29 / 111
29
しおりを挟む
***
僕が料理を温め直し、器に盛り付けてお盆に乗せると、彼はそれらをテーブルへと運んでくれた。
それから彼は満面の笑みを浮かべ、テレテレと嬉しそうに言った。
「まるで、新婚さんみたいだね」
‥‥‥今さらだけど、やっぱり言動がいちいちキモいしウザイ。
だけど罵倒したところで喜ばせるだけだともう知っていたから、全力でその発言をスルーした。
向き合って座り、行儀良く二人揃って手をパチンと合わせ、いただきますと言ってから。
彼は少し緊張した面持ちで、僕の作った肉じゃがに箸を伸ばした。
西園寺さんの所作はそのひとつひとつが、まるでお手本みたいに美しい。
だから思わず、ちょっと見惚れてしまった。
「美味しい!やっぱり陸斗くんは、料理上手だね」
ひとくち口に含み、それを食べ終わると、彼は穏やかな笑みを浮かべ言った。
嬉しい反面それがちょっぴり照れ臭かったから、誤魔化すみたいに僕はボソッと答えた。
「……普通だと、思いますが」
だけど彼はクスクスと笑いながら、僕の瞳をじっと覗き込んで言った。
「ううん、そんな事無いよ!
本当に、美味しい」
西園寺さんはスッと左の手を伸ばし、僕の手に軽く触れた。
バイト先でもこんな風に触られる事は度々あったけれど、今はここはにこにこ弁当の店先ではなく、僕の自宅。
いつもならサッと避け、毒を吐いているところだけれど、変に意識してしまいその手を振り払う事が出来ない。
そんなドギマギを感じ取ったのか、彼はクスリと笑って指に指を絡めて来た。
どうしたら良いか分からず、恥ずかしくてぎゅっと目を閉じる僕。
すると西園寺さんはまたクスクスと笑いながら、ようやく手を離してくれた。
僕が料理を温め直し、器に盛り付けてお盆に乗せると、彼はそれらをテーブルへと運んでくれた。
それから彼は満面の笑みを浮かべ、テレテレと嬉しそうに言った。
「まるで、新婚さんみたいだね」
‥‥‥今さらだけど、やっぱり言動がいちいちキモいしウザイ。
だけど罵倒したところで喜ばせるだけだともう知っていたから、全力でその発言をスルーした。
向き合って座り、行儀良く二人揃って手をパチンと合わせ、いただきますと言ってから。
彼は少し緊張した面持ちで、僕の作った肉じゃがに箸を伸ばした。
西園寺さんの所作はそのひとつひとつが、まるでお手本みたいに美しい。
だから思わず、ちょっと見惚れてしまった。
「美味しい!やっぱり陸斗くんは、料理上手だね」
ひとくち口に含み、それを食べ終わると、彼は穏やかな笑みを浮かべ言った。
嬉しい反面それがちょっぴり照れ臭かったから、誤魔化すみたいに僕はボソッと答えた。
「……普通だと、思いますが」
だけど彼はクスクスと笑いながら、僕の瞳をじっと覗き込んで言った。
「ううん、そんな事無いよ!
本当に、美味しい」
西園寺さんはスッと左の手を伸ばし、僕の手に軽く触れた。
バイト先でもこんな風に触られる事は度々あったけれど、今はここはにこにこ弁当の店先ではなく、僕の自宅。
いつもならサッと避け、毒を吐いているところだけれど、変に意識してしまいその手を振り払う事が出来ない。
そんなドギマギを感じ取ったのか、彼はクスリと笑って指に指を絡めて来た。
どうしたら良いか分からず、恥ずかしくてぎゅっと目を閉じる僕。
すると西園寺さんはまたクスクスと笑いながら、ようやく手を離してくれた。
9
あなたにおすすめの小説
またのご利用をお待ちしています。
あらき奏多
BL
職場の同僚にすすめられた、とあるマッサージ店。
緊張しつつもゴッドハンドで全身とろとろに癒され、初めての感覚に下半身が誤作動してしまい……?!
・マッサージ師×客
・年下敬語攻め
・男前土木作業員受け
・ノリ軽め
※年齢順イメージ
九重≒達也>坂田(店長)≫四ノ宮
【登場人物】
▼坂田 祐介(さかた ゆうすけ) 攻
・マッサージ店の店長
・爽やかイケメン
・優しくて低めのセクシーボイス
・良識はある人
▼杉村 達也(すぎむら たつや) 受
・土木作業員
・敏感体質
・快楽に流されやすい。すぐ喘ぐ
・性格も見た目も男前
【登場人物(第二弾の人たち)】
▼四ノ宮 葵(しのみや あおい) 攻
・マッサージ店の施術者のひとり。
・店では年齢は下から二番目。経歴は店長の次に長い。敏腕。
・顔と名前だけ中性的。愛想は人並み。
・自覚済隠れS。仕事とプライベートは区別してる。はずだった。
▼九重 柚葉(ここのえ ゆずは) 受
・愛称『ココ』『ココさん』『ココちゃん』
・名前だけ可愛い。性格は可愛くない。見た目も別に可愛くない。
・理性が強め。隠れコミュ障。
・無自覚ドM。乱れるときは乱れる
作品はすべて個人サイト(http://lyze.jp/nyanko03/)からの転載です。
徐々に移動していきたいと思いますが、作品数は個人サイトが一番多いです。
よろしくお願いいたします。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる