25 / 149
脅迫①
しおりを挟む
「アイツいったい、どういうつもりだよ?」
用を足し終わり、男子トイレ内の鏡の前に立ったまま、ひとりぎゅっと唇を噛み締める僕。
するとそのタイミングで、早乙女くんが入ってきた。
「どういうつもりも、何も。
大晴が、可愛過ぎるのが悪い」
ちゅっ、と音を立て、首筋に口付けられた。
「ひゃ……!」
こんな場所でまでそんな真似をされると思わなかったモノだから、つい変な声が出てしまった。
すると彼はククッと楽しそうに笑い、耳元で囁いた。
「そもそもの話。なんで大晴は、自分がモテないだなんて思い込んでたんだよ?
……本当にモテないヤツはな、そんな簡単に『一夜の相手』なんか、見付けられないって」
そういうものなのだろうか……?
だけど確かに一人でバーなどで自棄になり飲んだくれていた際に、声をかけて来てくれるのはいつだって女の子達の方からだった。
「……なるほど」
鏡に写る、自分の顔をじっと見つめてみる。
女の子みたいな顔をしているのがずっとコンプレックスだったけれど、そういうのが好きな子も意外と多いのかもしれない。
「だったらこれからは、史織の事なんか忘れて遊びまくってやる!」
まだ酔っていた事もあり、鼻息荒く宣言した。
それを聞き、鏡に写る早乙女くんの眉間には深いシワが刻まれた。
「はぁ!?お前……何を堂々と、浮気宣言してんの?
マジで、ふざっけんな!
お前は俺と、付き合ってるだろうが!」
「付き合ってないよ、一夜の過ちだろ?
楽しかったね、気持ち良かったよ。
ありがとうございました!」
わざと早口で煽るみたいにそう言うと、早乙女くんは一瞬だけ不愉快そうに口元を歪めた後、今度はにっこりと不気味なくらい綺麗に微笑んだ。
用を足し終わり、男子トイレ内の鏡の前に立ったまま、ひとりぎゅっと唇を噛み締める僕。
するとそのタイミングで、早乙女くんが入ってきた。
「どういうつもりも、何も。
大晴が、可愛過ぎるのが悪い」
ちゅっ、と音を立て、首筋に口付けられた。
「ひゃ……!」
こんな場所でまでそんな真似をされると思わなかったモノだから、つい変な声が出てしまった。
すると彼はククッと楽しそうに笑い、耳元で囁いた。
「そもそもの話。なんで大晴は、自分がモテないだなんて思い込んでたんだよ?
……本当にモテないヤツはな、そんな簡単に『一夜の相手』なんか、見付けられないって」
そういうものなのだろうか……?
だけど確かに一人でバーなどで自棄になり飲んだくれていた際に、声をかけて来てくれるのはいつだって女の子達の方からだった。
「……なるほど」
鏡に写る、自分の顔をじっと見つめてみる。
女の子みたいな顔をしているのがずっとコンプレックスだったけれど、そういうのが好きな子も意外と多いのかもしれない。
「だったらこれからは、史織の事なんか忘れて遊びまくってやる!」
まだ酔っていた事もあり、鼻息荒く宣言した。
それを聞き、鏡に写る早乙女くんの眉間には深いシワが刻まれた。
「はぁ!?お前……何を堂々と、浮気宣言してんの?
マジで、ふざっけんな!
お前は俺と、付き合ってるだろうが!」
「付き合ってないよ、一夜の過ちだろ?
楽しかったね、気持ち良かったよ。
ありがとうございました!」
わざと早口で煽るみたいにそう言うと、早乙女くんは一瞬だけ不愉快そうに口元を歪めた後、今度はにっこりと不気味なくらい綺麗に微笑んだ。
23
あなたにおすすめの小説
「じゃあ、別れるか」
万年青二三歳
BL
三十路を過ぎて未だ恋愛経験なし。平凡な御器谷の生活はひとまわり年下の優秀な部下、黒瀬によって破壊される。勤務中のキス、気を失うほどの快楽、甘やかされる週末。もう離れられない、と御器谷は自覚するが、一時の怒りで「じゃあ、別れるか」と言ってしまう。自分を甘やかし、望むことしかしない部下は別れを選ぶのだろうか。
期待の若手×中間管理職。年齢は一回り違い。年の差ラブ。
ケンカップル好きへ捧げます。
ムーンライトノベルズより転載(「多分、じゃない」より改題)。
お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた
やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。
俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。
独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。
好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け
ムーンライトノベルズにも掲載しています。
挿絵をchat gptに作成してもらいました(*'▽'*)
政略結婚制度に怒っています
河野彰
BL
「政略結婚法」が施行されて十余年。政治家や俳優、高額納税者などの著名人は三十歳までに結婚をしなければならないという法律だ。
主人公末永遥(すえながはるか)はごく一般家庭に育った地味なサラリーマンだったが、ある日一通の通知が政府から届く。それは、高額納税者である久堂清継(くどうきよつぐ)との婚姻が成立したという決定通知だった。
男同士で結婚!? と驚く遥。間違いかと思い、すぐに異議申し立てをしに市役所へ行ったが、そこで事実だと告げられてしまう。トボトボと帰路につく遥の前に清継が現れて……。
βな俺は王太子に愛されてΩとなる
ふき
BL
王太子ユリウスの“運命”として幼い時から共にいるルカ。
けれど彼は、Ωではなくβだった。
それを知るのは、ユリウスただ一人。
真実を知りながら二人は、穏やかで、誰にも触れられない日々を過ごす。
だが、王太子としての責務が二人の運命を軋ませていく。
偽りとも言える関係の中で、それでも手を離さなかったのは――
愛か、執着か。
※性描写あり
※独自オメガバース設定あり
※ビッチングあり
大好きな婚約者を僕から自由にしてあげようと思った
こたま
BL
オメガの岡山智晴(ちはる)には婚約者がいる。祖父が友人同士であるアルファの香川大輝(だいき)だ。格好良くて優しい大輝には祖父同士が勝手に決めた相手より、自らで選んだ人と幸せになって欲しい。自分との婚約から解放して自由にしてあげようと思ったのだが…。ハッピーエンドオメガバースBLです。
両手で抱えきれないほどの愛を君に
まつぼっくり
BL
平和な王国アルヴェで生まれたユイリナは四歳の誕生日に時空間の歪みへ落ちてしまう。
落ちた先で優しい夫婦に拾われて、引き取られ、五十嵐 唯利(いがらし ゆいり)として生きていくが、両親の死をきっかけにアルヴェへと戻ってくる。
落ちるときに目の前にいた兄の親友×十二年ぶりに帰って来た子
ふんわり設定
全7話+1話
全話予約投稿済み
他サイトにも掲載中
たしかなこと
大波小波
BL
白洲 沙穂(しらす さほ)は、カフェでアルバイトをする平凡なオメガだ。
ある日カフェに現れたアルファ男性・源 真輝(みなもと まさき)が体調不良を訴えた。
彼を介抱し見送った沙穂だったが、再び現れた真輝が大富豪だと知る。
そんな彼が言うことには。
「すでに私たちは、恋人同士なのだから」
僕なんかすぐに飽きるよね、と考えていた沙穂だったが、やがて二人は深い愛情で結ばれてゆく……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる