【完結】相談する相手を、間違えました

ryon*

文字の大きさ
103 / 149

江ノ島ドライブ①

しおりを挟む
「じゃあ俺はまた会社に戻って、仕事してくるわ。
 誘ってくれてありがとな、大晴。遼河も、飯スッゲェ美味かった!」

 遼河くんの用意してくれた少し遅めの朝食を三人で摂り終わると、知之が大きく伸びをしながら言った。

「ホント、忙しいんだね。
 うん、お疲れ様。仕事、頑張ってね」

「はぁ……けど行くの、なんかだりぃ……。
 お前らだけ休みとか、なんかズルくね?」
 
 再び机に突っ伏して、拗ねる知之。 
 ……けど、ズルいってなんだよ?子供か!

 呆れながらも、つい吹き出した。
 すると遼河くんが車のキーを手に、ニッと笑った。

「まぁ俺らはお前と違って、比較的規則正しい生活してるから。
 でも、しゃーねぇなぁ。俺様が特別に、送ってやるよ」

 その言葉に反応し、ガバッと顔をあげる知之。

「マジで!?スッゲェ、嬉しい。
 ……ならあと10分は、ダラダラ出来るな」

 本当に、現金な男である。

「あまりギリギリに、ならないようにね?
 もしかしたら道路が、混んでるかも知れないんだし」

 クスクスと、笑う僕。
 すると遼河くんは、ニヤリと笑って言った。

「何を他人事みたいに、言ってんの?
 早く、用意しろよ。お前も一緒に、行くんだよ!」

***

 知之を、会社の前まで送ってから。
 彼に言われ、僕は後部座席からいつもの助手席へと移動した。
 
 ちなみに最初車に乗り込む際、いつもの癖で当たり前みたいに運転席の隣に座りそうになり、お前も後ろの席だろうと知之に思いっきり突っ込まれてしまった。

 そしてそんな僕らのやり取りを無言のままただ見ていた遼河くんの肩が、笑いをこらえてフルフルと小刻みに震えていたような気がしたのはきっと、気のせいではないだろう。
 ……慣れって、こわい。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

「じゃあ、別れるか」

万年青二三歳
BL
 三十路を過ぎて未だ恋愛経験なし。平凡な御器谷の生活はひとまわり年下の優秀な部下、黒瀬によって破壊される。勤務中のキス、気を失うほどの快楽、甘やかされる週末。もう離れられない、と御器谷は自覚するが、一時の怒りで「じゃあ、別れるか」と言ってしまう。自分を甘やかし、望むことしかしない部下は別れを選ぶのだろうか。  期待の若手×中間管理職。年齢は一回り違い。年の差ラブ。  ケンカップル好きへ捧げます。  ムーンライトノベルズより転載(「多分、じゃない」より改題)。

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた

やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。 俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。 独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。 好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け ムーンライトノベルズにも掲載しています。 挿絵をchat gptに作成してもらいました(*'▽'*)

政略結婚制度に怒っています

河野彰
BL
「政略結婚法」が施行されて十余年。政治家や俳優、高額納税者などの著名人は三十歳までに結婚をしなければならないという法律だ。  主人公末永遥(すえながはるか)はごく一般家庭に育った地味なサラリーマンだったが、ある日一通の通知が政府から届く。それは、高額納税者である久堂清継(くどうきよつぐ)との婚姻が成立したという決定通知だった。  男同士で結婚!? と驚く遥。間違いかと思い、すぐに異議申し立てをしに市役所へ行ったが、そこで事実だと告げられてしまう。トボトボと帰路につく遥の前に清継が現れて……。

βな俺は王太子に愛されてΩとなる

ふき
BL
王太子ユリウスの“運命”として幼い時から共にいるルカ。 けれど彼は、Ωではなくβだった。 それを知るのは、ユリウスただ一人。 真実を知りながら二人は、穏やかで、誰にも触れられない日々を過ごす。 だが、王太子としての責務が二人の運命を軋ませていく。 偽りとも言える関係の中で、それでも手を離さなかったのは―― 愛か、執着か。 ※性描写あり ※独自オメガバース設定あり ※ビッチングあり

結婚することになったんだけど、相手が死人でした

河野彰
BL
俺、里見ヒカル。  この度、「死人」の花嫁になることになりました。

大好きな婚約者を僕から自由にしてあげようと思った

こたま
BL
オメガの岡山智晴(ちはる)には婚約者がいる。祖父が友人同士であるアルファの香川大輝(だいき)だ。格好良くて優しい大輝には祖父同士が勝手に決めた相手より、自らで選んだ人と幸せになって欲しい。自分との婚約から解放して自由にしてあげようと思ったのだが…。ハッピーエンドオメガバースBLです。

両手で抱えきれないほどの愛を君に

まつぼっくり
BL
平和な王国アルヴェで生まれたユイリナは四歳の誕生日に時空間の歪みへ落ちてしまう。 落ちた先で優しい夫婦に拾われて、引き取られ、五十嵐 唯利(いがらし ゆいり)として生きていくが、両親の死をきっかけにアルヴェへと戻ってくる。 落ちるときに目の前にいた兄の親友×十二年ぶりに帰って来た子 ふんわり設定 全7話+1話 全話予約投稿済み 他サイトにも掲載中

たしかなこと

大波小波
BL
 白洲 沙穂(しらす さほ)は、カフェでアルバイトをする平凡なオメガだ。  ある日カフェに現れたアルファ男性・源 真輝(みなもと まさき)が体調不良を訴えた。  彼を介抱し見送った沙穂だったが、再び現れた真輝が大富豪だと知る。  そんな彼が言うことには。 「すでに私たちは、恋人同士なのだから」  僕なんかすぐに飽きるよね、と考えていた沙穂だったが、やがて二人は深い愛情で結ばれてゆく……。

処理中です...