【完結】相談する相手を、間違えました

ryon*

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運命④

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***
 そこからは本当に、驚くほどにトントン拍子に話が進んでいった。
 男は涙を流して俺に感謝の意を伝え、君下も目をハートマークにして結婚が決まったと報告してくれた。

 もっと酷い野郎を紹介してやっても良かったのだが、君下の不幸はきっと大晴の不幸。
 彼の望まない事は、俺も望まない。
 それに結婚に失敗されて、出戻られても正直迷惑でしかないし。

 そして何より職業柄、そういった真似が出来るほど俺は、腐ってもいなかったらしい。

 何か礼がしたいと彼女は言ってくれたけれど、式に呼んでくれたらそれで充分だと答えておいた。
 実際それが、狙いだったワケだしな。

 だって彼女と幼なじみの大晴は、間違いなく式にも出席するに違いない。
 傷心であろう彼のココロの隙に付け入り、少しずつ距離を詰めてやる。

 そんな風に、考えていたのだけれど。
 ……思わぬ形で俺は、彼と再会する事となる。

「今日の、お客様。
 めちゃくちゃ、美青年なんだけど!
 何あれ?アイドルでも、あんな可愛い人なかなかいない。
 私が、付き合いたぁい🖤」

 職権乱用も、甚だしい発言。
 それにちょっと呆れながら、目をやったカウンターの向こう側。

 彼に逢うのは高校の卒業式以来だから、十年以上の歳月が過ぎ去っていた。
 当時よりも、増した色香。
 穏やかに、でも少し不安そうに微笑む仕草。

 ひとめ目にした瞬間、分かった。

 やっとまた、逢えた。
 ……でも、なんでこんな所結婚相談所に?

 誰が接客するかと、色めき立つ女子社員達。
 スッと席を立ち、笑顔で告げた。

「ごめん。俺が、出るよ。
 アイツ、高校時代の同級生なんだ」

 これはきっと、偶然じゃない。運命だ。
 ……だってお前は、唯一愛した人だから。

 だから今度は、絶対に逃がさない。
 ……手に入れて、囚えて、二度と離してあげない。

 

                                             【……fin】
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