の魔力へと衝突させる。
風の魔力のままならば先ほどと同様の結果になっていただろう……けれど今回は神の魔力が炎を突き抜け少女の体へと直撃する。
「ッッ!」
攻撃を喰らって少女はよろける、今がチャンスだ。
神の魔力を少女へと連射する。
「流石に同じ手は喰らわないよ!!」
少女はすぐさま自身の人器である剣を盾のように前へと突き出して魔力を防ぐ。
攻撃は対処されて防がれた……まだだ!!
「──接続解除」
ジン器の刀から短刀へと変化させ投げ神の魔力を拳に宿す。
神の魔力は変幻自在、形を整えればある程度使える。
そして俺が今、神の魔力で作った物は。
ジャラララ
「鎖!?どこから?」
俺は両方にそれぞれ宿した神の魔力を鎖に変えて少女へと放つ。
「私を捕まえる気?残念!当たらないよ!!」
向かってくる鎖に対してその場を飛び回避する……しかしそれは予想済み。
カンッ!!
魔力で出来た鎖に何かが当たる……それは先ほど俺が投げたジン器の短刀。
俺の短刀は俺の意思で自由に飛ばせられる。
鎖の下からジン器を当てて鎖を上方向へ方向転換させる。
「うそっ!!」
鎖は2本とも少女の両足を捉えて捕まえる。
「せぇーの!!」
俺は鎖を高く上がるように腕を振り上げた。
鎖に足を繋がれた少女は服をヒラヒラとなびかせながらそのまま天井近くまで上がる。
「わわわっ!ちょっと待っ……」
「そらっ!!」
そして俺は力を入れ地面に叩きつけるように腕を振り下ろした。
少女は地面へ強く激突して砂煙を周囲にあげる。
この程度で勝てるとは思っていない……けれどかなりのダメージを与えられれば……
「もー痛ったいなー!!」
砂煙の中から少女は立ち上がる。
体中は先ほどの激突と砂煙で汚れているだけで少女は依然元気のままである。
「マジかよ……」
「ってかお兄ちゃん!!」
「ん?」
「私のパンツ見たでしょ……」
「…………見てない」
「よかった~今日は気合い入れて黒色のにしてたからあまり人に見られたくなかったんだ~」
「いや、ピンク色だっただろ」
俺が少女の間違いを指摘した瞬間、炎の斬撃が飛んできた。
「うおぉぉっ!!」
「やっぱ見てたんじゃん!!」
なんとか攻撃自体は回避できた……くそっかまをかけていたのか……!
それはそれとしてさっきの攻撃自体は全く効かなかったわけではないはずだ。
少しづつ……本当に少しづつだが、彼女とちゃんと戦えるようになっている。
まだだ、まだ俺はやれる!
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その心の中にある戦いの楽しさに気付かないまま。
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